うまずたゆまず

コツコツと

薄氷(うすらひ)

 
「立春」も十日を過ぎて、少しずつ、
春の気配が立ち上ってきました。
そんな頃に薄々と張る氷を
「薄氷」(うすらい)と言います。
 
 

薄氷(うすらひ)

「薄氷」(うすらひ)とは、
薄く張った氷のことで、
特に春先の薄い氷を指します。
 
厚く張っていた氷が解けたものだけでなく、
春浅い頃、急に寒の戻りで寒さがぶり返して、
水たまりや田んぼに
ごく薄く氷が張ることがありますが、
そんな氷のことも言います。
 
 
早朝、うっすらと一面に張った氷も、
昼頃になるといくつもの薄い断片に分かれ、
やがて消えてゆきます。
冬の氷と違い、薄く消えやすく、
淡く儚い情感があります。
 
「うすごおり」とも読みますが、
「うすらひ」という柔らかな響きが、
春を感じさせてくれるようです。
なお「春の氷」とも言います。
 

浮氷(うきごおり)

 
「浮氷」(うきごおり)とは、
春になってなお水辺に解け残っている氷で、
一面に張り詰めているのではなく、
断片に分かれ、水に漂い浮かんでいるものを
言います。
前述の「薄氷」(うすらい)
春の寒さで新たに張った氷をいうのに対し、
「浮氷」は解け始めて水がちになった中に、
なお解け残っている氷を言います。
 

氷解(こおりとく)

冬の間、張り詰めていた氷が、
春になって暖かな日差しによって、
解け出すことを「氷解」(こおりとく)と言います。
北海道のオホーツク海沿岸では、
海の氷が解け、「流氷」が移動し始めます。
 

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凍解(いてどけ)

 
北海道の中部や東北部などでは、
冬の間、大地が地中深く凍てつきます。
それが春になり、暖かな日差しが
固く凍てついていた大地を解して緩むことを
「凍解」(いてどけ)と言います。