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彼岸潮(ひがんじお)

「彼岸潮」(ひがんじお)

「彼岸潮」(ひがんじお)とは、
春と秋の彼岸の頃の潮の満ち引きのことで、
この頃は潮の干満が一年で最も大きくなると
言われています。
 
潮の満ち引き
 
潮が満ちたり引いたりする現象は、
主に「月の引力」が海水を引っ張るために
起こります。
 

 
月は地球の周りを回る時に、
月がある方の海は、
月の引力に引き寄せられて盛り上がるので、
「満潮」となります。
ちょうど反対側にある海は、
月に引き寄せられる力は弱くなりますが、
海水が取り残されて
こちら側も「満潮」になります。
その中間にある海は海水が減るので、
「干潮」となります。
 
 
月だけではなく、
太陽の引力も海水を引っ張ります。
太陽は月よりずっと遠いところにあるため、
その引力は月の半分程しかありませんが、
新月や満月の時のように
太陽と月と地球が一直線に並んだ時は、
引力が重なるために、
潮の満ち引きが最も大きくなります(大潮)。
 

 
月と太陽が互いに直角方向にズレている
「上弦の月」と「下弦の月」の頃は、
互いに力を打ち消す形となるため、
潮の満ち引きは最も小さくなります(小潮)。
大潮と小潮は、新月から次の新月までの間に
ほぼ2回ずつ現れます。
 
 
更に春秋分の頃の大潮時には、
太陽だけでなく月も赤道付近にあるので、
一年中で最も大きな潮汐となります。
 

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潮干潟(しおひがた)

 
彼岸の頃は、干潮時、遠浅の海岸では、
遠くまで広々と「干潟」(ひがた)が現れます。この干潟を「潮干潟」(しおひがた)と言います。
「干潟」(ひがた)
干潮時に干上がり、満潮時には海面下に没する
ような場所「潮間帯」(ちょうかんたい)において、
砂質または砂泥質の浅場が広がっている場所の
こと。
 
大干潟(おおひがた)
 
「大干潟」で有名な九州の
「有明海」の干潮時の干潟面積は、
日本全国の干潟の約4割に相当し、
日本最大の大きさを誇ります。
鹿島市の七浦地区では約3km先まで
干潟が出現するそうです。
 
 
この有明海の肥沃な「大干潟」には、
胸びれで干潟を這う愛嬌のあるムツゴロウや
潮が引くと泥地に潜る習性のワラスボを漁る
人達が出て賑わいます。
 
      

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磯遊び(いそあそび)
 
暖かい春の風が吹き始める頃、
潮の引いた磯に出て、貝を掘ったり、
潮溜まりの海老・蟹などを獲ったりして
遊ぶことを「磯遊び」(いそあそび)と言います。
 
旧暦3月3日(令和6年は4月11日)を、
「磯遊び」の日と定めている地域も多く、
採取した魚介類を浜で調理するなどして、
「春の祝祭」を開催していることから、
「潮干狩り」が遠くから来た人達が
海岸で水に親しむ行事という
ニュアンスがあるのに対して、
「磯遊び」はより地域に密着した
「春の祝祭」という趣があります。
 
潮干狩(しおひがり)
「春の彼岸」の頃は、時候も良いことから、
遠くまで潮が引いた遠浅の海岸は、
「潮干狩り」(しおひがり)で賑わいます。
 
 
江戸時代は、「潮干狩り」に行くことが、
「花見」や「紅葉狩り」などと同じく
季節の風物詩でした。
江戸の芝浦や品川、大阪の住吉や堺などが
名所でした。
現在は埋め立てられたところが多く、
「潮干狩り」を行える場所も少なくなりました。
 

観潮(かんちょう)

 
海上または海岸において潮の流れる様、
渦潮などを観賞することを
「観潮」(かんちょう)と言います。
「春の彼岸」の頃の大潮は、
干満の差が一年の中でも最も多く、
瀬戸内海のような内海では、
その落差を埋めるために
激しい潮流が発生することにより
巨大な渦潮(うずしお)が出現します。
春と秋の大潮時、瀬戸内海と紀伊水道という
2つの海域の間に位置する、
幅約1.3kmの「鳴門海峡」では、
直径20〜30mにも達する大きな渦潮が発生し、
これは世界一の大きさと言われています。
<世界三大潮流>
 ・鳴門海峡
 ・イタリアのメッシーナ海峡
 ・カナダのセイモア海峡
 
 
この世界一大きな「鳴門の渦潮」の観賞方法は、
大きく分けて3種類あります。
 
渦潮が発生する鳴門海峡の上に架かる
「大鳴門橋の橋桁」に設けられた
450mの遊歩道「徳島県立 渦の道」。

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鳴門公園内の「大鳴門橋架橋記念館エディ」の
屋上にあるパノラマ展望
「High Up in the Sky」。

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うずしおクルーズ」と呼ばれる観潮船から、
至近距離で荒々しい渦潮を観賞出来ます。
 
 

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