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紅葉(もみじ)
秋も深まると、それまで緑だった木々の葉が
黄色や赤色に紅葉します。
語源
「紅葉=もみじ」は、秋から冬にかけて
葉の色が変化する樹木全般を指し、
「もみじ」という特定の木はありません。
草木の葉が、赤や黄色に揉み出されてくる
という意味の言葉「揉み出」(もみず)が転じて
「もみじ」と呼ぶようになったと言われて
います。
紅葉が色づく条件・・・赤く染まる葉
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秋になると、樹木は冬支度を始めます。
そして葉は、「緑」から
「黄色」そして「赤色」と変化していきますが、
これは葉の中に含まれる「色素」の違いに
よるものです。
・緑色の色素:葉緑素クロロフィル
・黄色の色素:カロチノイド
・赤色の色素:アントシアニン
植物の葉は普段の日中には「光合成」により、
「CO2」「水」「光」を使って
「養分(エネルギー)」と「酸素」を作っています。
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この時、光を効率良く吸収するために働くのが「クロロフィル(葉緑素)」という色素です。
この「クロロフィル」が
最も多量に含まれていることから、
普段、葉は緑色に見えています。
しかし、秋になって気温が下がってくると、
「光合成」などの反応速度が遅くなり、
また昼の時間が短く太陽の光も弱まるので、
十分な光合成が出来ず
栄養分が得られなくなるため、
葉は「クロロフィル」を分解して養分に変え、
幹に送ってエネルギーとして利用します。
そして種によっては
赤色色素の「アントシアニン」や
茶色色素の「フロバフェン」が合成されます。「クロロフィル」が減り緑色が弱くなる一方で
「アントシア二ン」などの色素の量が増える
ことから、葉は赤く色づくのです。
紅葉は1日の最低気温が8℃以下になると始まり、
5~6℃以下になると更に進むと言われています。
また、紅葉が鮮やかになる条件として、
昼夜の気温差が大きいことや
日光がよく当たることなどが必要と言われて
います。
木は葉に水や栄養を送らないように、
枝と葉の間に「離層」(りそう)という
バリアのようなものを作ります。
「離層」には、細胞の繋がりを
解す物質も含まれているため、
完成すると柄がちぎれて落葉します。
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楓:色見草(いろみぐさ)
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/15481b8f.4edf5e09.15481b90.dada4337/?me_id=1332110&item_id=10034649&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fhanahiroba87%2Fcabinet%2Fniwaki3%2Ftn06-b92-01.jpg%3F_ex%3D300x300&s=300x300&t=pict)
「紅葉」は前述の通り、
特定の木の名前ではありませんでしたが、
次第に、とりわけ美しく紅葉する
「楓」(かえで)を指すようになりました。
秋になると、毎年のように、
その色付き具合が注目されることから
「楓」は「色見草」(いろみぐさ)という
異名も持っています。
うっすらと色づく「薄紅葉」(うすもみじ)から、
濃い色、薄い色が混ざり合う「斑紅葉」(むらもみじ)、
眩いばかりに照り輝く「照紅葉」(てりもみじ)と、
昔の人は、秋から冬へ移ろいゆく「色見草」の
その折々の様々な色合いを愛でてきました。
使う時期による
「紅葉」に関連する季語
紅葉(こうよう)
秋になり、木の葉が赤色や黄色に変わる様子を
表す言葉です。
紅葉した状態になっていくことを
「もみいづる」「もみづる」と言います。
初紅葉(はつもみじ)
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/13d308f9.459b5508.13d308fa.984d1238/?me_id=1211165&item_id=10624108&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fchanet%2Fcabinet%2F4911%2F491076-1.jpg%3F_ex%3D300x300&s=300x300&t=pict)
「初紅葉葉」(はつもみじば)とも呼ばれています。
その年に初めて見られる紅葉のことです。
秋の訪れを知らせてくれる、俳句の季語としても使われます。
薄紅葉(うすもみじ)
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/13dee878.2c016305.13dee879.e079293e/?me_id=1223811&item_id=10031103&pc=https%3A%2F%2Fimage.rakuten.co.jp%2Fyukei%2Fcabinet%2Fyukei%2F1651-w.jpg%3F_ex%3D300x300&s=300x300&t=pict)
木の葉が色づき始める、
ほんのりと赤みを帯びた淡い紅葉のことを
「薄紅葉」(うすもみじ)と言います。
本格的な紅葉とは違って、
派手さ、絢爛たる美しさはありませんが、
薄紅葉ならではの情緒というものが
感じられます。
斑紅葉(むらもみじ)
全体が紅く染まるほんの少し前の、
短い間にだけ見られる紅葉を
「斑紅葉」(むらもみじ)と言います。
一枚の葉の中にも、まだ緑を残していたり、
黄色かったり、色相や濃淡の色ムラがあります。
照紅葉(てりもみじ)
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/13f01bcd.a46bd2e2.13f01bce.bfc0872c/?me_id=1260892&item_id=10001562&pc=https%3A%2F%2Fimage.rakuten.co.jp%2Fa-kakejiku%2Fcabinet%2Fpoto5%2Fimg56997526.jpg%3F_ex%3D300x300&s=300x300&t=pict)
秋に紅葉した葉が、
太陽の光を受けて光り輝く様子を
「照葉」または「照紅葉」と呼びます。
紅葉かつ散る・色葉散る(いろはちる)
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/13e26e33.affde871.13e26e34.5b3feec3/?me_id=1235035&item_id=10009609&pc=https%3A%2F%2Fimage.rakuten.co.jp%2Fayuwara%2Fcabinet%2Ftmg%2Ftm-0554.jpg%3F_ex%3D300x300&s=300x300&t=pict)
木々が色づいていくと、
まだ赤色や黄色に染まっていない葉がある一方、既に紅葉した葉が散っていくこともあります。
そんな2つの状態が同時に存在していることを
「紅葉かつ散る」「色葉散る」(いろはちる)と
言います。
冬紅葉(ふゆもみじ)
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/144b178e.95e10f5b.144b178f.ba4f6223/?me_id=1197020&item_id=10166472&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fkabegamiyahonpo%2Fcabinet%2Fphw%2Fphoto102%2F66637-m.jpg%3F_ex%3D300x300&s=300x300&t=pict)
「立冬」を過ぎても残っている紅葉のことで、
「残る紅葉」とも言います。
初冬の季語です。
周辺が枯れを深める中で
なお鮮やかさを保っている紅葉であり、
平野部などでは見ることがあります。
特別に紅や黄の葉の色付きが美しい木
特別に紅や黄の葉の色づきが美しい木には、
木の名の下に「もみじ」をつけた呼称が
使われています。
草紅葉(くさもみじ)
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/2d901cee.2546e484.2d901cef.7b9c5947/?me_id=1414265&item_id=10000697&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fgp-yamacho%2Fcabinet%2Fimgrc0101823309.jpg%3F_ex%3D300x300&s=300x300&t=pict)
紅葉は木々だけのものではなく、
庭や野原の草の中でも色づくものがあり、
これを「草紅葉」とか「草の錦」と言います。
木々の紅葉に劣らない風情があります。
水草紅葉(みずくさもみじ)
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川や湖沼などの浮草などの水草類が
紅葉したものを言います。
桜紅葉
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/157a79d7.4fe65376.157a79d8.be7d148c/?me_id=1246609&item_id=10043888&pc=https%3A%2F%2Fimage.rakuten.co.jp%2Fcococlea%2Fcabinet%2Fart%2Fart013%2Fbin1812051529430012.jpg%3F_ex%3D300x300&s=300x300&t=pict)
「桜」は、他の木よりも早く色付き、
「楓」に負けないような見事な紅葉となります。
ただ散るのもまた早いです。
柿紅葉(かきもみじ)
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/242f1131.91dc1696.242f1132.2d017bf1/?me_id=1379709&item_id=10000795&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fballoon-macaron%2Fcabinet%2F07707676%2Fimgrc0078077860.jpg%3F_ex%3D300x300&s=300x300&t=pict)
「桜紅葉」が葉を落とす中で、
より鮮やかな紅葉を演出してくれるのが
「柿紅葉」(かきもみじ)です。
一枚の緑の葉の中に、
黄・橙・紅色と複雑で多彩な色が混じり合い、
妙なる自然の美を見せてくれます。
櫨紅葉(はぜもみじ)
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/1587b8a1.9fe45843.1587b8a2.220e2500/?me_id=1230618&item_id=10001079&pc=https%3A%2F%2Fimage.rakuten.co.jp%2Fgreengreen%2Fcabinet%2Fsyouhin051-100%2Fimgrc0127225275.jpg%3F_ex%3D300x300&s=300x300&t=pict)
「櫨」(はぜ)は、実から和蝋燭(わろうそく)の
原料となる木蝋(もくろう)が採れる落葉高木です。
また天皇の位当色である「黄櫨染」(こうろぜん)は
ハゼノキと蘇芳などを混ぜて染めた色です。
紅葉の少ない暖地では、
色鮮やかに紅葉する「櫨紅葉」が特に愛でられ、
秋の季語になっています。
漆紅葉(うるしもみじ)
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/13f0cd16.46a8ac3a.13f0cd17.54e05ad8/?me_id=1232436&item_id=10023390&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fgreenbox%2Fcabinet%2Fi8%2F815801_1.jpg%3F_ex%3D300x300&s=300x300&t=pict)
日本在来の山漆や蔦漆などウルシ科植物は、
とても鮮やかに紅葉します。
葉の表は鮮やかな紅色、裏は黄色に紅葉します。
葡萄紅葉(ぶどうもみじ)
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/14f8d3fd.dda3af7f.14f8d3fe.7039ad90/?me_id=1257660&item_id=10000913&pc=https%3A%2F%2Fimage.rakuten.co.jp%2Fwabisuke-shop%2Fcabinet%2Fcompass-hama800%2Fhama12849b.jpg%3F_ex%3D300x300&s=300x300&t=pict)
晩秋、葡萄の葉が紅葉したのを言います。
いくらかくすんだ色に色付きますが、
広大な葡萄畑のそれは壮観です。
名木紅葉(なきのもみじ)
名の下に「もみじ」をつけた
紅葉の美しい木々をまとめた呼び名。
雑木紅葉(ぞうきもみじ)
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/15b17c74.22175f31.15b17c75.c2eadaef/?me_id=1341182&item_id=10005811&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Freal-inter%2Fcabinet%2F05439174%2F05530611%2Fkyo-024w.jpg%3F_ex%3D300x300&s=300x300&t=pict)
「名木紅葉」の対義語で、
楢や櫟などの雑木の紅葉のこと。
褐色、銅色、黄色など、
様々な色合いが重なり合い、
賑やかで明るい感じです。