うまずたゆまず

コツコツと

お米作りは1年掛かりの作業

 

日本の長い歴史の中で、
お米は主食であり、財産であり、
生活の中心は米作りでした。
 
お米作りは約1年掛かりの作業です。
小さな芽を出した種籾が、
秋にたくさんのお米を実らせるまでの
ドラマを紹介します。
 
 
 
米作りのスケジュールは、
住んでいる地方や気候条件などによって
異なりますが、
米作りの工程自体は
昔から余り変わっていません。
(くわ) や鋤 (すき)、人や牛などを使った作業が
農機具を使っての
効率的な作業に変化したに過ぎません。
 

田んぼの準備

前年の収穫後
田起こし(秋耕)
お米作りは、収穫後から始まります。
稲刈り後に田を耕し、
稲藁や籾殻などの有機物を鋤き込みます。
こうすることで、地力を回復させる他、
雑草・害虫の防除や環境負荷低減にも
効果が見込めます。
 
床土つくり
 
良質な稲を育てるためには、
同じ性質の土が大量に必要になります。
地方によって様々ですが 、
肥料や燻炭 (くんたん) などを混ぜながら
質の良い「床土作り」を行います。
 
 
田起こし(春耕)
 
養分のある良い土をつくるために、
田んぼの土を掘り起こして耕します。
土に空気を入れ、
前年の藁を分解して微生物を活性化させ、
根が張りやすいフカフカの土壌を作ります。
また、雑草を埋め込んで初期の発生を抑えます。
 
そして肥料(チッソ、リン酸、カリウム)を
撒きます。
 
畦塗り(あぜぬり)
田んぼの土を周りに塗り固めて
水が漏れ出さないために
モグラなどが作った穴や
乾燥により自然に入ったヒビを
補修する作業です。
 
畦塗りをすることで、
田んぼの水持ちを良くする他、
雑草の発生抑制や、肥料効果の向上に
役立ちます。
 

3月下旬から4月中旬頃
種籾作業

種籾の選別・消毒
栽培する地域に適した品種を選び、
更に「塩水選」(えんすいせん) を行って
良い籾を選別します。
「塩水選」(えんすいせん) とは、
種籾を塩水に浸して、
中身が詰まった沈む良質な種籾と、
未熟で浮く籾を選別する技術。
 
選別後は、病気を防ぐための温湯消毒や
薬剤消毒を行います。
 
浸種(しんしゅ)
12〜15℃の水に1週間〜10日間程浸し、
発芽に必要な水分を吸収させます。
 
催芽(さいが)
選ばれた種籾を、
30〜32℃の温湯に約20時間浸して、
「ハト胸状態(芽が1mm程度出た状態)」まで
強制的に発芽させます。
 
播種
専用の機械(播種機)を使って、
育苗箱に種を蒔いて、
その上から少し土を被せ、
ビニールハウスの中に並べて、
日に当てて温めて、芽が出るのを待ちます。

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3月下旬~5月上旬
育苗と代掻き

育苗
 
ビニールハウスでは
温度計を見ながらこまめに換気をしたり、
水や肥料をあげます。
時々開けて日光に当てたり、
少しずつ外の空気に馴らして鍛えます。
こうして、丈夫で健康な苗が
10cm以上に成長するまで大事に育てます。
 
育苗器を使う方法もあります。
育苗器は、育苗箱を中に積み、
電気ヒーターや蒸気などで加温して
発芽させる機器です。
 
代掻き(しろかき)
 
田んぼに水を張って
田んぼの土を細かく砕いて滑らかにし、
かき混ぜて表面を平らにする、
米作りで最も重要な準備作業です。
 
「代掻き」の主な目的は、
① 保水性向上
  土の粒子を細かくして水を抜けを防ぎ、
 水持ちを良くする
② 土壌の均平化(水管理の安定)
  田んぼの土を平らにすることで、
  水深を均一にし、
  水や肥料の管理を効率的にする
③ 苗の活着促進
  土を柔らかくして苗の活着(定着)を促進する
④ 雑草の抑制
  藁や雑草を土中に埋め込み、腐熟を促進する
 
「代掻き」をすることによって、
苗に栄養がムラなく行き渡り、
しっかり根付く環境が作られます。
 

5〜6月
田植え


 
苗の草丈が12~15cm、
本葉が3.5~5枚ぐらいになったら
いよいよ田植えです。
 
 
水を張った田んぼに苗を植えていきます。
昔は手で1つ1つ苗を植えていく重労働でしたが
現在では田植機に苗と肥料をセットして
約2~4本の苗を1株にまとめて
15~20㎝の間隔で植えていきます。
 
 
なお今でも田んぼの端の方は、
手で植えることもありますし、
植え損なった所や倒れてしまったところは
手で直します。

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水管理・草取り・追肥

天候や気温によって、
米の出来が大きく違ってしまうため、
少しでも良い稲になるように
管理を休みません。
 
水管理
田植え後は、稲の成長に合わせて
「深水」「浅水」「中干し」「間断灌漑作業」を
行います。
 
田植え直後は、根の活着を促進し、
低温や乾燥から苗を守るために
約3~5cmの水深を維持する
「深水管理」をします。
その後は少し水の高さを低くする
「浅水管理」に切り替えて地温を上げて
茎を増やす分蘖 (ぶんげつ) を促進します。
 
稲が健康に育つためには、
稲の生育に合わせ土を乾燥させる
「中干し」をしたり、
田んぼの水を入れたり、水を抜いたりする
「間断灌漑」作業が必要です。
 
8月お盆前、苗がしっかり根付いてたら、
一旦田んぼから水を抜き土を乾燥させる
「中干し」をします。
「中干し」をすることによって
根に酸素を供給して丈夫にし、
土壌を乾燥させて強化し稲の倒伏を防ぎ、
機械による刈り取り作業をしやすくなり、
また病害虫や有害ガスの発生を抑えることも
出来ます。
その後に、また水を入れます。
「中干し」をする時期には、
排水路 (溝) を作る「溝切り」も行います。
「溝切り」をすることで、
水を素早く田んぼに広げたり、
円滑に排水出来るようになります。
夏場、大雨やフェーン現象などが起きた際に、
この「溝切り」をしているか否かで、
稲の品質や生育、作業効率の明暗が
分かれます。

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追肥
 
稲の成長の様子を見ながら機械を使って
肥料などを少しずつ与えます。
品種や生育時期に合わせて
窒素・リン酸・カリを調節していきます。
 
防除対策
(雑草や病害虫を防ぐ)
 
稲の病気や害虫から守るために大切なのが
防除対策です。
雑草が発生すると日当たりが悪くなり、
成長の邪魔になります。
また病害虫が発生すると、稲が傷ついたり
病気になったりします。
 
雑草は、手で抜いたり、除草剤を撒いたり、
除草機や刈払機などを使用したり、
アイガモに雑草を取ってもらったりもします。
 
病害虫駆除は、農薬散布する方法が一般的で、
害虫の種類によって薬剤効果の違うので、
稲に影響の少ない方法を複数組み合わせる
必要があります。
 

9~10月
収穫

稲刈り
稲刈りは、穂が出てから約40〜45日後、
稲穂が黄金色に垂れ下がった頃に行なわれます。
稲の刈り取りには、
「脱穀」「籾の選別」「藁処理」が同時に出来る
コンバインを使用するのが主流です。
 
乾燥
(稲架掛け・乾燥機)
 
昔は、稲を束ね棒に掛けて天日に干す
「稲架掛け」をして風を通して
2週間かけて乾燥させました。
 
脱穀・選別・出荷
「脱穀」とは、刈り取って乾燥させた稲穂から
「籾」(もみ) を落とす作業です。
 
コンバインは「刈取機」と「脱穀機」が
一体となった機械であり、
稲刈り・脱穀・選別を同時に行います。
 
 
歯のついた「こぎ胴」が高速回転し、
刈り取った稲穂から「籾」をこぎ落とします。
そしてファンによる風と揺動板を使って、
重い「籾」と軽い藁屑やゴミを分離し、
「籾」の方はタンクまたは籾袋に集められ、
稲藁の方は後部のカッターで細断されて
田んぼに撒かれます。
 
収穫したばかりの「籾」は
水分を多く含んでいるため、
乾燥機の中で低温でじっくりと
乾燥します。
なお「籾」のまま保管すると、
鮮度が長持ちするため、
籾袋や専用のコンテナに入れて
倉庫で保管されることもあります。
適切に保管すれば、
長期間(最長で10年)保存が可能です。
 
 
乾燥した「籾」は、籾すり機を使って
「籾殻」(もみがら) を取り除いて
「玄米」にします。
更に「玄米」から糠層を取り除いて
「白米」にし、
米袋に詰めて市場に出荷されます。

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