うまずたゆまず

コツコツと

地蔵盆

f:id:linderabella:20210124063312j:plain

 
「地蔵盆」は、京都など近畿地方を中心に行われている
子供達が主役となって、町内の地蔵さんにお供物をして祀る、
地域の行事です。
 
 
 

地蔵盆とは?

「地蔵盆」とは、京都など近畿地方を中心に
8月23日、24日に行われている、
子供の無病息災を願った「地蔵菩薩」のお祭りのことです。
 
日本では古くから、
お地蔵さま(地蔵菩薩)を地域や子供の守り神として、
信仰してきました。
「地蔵菩薩」は元々、仏教に属するは人々を救済する存在で、
それが民間にも地蔵信仰となって広がり、
路傍の神である「道祖神」(どうそしん)の信仰にも結びついて、
道端に地蔵さまが増えていったと言います。
このお地蔵さまを供養するのが「地蔵盆」なのです。
 

 
 

「地蔵盆」の起源

 
仏教では、親よりも先に亡くなってしまった子供は、
三途の川(さんずのかわ)にある
賽の河原(さいのかわら)で石を積まなければ
成仏が叶わないとされていました。
 
ですが、ある程度高く積み上がると、
そこへ鬼がやって来て積んだ石を壊してしまいます。
このことを可哀想に思った「地蔵菩薩」は、
自分が子供達の親となって守り、成仏へと導きました。
 
それ以降、街角などに「地蔵菩薩」を祀って、
子供の幸せや健康を願う民間信仰が広まっていったのです。
 

 
因みに、「地蔵盆」は
近畿地方を中心とする地域で古くから親しまれてきた行事で、
北陸地方や新潟、長野市周辺でも行われています。
その一方、東海や関東ではほとんど定着していません。
これは「地蔵信仰」の歴史の違いによるもののようです。
京都では室町時代に「地蔵盆」が大流行しましたが、
関東でお地蔵さまが作られたのは、
江戸時代になってからだと言われています。
 
 

「地蔵盆」に行われること

 
「地蔵盆」は大人ではなく、子供が主体となって催され、
町のお地蔵様をキレイに洗って、前掛けをつけたりとおめかしします。
灯籠や供物をあげたり、提灯で灯りをともしたりします。
縁日などのお祭りをするところもあります。
 
町内の「辻地蔵(地蔵さん)」をきれいにする

「地蔵盆」が近づくと、
お地蔵さまを祠(ほこら)から出してキレイに洗い清めて、
新しい前掛けを着せ、新たに彩色をする「お化粧」をするなどして
飾り付けます。
お地蔵さまが赤い前掛けをするのは、
赤には魔除けの意味があり、
子供達を守って欲しいという願いが込められていると言います。
 
飾り付けをする

お地蔵さんを祀る祭壇に
お札や「地蔵幡」(じぞうばた)、お飾りの花を飾り付けます。
お飾りの花は、火を灯した提灯に似ているところから
「鬼灯」(ほおずき)が飾られます。
 

会場まわりは「灯籠」や「行燈」(あんどん)に、
「地蔵尊」と子供の名を書き入れた「提灯」などを飾り付けます。
「提灯」は白と赤の二種類があり、本来区別はありませんでしたが、
最近は男の子が「白」、女の子は「赤」にするところが
多くなっているようです。
 
名前を入れるのは、
「地蔵尊」と「子供」の両者の縁を結ぶという意味があるそうで、
子供が生まれると健やかな成長を願って
その子の名前を書いた提灯を作って、
その子が「地蔵盆」に参加している間、毎年飾る地域もあるようです。
 
地蔵さんにお供えする

お地蔵さんを祀る祭壇に供物をお供えします。
具体的には、紅白の餅や落雁(らくがん)などのお菓子、
果物、精進物のお膳などを供えます。
 
お地蔵さんに「供物」としてお供えされたお菓子は、
その後、「お下がり」として子供達に配布されます。
これは、夏の終わりに体力を消耗した子供達の栄養を補給するために
落雁を配ったことから始まったとも言われています。
 

 
縁日や伝統行事を行う地域も

夜になると、縁日や盆踊りに花火大会などが行われる地域もあります。
子供達はお菓子を食べたり、ゲームなどをして遊んだりして
楽しく過ごします。
そしてプログラムの終盤には、
子供にとって最大の楽しみである「福引」が行われます
夏休み最大にして最後のイベントとして、
楽しみにしている子供達も多いようです。
 
「地蔵盆」が終わると・・・
「地蔵盆」が終わったら、
祠から移動させたお地蔵さんを元の場所に戻します。
祠をキレイに掃除し、新しい花を供えます。
そして日頃から感謝の気持ちを込めて、
お地蔵さんの前で手を合わせます。
 
 

京都の夏の風物詩「地蔵盆」

 
京都では、
8月24日の「地蔵菩薩」の縁日の前日である
8月23日を中心に「地蔵盆」が行われています。
最近では、参加者の都合に合わせて、
その前後の土日に行うところが増えています。
また、子供が少なくなったことや
大人の都合がつきにくくなったことから、
最近では一日で終わるところも多いようです。
 

 
地蔵盆で行われる伝統行事の一つが「数珠まわし」です。
これは、直径2~5mの大きな数珠を囲んで輪になって子供達が座り、
僧侶の読経に合わせて順々に廻すというものです。
この大数珠を身体に当てると、
邪気を払い除け、身を清めてくれると言い伝えられています。
他にも、お菓子配り、手料理の振舞い、ゲーム大会、
スイカ割り、福引きなど、子供向けの行事が行われます。
そして夜になると、花火大会や盆踊りなどが開催されるところもあり、
町内における貴重なコミュニケーションの機会にもなっています。
 

 
 

「地蔵菩薩」(じぞうぼさつ)とは?

 

右手に錫杖、左手に宝珠が一般的な姿です。

大きな慈悲の心で人々を包み込んで救うと言われています。
 
お地蔵様は、お釈迦様が亡くなってから
弥勒菩薩が56億7000万年後に現世に出現するまでは、
この世には仏がいない状態とされているため、
その間、命あるもの全てを救済する菩薩です。

閻魔大王の化身であるとも言われ、
この世で一度でも地蔵菩薩に手を合わせると
身代わりとなって地獄の苦しみから救うとされ
人々から信仰を集めました。
 

 
お地蔵様は「六道能化」(ろくどうのうけ)とも呼ばれ、
簡素な姿で錫杖を持つ姿は、
休む暇もなく「六道」を巡ることを表しています。
 
《参考》「六道」(ろくどう、りくどう)

 

 
「六道」(ろくどう、りくどう)とは、「六趣」(ろくしゅ)とも言われ、
仏教の教えが説く「6種類の世界(境遇、境涯)」を指します。
 
6種類の世界全てが
執着心や欲望といった煩悩から逃れられていない状態であり、
何らかの苦しみを伴うとされています。 
 
1.天 道(てんどう)
人間より優れた「天人」が住んでいます。
天人は寿命が長く、
苦しみを感じることがほとんどありません。
しかし、煩悩から完全に脱却出来ている訳ではなく、
仏教と出会えないため解脱が出来ません。
 
2.人間道(にんげんどう)
私達人間が生きている世界です。
生病老死の四苦八苦があり苦しみに満ちた世界ですが、
楽しみもあるとされています。
六道の中では唯一自力で仏教と出会える世界とされており、
解脱して仏となり、
輪廻から解放されるという救いもあります。
 
3.修羅道(しゅらどう)
闘争的な神「阿修羅」が住んでいます。
その名の通り、
争いが絶えず苦しみや怒りに溢れる世界です。
また、欲望を抑えることが出来ない世界ともされています。
 
4.畜生道(ちくしょうどう)
牛や馬などの、畜生の世界です。
弱肉強食の世界で互いに殺傷し続け合います。
また、人を蹴落としてでも
自分が助かればいいというような利己的な世界でもあり、
自力では仏教に出会うことが出来ないため、
救いが少ない世界と考えられています。
 
5.餓鬼道(がきどう)
 「餓鬼」とは、食べ物を口に入れようとした途端に
火に変わってしまい、
飢えと乾きに苦しんでいるお腹の膨らんだ姿の鬼です。
他人を思いやらないと、
人間は餓鬼になってしまうと言われています。
嫉妬、欲望の塊で満ちており、餓鬼道から抜け出すのは
とても難しいと言われています。
 
6.地獄道(じごくどう)
様々な苦しみを受ける六道の中で最も苦しい世界です。
また地獄道は、人の罪を償わせるための世界でもあります。
 
墓地にはよく6体の地蔵が祀られています。
これはインドやChinaが起源ではありません。
実はこれは日本発祥のもので、11世紀頃から祀られ始めました。
「六道」のいずれかに転生している御先祖様や故人を導いてもらうために、
それぞれ1体ずつが各世界を担当して見守っているのです。
 

 

≪参考≫