氷解(こおりどけ)
冬の間、海や湖沼、川に張っていた氷が、
春の暖かな日差しによって解け出すことを
「氷解」(こおりどけ)とか「氷消ゆ」(こおりきゆ) と
言います。
北海道のオホーツク海沿岸では、
海の氷が解け、「流氷」が移動し始めます。
薄氷

春先の薄い氷
「薄氷」(うすらひ)
「三寒四温」を繰り返しながら
春に向かう季節に見られる薄く張った氷を、
「薄氷」(うすらひ)と言います。
厚く張っていた氷が解けたものだけでなく、
春浅い頃、急に寒の戻りで寒さがぶり返して、
水たまりや田んぼに
ごく薄く氷が張ることがありますが、
そんな氷のことも言います。

そんな早朝にうっすらと一面に張った氷も、
昼頃になるといくつもの薄い断片に分かれ、
やがて消えてゆきます。
春先に見られる薄氷は、冬の氷と違い、
薄く消えやすく、ほんの軽く触れただけで
すぐに割れてしまうようなとても繊細な
氷です。
淡く儚い情感があります。
「うすごおり」とも読みますが、
「うすらひ」という柔らかな響きが、
春を感じさせてくれるようです。
なお「春の氷」とも言います。

富山の三大銘菓の1つ
「薄氷」(うすごおり)

富山県小矢部 (おやべ) 市石動 (いするぎ) の名菓
「薄氷」(うすごおり) は、
老舗和菓子店の「五郎丸屋」が
「薄氷」の欠片を真似て作った砂糖菓子です。
口の中に入れると、
ふわりと溶ける和三盆の上品な甘さが
広がります。

「薄氷」(うすごおり) は、
何と、宝暦2(1752)年に創作されたもので、
前田家が徳川将軍家へ献上する菓子だった
そうです。

浮氷(うきごおり)

「浮氷」(うきごおり)とは、
春になってなお水辺に解け残っている氷で、
一面に張り詰めているのではなく、
断片に分かれ、水に漂い浮かんでいるものを
言います。
前述の「薄氷」(うすらい)が
春の寒さで新たに張った氷をいうのに対し、
「浮氷」は解け始めて水がちになった中に、
なお解け残っている氷を言います。
凍解(いてどけ)

北海道の中部や東北部などでは、
冬の間、大地が地中深く凍てつきます。
それが春になり、暖かな日差しが
固く凍てついていた大地が解けて緩むことを
「凍解」(いてどけ)と言います。