3月7日は「消防記念日」です。
昭和23(1948)年の今日、
「消防組織法」が施行されたことに
由来します。
消防記念日
敗戦後の昭和23年3月7日、前年に公布された
「消防組織法」の施行により、
明治以来75年間に渡って警察機構の中に
包含されていた我が国の消防は、
自治体が管理する今日の「自治体消防制度」に
移行しました。
そして同法施行2周年を迎えた昭和25(1950)年、
「自らの地域を自らの手で
火災その他の災害から守る」ことへの
理解と認識を深めてもらうために、
「消防記念日」が設定されました。
消防組織法
「消防組織法」(しょうぼうそしきほう)とは、
日本の消防の組織のあり方について定めた
ものです。
消防の任務範囲や、消防責任を負うための
自治体消防の体制などが挙げられています。
明治以来、消防組織は警察機構の中に
位置づけられていましたが、
第二次世界大戦直後に切り離されて
独立した組織になり、
原則として各市区町村が行なうことに
なりました。
この時、制定されたのが
「消防組織法」と「消防法」の2つの法律です。
「消防法」は、火災を予防し、
発生した場合には被害を最小限に抑えるための
措置や対策を定めた法律です。
そのために、消防設備の設置や点検、
管理者などの設置や避難訓練などの実施、
各種届け出などが義務付けられています。
昭和23(1948)年7月24日に公布されました。
春季全国火災予防運動
「春季全国火災予防運動」とは
ところで「消防記念日」は、
「春季全国火災予防運動」の最終日になります。
「春季全国火災予防運動」は
空気が乾燥し火災が発生しやすい時季に、
火災の発生を防止し、火災による尊い命と
大切な財産を守ることを目的に、
毎年3月1日から3月7日実施されています。
この運動期間中、全国の消防本部では、
消防訓練などの啓発イベントや記念式典、
消防防災功労者に対する表彰など、
様々な消防関係行事が行われます。
「全国火災予防運動」
日本の「全国火災予防運動」は、
米国の「火災予防運動」に倣って
行われるようになったと言われています。
米国では、1871年10月8日に起こった
「シカゴ大火」を契機に、
火災予防の必要性を一般に認識させようと
「火災予防運動」が行われるようになりました。
日本国内では、昭和2(1927)年3月7日、
死者と行方不明者を合わせて
2500人以上という大きな被害をもたらした
「北丹後地震」が契機に、
火災予防運動をする気運が生まれました。
昭和5(1930)年3月7日に大日本消防協会により、
近畿地方(京都・大阪・兵庫・奈良・滋賀)で
「防火運動」が実施されました。
同年12月1日、関東地方でも「防火デー」として
火災予防の啓発活動が実施され、以後、
類似の行事を実施する地方は増えていきました。
都下での戦後最初の火災予防運動は、
昭和21(1946)年10月21日から27日までの
一週間に渡るものでした。
翌年の昭和22(1947)年の5月下旬には、
全国一斉の火災予防運動が実施され、
昭和24(1949)年頃からは春と秋の1年に2回
開催されるようになりました。
昭和25年には防災ポスター・標語を公募し、
防火運動に活用されるようになりました。
昭和26(1951)年には、
春を3月1日から7日(消防記念日)までの一週間、
秋を11月26日から一週間と期間を定め、
昭和28(1953)年には名称が
「全国火災予防運動」としました。
なお平成元(1989)年からは、
春季は「消防記念日を最終日とする一週間」
(毎年3月1日~3月7日)、
秋季は「119番の日を起点とする一週間」
(毎年11月9日–11月15日)に設定され、
全国火災予防運動が行われています。