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梅雨前線(ばいうぜんせん)

 

 

梅雨前線(ばいうぜんせん)

「梅雨前線」とは
「梅雨前線」(ばいうぜんせん) とは、
春から夏に変わる時に現れる
「停滞前線」のことで、
日本を含む東アジア一帯に
雨季「梅雨」をもたらします。
「前線」(ぜんせん)
異なる気団(水蒸気量や気温が
ほぼ一定の空気の塊)がぶつかって、
混じり合わずに作られる境目を指します。
 
「停滞前線」(ていたいぜんせん)
暖気団と寒気団の勢力がほぼ同じくらいで
ほとんど動かない前線のことです。
梅雨前線や秋雨前線などが代表的な例で、
同じ場所に停滞するため、長雨が続いたり、
局地的に大雨が降ったりする場合が
あります。
 
「梅雨前線」が出来る仕組み
「梅雨前線」は、
北にある「オホーツク海気団」からの
冷たく湿った空気と
南にある「小笠原気団」からの
暖かく湿った空気がぶつかることで誕生する
前線です。
 
ただ「梅雨前線」が誕生しただけでは、
「梅雨入り」(つゆいり) したとは言いません。
「今日から梅雨です」とか
「今日で梅雨が終わりました」という風に、
ある1日を特定することは困難だからです。
そのため「気象庁」では一時期、
発表を行わなかったこともあるそうです。
 
それでも「梅雨入り」や「梅雨明け」の情報は
社会的関心が高いことから、
地方毎の気象台が、それまでの天候経過と
一週間先までの見通しを基に推定して、
「△△地方で○○日頃、
 梅雨入りしたとみられます」という風に
「速報」として発表します。
 
梅雨入り・梅雨明けを発表する
気象台
沖縄気象台、鹿児島地方気象台、
福岡管区気象台、高松地方気象台、
広島地方気象台、大阪管区気象台、
名古屋地方気象台、気象庁、
新潟地方気象台、仙台管区気象台
 
「梅雨入り」と「梅雨明け」には、
平均的に5日間程度の「移り変わり」の期間が
あるとされています。
つまり、比較的晴れが続いていた時から
雨が多い時期に変わる時、およそ5日程度の
入れ替わりの時期が生じます。
その入れ替わりの時期の真ん中の日が
「梅雨入り」です。
そのため、通常は雨が多くなってから
3日目程度が「梅雨入り」となるようですが、
入れ替わりの時期が長い時は
「梅雨入り」の日もズレることがあります。
 
そして9月初めに、
この「速報」として発表した
「梅雨入り」「梅雨明け」日が
正しかったかどうかの検討を行って、
より適切な「移り変わりの期間」があれば、
そちらに訂正します。
例えば、平成24(2012)年の各地の
「梅雨入り」を次のように修正しています。
☔ 沖  縄:4月28日 → 5月13日
☔ 奄  美:4月29日 → 5月13日
☔ 九州北部:6月08日 → 5月30日
☔ 東北北部:6月16日 → 6月09日
 
 
北海道に梅雨はないのは
「梅雨前線」は、北海道まで北上して
停滞することがほとんどないので、
北海道には梅雨がないと言われます。
ただ年によっては、北海道まで北上して
「蝦夷梅雨」(えぞつゆ)と呼ばれる天気を
もたらすこともあります。
 
停滞する期間
「梅雨前線」は5月上旬頃に南で発生し、
年によって差はありますが、
平均約40日程、日本列島上に停滞し、
傘が手放せない状況が続きます。
 
徐々に「オホーツク海気団」の勢力が増すと
7月中旬頃から「梅雨前線」が北に押し上げられ
日本上空からなくなると、
全国的に「梅雨」が明けて「夏」となります。
 
「秋雨前線」との違い
秋に日本に現れ、秋の長雨をもたらす
「秋雨前線」(あきさめぜんせん) は、
北の冷たい移動性高気圧「シベリア高気圧」と
南の暖かい移動性高気圧「太平洋高気圧」が
日本付近でぶつかって出来る前線のことです。
 
「秋雨前線」は移動性高気圧がぶつかるため、
「梅雨前線」ほど長期的に停滞することは
あまりありません。
また「梅雨前線」と比べると
やや北に停滞するため、
北日本や東日本の雨量が増える傾向に
あります。
 
「秋雨前線」は北の「シベリア高気圧」が
南の「太平洋高気圧」を押す形で移動し、
「秋雨前線」がなくなることで、
日本は本格的な秋に突入します。
 

梅雨前線の雨の降り方

「梅雨前線」に近いほど雨が強い
「梅雨前線」は、
「オホーツク海気団」と「小笠原気団」が
ぶつかっている場所です。
ぶつかった場所では
暖かく湿った「小笠原気団」が上昇して
雨雲を作るため、
前線に近い地域は強い雨が降りやすくなります。
 
天気予報を見る時は、お住まいの地域に
「梅雨前線」が掛かっているかどうかに
注目して下さい。
そして「梅雨前線」が掛かっている時は、
いつもよりも厳重に雨対策をしてから
出掛けるようにしましょう。
 
東と西で雨の降り方が異なる
「梅雨前線」に近いほど雨が強くなるため、
「梅雨前線」に近い西日本では、
南からの暖かく湿った空気の影響を受けて
強い雨が降ります。
特に九州や四国地方では、
水害や土砂災害が起こるほどの強い雨が
降ることもあります。
また気温も上がり、暑い日々が続きます。
 
一方「梅雨前線」から離れた東日本や東北は、
雨雲が発達しにくくなるため、
比較的静かな雨が降り続き、肌寒くなる日も
あります。
 
梅雨の末期
梅雨末期になると
「小笠原気団」の勢いが増すことから、
暖かく湿った空気が入り込みやすくなるため、
豪雨が降りやすくなります。
 
また東シナ海から大量の水蒸気を取り込んで、積乱雲が次々と発生して移動することで、
九州や四国・中国地方などの西日本では
広範囲に渡って、豪雨が続く場合もあります。
 
また、「台風」の発生と重なる時も
大雨が降りやすくなるので注意しましょう。
こまめに天気予報をチェックし、
災害に備えておきましょう。