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山菜採り(さんさいとり)

 
3月に入り、雪が溶けた始める頃になると、
春の行楽の一つ「山菜採り」(さんさいとり)
始まります。
 
「山菜採り」の歴史は、
5000年以上前にも遡ると言われ、
日本では最大の縄文遺跡である
三内丸山遺跡」からタラの芽の種が
発見されています。
 
 

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『万葉集』にも山菜が多く詠まれ、
春になると「蕨狩」(わらびがり)と言って、
山野に出てくる蕨を摘みに出掛けました。
 
 
 君がため 春の野に出で
 若菜摘む わが衣手に 雪は降りつつ
 せりなずな ごぎょうはこべ
 ほとけのざ すずなすずしろ これぞ七草
 
 
なお従来は山村の生産活動として行われていた
山菜やキノコの採取、渓流釣りなどが
趣味のアウトドアの一種として
都市の住民も含め
盛んに行われるようになったのは、
高度成長期以後のことです。
 
 
 

春の山菜一覧

 
雪解けとともに春が訪れ、
山では若々しい新芽が芽吹き始める3月。
 
野生で育つ植物は防御のためか、
アク、酸味、苦み、硬さなど何かしら
強烈な個性を持つものが多く、
その個性こそ山菜を食する時の醍醐味です。
 
この時期から収穫される、
春の山菜の代表的な種類を紹介します。
 
蕨(わらび)
 
コバノイシカグマ科ワラビ属の山菜です。
日当たりのよい場所に生え、
緑色や赤褐色など、
日当たりによって色が異なります。
 
薇とこごみは、先端が渦巻になっていますが、
蕨は先端が小さく2〜3つに枝分かれし、
こぶしのような形をしており、
ツヤはなく、茎の断面は円形です。
 
薇(ぜんまい)
ゼンマイ科ゼンマイ属の山菜で、全国各地の
湿り気のある場所に自生しています。
緑色で先端が渦巻きのように丸まっており、
綿毛に覆われているのが特徴です。
成長すると渦巻きの中の葉が大きく開いて、
綿毛がなくなります。
 
こごみ
 
正式名称は「クサソテツ」で、
食用とする若芽を「こごみ」と呼びます。
湿り気のある場所に自生していて、
薇よりも鮮やかな緑色をしていて、
綿毛はありません。
 
 
茎の断面はコの字のような形をしていて、
若芽の部分が人の屈む(かがむ=こごむ)姿に
似ていることが名前の由来と言われています。
 
蕗の薹(ふきのとう)
日本原産のキク科の多年草で、
早春に出た、苞に包まれた花芽を
「蕗の薹」と言います。
花の開かないうちに摘んで、
天ぷらや蕗味噌にしたり、味噌汁に散らして、
ほろ苦さを味わいます。
 
楤の芽(たらのめ)
言わずと知れた「山菜の王者」です。
古来から、タラノキの新芽は、
ほろ苦さや歯応え、
深みのある味わいが愛されてきました。
天ぷらが一番美味しいとも言われますが、
味噌和えなどにもします。
 
漉油(こしあぶら)
あまり知名度はないかもしれませんが、
「山菜の女王」と呼ばれている山菜です。
軽い食感で、ほろ苦い独特の風味が特徴です。
 
独活(うど)
多年草の山菜の一種です。
シャキシャキとした食感が特徴的で、
炒め物や和え物、サラダ、煮物、
味噌汁の具材などとして使用されています。
 
(せり)
春の七草の一つで、
水田や野川などの湿地に群生しています。
葉は柔らかく、長い白い根とともに香りが高く、
根白草、つみまし草という古名があります。
お浸し・和え物・吸い物に使われ、
生臭さを消すとして、鶏料理、牡蠣鍋にも
用いられます。
 
みつば
日本原産のセリ科の
特有の爽やかな香りが特徴の香味野菜で、
葉が3つに分かれることから、
「みつば」という名前になりました。
 

山菜を採る時の基本ルール

 
山菜を採る時の基本ルール
1.採って良い場所かどうかを確認する
  採っても良いところで採る。
  入ってはいけないところへは入らない。
 
2.丁寧に採る。山菜を傷めない。
 
3.分量をわきまえる。
  美味しく食べられる分だけ採る。
 
4.食べられるものを採る。
  山菜によく似た毒草がある。
 
5.山に入るルールを守る。
  周りの草木を痛めない。
 
 
山ならどこでも、
山菜を採っていい訳ではありません。
特別保護地域では全ての生物の採取は禁止。
所有者が存在する個人の山に自生している
山菜も、無断で採ると森林窃盗に
なりかねません。
 
「入山料」を支払って
山菜を採ることができる場所など、
犯罪にならないようにすることが大切です。
 
 
商業目的で山菜採りをしてもダメです。
自分の山なら問題ありませんが、
そうでない場合がほとんどなので、
自分が食べる分だけ採るのがマナーです。
 
また、採り過ぎてしまうと
自然界のバランスが崩れることもありますし、
他の方への迷惑になります。
 
また、食べられる山菜に似たようで、
実は食べられない植物が多く存在しています。出掛ける前に、しっかり勉強しておくことが
大切です。
更に熟練した人に同行してもらうか、
図鑑を持って出かけるようにすることを
おススメします。
 
更に山菜を採るには、
山の中に入らなくてはなりません。
蛇やヤマビルには注意が必要ですし、
野生のイノシシや鹿にも
注意しないといけません。