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七十二候「欸冬華」

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「ふきのはなさく」
と読みます。
 
 

「欸冬華」とは?

 
凍てついた地面から
蕗の花が咲き始める頃です。
地面には雪が積もり、
強い寒さが襲ってくる時期ですが、
陽が徐々に増すことで、
草花が春に向けて着実に動き出しています。
確実に春が近づいていることを
感じさせてくれる頃です。
 
 

カン・アイ・
なげく
「叩く」という意味です。
 冬に氷を叩き破って生えるので
 欸冬。
 蕗の薹が咲き始める頃。
 蕗の花は、花の少ない
「大寒」の頃を代表する花です。
蕗の花茎は「蕗の薹」
(フキノトウ)と呼ばれます。
 

蕗の薹(ふきのとう)

 
フキは、日本で最古の野菜の一つと
言われます。
学名「Petasites japonicus」の
「japonicus」は「日本の」を意味し、
「Petasites(ペタシテス)」は
「つばの広い帽子」が語源で、
葉が広く大きいことに因みます。
 
 
「蕗の薹」(ふきのとう)は、蕗の花の蕾の事で、
春を代表する山菜のひとつとして
古くから愛されてきました。
 
 
日本各地に自生しており、
雪解けと共に出てくるので
収穫出来る時期は1~3月と、
地域によっても異なります。
 
独特な芳香とほろ苦さがあり、
和え物、天ぷらなどで頂く春の御馳走です。
 

 

蕗の薹の言い伝え

この「蕗の董」(ふきのとう)に関しては
次のような言い伝えが残っています。
 
その昔、雪は無色透明でした。
色を欲した雪の妖精が花々に色を分けて欲しいと
尋ね回ったのですが、けんもほろろに断られ、
途方に暮れてしまいました。
それを見兼ねたフキノトウが、
自身の花の色である白色を雪に分けたので、
それから雪は白色になったのです。
それ以来、雪は全てを白で覆ってしまいますが、
色を分けてくれた恩義を感じて、フキだけは
遠慮して振り分けるようになりました。
 

春を告げる爽やかな苦味

 
蕗の薹は、古くから食用に利用されています。
蕗の薹の苦みやえぐみは、山菜の中でも随一。
まさに、覚醒の苦味です。
冬眠している熊が目覚めて初めて食べるのも、
蕗の薹だと言われます。
 

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人もその例外ではなく、
デトックス(解毒)作用が高い、
ほろ苦いもの、えぐみのあるものが、
自然と食べたくなります。
山菜の持つ苦味は、
冬の間に溜まった体内の滞りを輩出し、
これからの活動的な季節にシフトチェンジ
するための、美味しい妙薬と言えます。
 
実際、フキには便秘改善に役立つ
「食物繊維」が多く含まれています。
また、「カリウム」が豊富に含まれています。
「カリウム」は「ナトリウム(塩分)」を
排泄する役割があり、高血圧に効果があります。
また、足などのむくみを取る作用もあります。
その他、ミネラルでは「カルシウム」や「鉄」、
ビタミンでは、カロテンやビタミンE、葉酸が
比較的多いです。
 

「ふき味噌」の作り方

 
「ふき味噌」は、ご飯のお供には勿論、
おにぎりの具材やお酒のおつまみにも
おススメです。
また、冷奴やお刺身と和えても美味しく
いただけます。
 
<材料> 作りやすい分量
  • ふきのとう:8〜10個(約100g)
  • 味噌   :大さじ4
  • みりん  :大さじ2
  • 砂糖   :大さじ1
  • 酒    :大さじ2
  • サラダ油 :大さじ1
 
Point!
 食べるにはしっかりとしまっている
 「蕾」の方が良く、花が開いてしまったものは
 固くなってしまい、灰汁も強くなってしまい
 ます。
 
<作り方>
《準備》
◎ふきのとうをよく洗い、泥や埃を取り除いておきます。
 
Point!
・水気をしっかりと切ってから
 みじん切りにします。
 切ってるそばから黒く変色してくるので、
 手早く行いましょう。
・苦味を抑えたい場合は、
 3分茹でてから15分水にさらしてアク抜き後、
 みじん切りにします。
 
 
◎味噌、みりん、砂糖を混ぜ合わせておきます。
 
1.サラダ油を中火にかけたフライパンで熱し、
  切った蕗の薹を炒めていきます。
2.1分程炒めたら、酒を加えて更に炒めます。
3.2に合わせ調味料を加え、弱火にして
  混ぜながら煮詰めます。
  蕗の薹と調味料がしっかり混ざり、
  水分が飛んだら完成です。
 

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