うまずたゆまず

コツコツと

「初午」の食べ物・行事食

 
 

初午いなり

稲荷神社といえば「狐」。
狐といえば「油揚げ」が大好物。
という訳で、「初午」の日には、
油揚げや油揚げにすし飯を詰めたものを
奉納しました。
これが「稲荷寿司」の始まりです。
「稲荷神社」も「稲荷寿司」も親しみを込めて
「おいなりさん」と呼ばれています。
 
 
「願いの数だけいなり寿司を食べると良い」
「いなりの3文字に倣い、
  • 命の<い>
  • 名を成すの<な>
  • 利益を上げるの<り>
「3つのいなり寿司を食べると良い」など、
各地で様々な縁起に基づいた習わしとして、
いなり寿司を食べる風習があります。
 
稲荷信仰
稲荷神社の主神は「宇迦之御魂神うかのみたまのかみ」という
五穀豊穣の神様で、別名を「御饌津神みけつのかみ」と
言いました。
そこに狐の古い呼び方である「けつ」が重なり、
「三狐神」と解されるようになり、
そこから宇迦之御魂の使いは「狐」とされ、
稲荷と狐の関係が生まれたと言われています。
 
狐自体も穀物を食べる鼠を捕食することや、
狐の尾の形や色が実った「稲穂」に似ている
ところから「神使」とする信仰の対象であり、
そこに稲荷信仰が習合して、江戸時代になると
稲荷神が商売繁盛の神としてももてはやされるようになりました。
f:id:linderabella:20210418175412j:plain 
 
東日本の稲荷寿司は米俵に見立てた「俵型」、
西日本の稲荷寿司は狐の耳に見立てた「三角」が主流です。
 
 
なお江戸後期の『守貞謾稿』によれば、
稲荷寿司」は幕末の江戸発祥のものです。

linderabella.hatenadiary.com

 

初午団子(はつうまだんご)

 
稲荷神は養蚕の神様でもあることから、
富山県、岐阜県、群馬県などの
養蚕が盛んだった地域では、
今も「初午」の日に
蚕の繭の形をした団子を作って
お供えする風習が残っています。

www.linderabell.com

 

しもつかれ

 
しもつかれ」は、初午の日に、
「鬼おろし」ですりおろした大根や人参と
鮭の頭と大豆、酒粕を煮込んだ栄養満点の
栃木県の郷土料理です。

www.linderabell.com

 

旗飴(はたあめ)

奈良県の中部の中和(ちゅうわ)地域では、
商売をしている家は
旗を巻き付けた棒の先に飴をつけた「旗飴」を
稲荷神社にお供えしました。
 
そして、そのおさがりをもらうために、
商売をしている家を「旗飴ちょうだい」と
子供達がまわる風習がありました。
 
残念なことにこの「旗飴」の風習も、
平成28(2016)年を最後に
もう奈良県内では作られてはいないようです。
 
しかし「大神神社」の摂社である
三輪成願稲荷神社(じょうがんいなりじんじゃ)
3月の初午に神事の後、
参拝者に「旗飴」が配られるそうです。
 
 
 

f:id:linderabella:20201227110726j:plain