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寒灸(かんきゅう)

 
一年で一番寒いと言われる「大寒」の頃は、
風邪や体の冷えに気を付けたいこの頃ですね。
 
寒中にすえる灸を
「寒灸」(かんきゅう、かんやいと)と言います。
「寒灸」は、昔から、四季の中で
最も効能が多いと言われてきました。
 
 
 
「二十日灸」(はつかきゅう)といって、
1月20日を選んで、新年最初の灸(初灸)を
すえる地域もあります。
 
 
「お灸」とは漢方療治法のひとつで、
ヨモギの葉の裏にある白い綿毛を精製した
「もぐさ」を肌の灸点に据え、
これに火をつけて焼灼するものです。
 
 
東洋医学では、人間の生命活動に必要な
「気・血・水」が不足したり、その流れが滞ると
体が不調を来すと考えられています。
 
 
人間の体には全身を隈なく「経絡」 (けいらく)
いうエネルギーの通路が巡っているとされ、
この経絡の上にあって、「気・血・水」が弱った時に反応が出る箇所がいわゆる「ツボ(経穴)」
です。
ツボにはそれぞれに作用がありますから、
それを刺激することによって、冷え症や
肩こり、腰痛、目の疲れ、むくみ、ストレス、
不眠などといった体の様々な症状の改善が
期待出来ます。
 
 
小林一茶が
「風の子や裸で逃げる寒の灸」とか
「隠れ家や猫にもすゑる二日灸
と詠んだように、
「寒灸」や「二日灸」などは
季語にもなっているので、
江戸時代には、一般的なっていたようです。
因みに「二日灸」は、
陰暦の2月2日、8月2日に灸をすえるものです。

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なお「寒灸に」(かんきゅう)対して、
炎暑にするお灸を「土用灸」と言います。
 

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東洋医学には、「夏病冬治」(かびょうとうち)
という言葉があります。
これは「夏の病は冬治療する」という意味です。
 
胃腸の弱い人は特にこの時期、
「天枢」や「三里」と呼ばれるツボに
お灸をすれば、
不足している陽の気が補われて、
元気が湧いてくるそうです。
 
また、花粉症や肌荒れなどの
春のトラブル防止には
この時季からのお灸対策が有効だそうです。
 
 
反対に、「冬病夏治」(とうびょうかち)という
言葉もあり、これは、
「冬に現れる症状を夏のうちに治療する」
という意味で、
冷え性やむくみ、風邪をひきやすいなど、
冬の寒い時期の不調が気になる人は
春夏の過ごし方が大切です。