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コツコツと

年越詣(としこしもうで)

 
大晦日の夜のことを、「年の夜」(としのよ)
「除夜」(じょや)、「大年」(おおとし)
「年越し」(としこし)などと言います。
 
大晦日の夜は、一年の最後の夜であるとともに、
新しい年への境目でもあります。
 
日本ではかつて、一日の境を日没時としたため、
除夜(年の夜・大年・年越し)は既に新年に属し、
来臨する年神様を祀る神聖な夜でした。
寺院では百八つの「除夜の鐘」を鳴らして、
人の百八つの煩悩を除去し、新年を迎えます。
 

 
また「年越し」には
火を欠かせないとする考えがあり、
神社では篝火(かがりび)を焚いて新年を迎え、
一般家庭でも、年神様の前で家族揃って
正式の食膳を囲んだ後に、
囲炉裏の火を絶やさないために
燃やす丸太ほどの太さの薪を焚いて
終夜起きているべきとしていました。
この丸太ほどの薪を「節榾」(せちほだ)とか、
家の象徴としての火の永続と
一層の発展を祈る意味を込めて
「世継榾」(よつきほだ)などと言いました。
 
京都の「八坂神社」では、
12月31日午後7時半頃から「をけら詣り」、
1月1日に「白朮祭」(をけらさい)が行われます。
参詣者の願い事を書いた「をけら木」とともに
一晩中燃やされ,火縄を手にした人々は
この火を火縄に移して持ち帰り、
新年の灯明や雑煮を作るのに用います。
 

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除夜に寺社に参詣することを
「除夜詣」(じょやもうで)とか、
「年越詣」(としこしもうで)と言います。
 

 
「年越詣(除夜詣)」の由来は、
古来に伝わる「年籠り」(としごもり)という
しきたりです。
「年籠」(としごもり)とは、村や家の長が
その地域の氏神様が祀られている社寺に
大晦日の夜から元日の朝まで寝ずに籠り、
感謝と祈願をしながら過ごすというものです。不眠不休で祈り続けるのが決まりですが、
「うっかり寝てしまうと白髪やシワが増える」
という言い伝えもありました。
 
その「年籠」(としごもり)がいつしか、
12月31日の夜に行う「除夜詣(年越詣)」と、
1月1日の朝に行う
「元日詣」(がんじつもうで)に分かれ、
「元日詣」は後に「初詣」になりました。
因みに「初詣」という言葉が使われ出したのは
大正時代で、意外と歴史は長くありません。
 
地域によっては、現在も
「除夜」と「元旦」の2回、
社寺を参拝する風習もありますが、
これを「二年参り」と言います。
 

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