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大晦日

一年の最後の日を
「大晦日」(おおみそか)または「大晦」(おおつごもり)
言います。
 

 
 
「晦」(つごもり)とは、
「月が隠れる日」
すなわち「月隠」(つきごもり)が訛ったもので、
どちらも毎月の末日を指します。
そして12月末日の「晦日」は
「1年の最後の特別な末日」なので、
末日を表す言葉に「大」を付けて
「大晦日」とか「大晦」と言います。
 
 
「大晦日」の行事は、
平安時代から行われていたと言われています。
12月31日「大晦日」には
1年の間に受けた罪や穢れ(けがれ)を祓うために、
「大祓い」(おおはらい;年越しの祓)が
宮中や全国の神社で執り行われます。
 
6月の「夏越の祓」と対をなし、
半年に一度行われる禊です。
真っ白い紙で出来た人形(ひとがた)を持ち、
自分の体をなでる仕草をして、
ふうっと息を吹きかけます。
そうすることによって、
穢れが人形が引き受けてくれたものとして、
その人形を川や海に流し、または火に焚いて、
健康や長寿、厄除けを祈願します。
 
 
かつては1日の終わりが日没の時とされ、
日没以後はもう明日とされたことから、
大晦日の日が暮れたら、
「除夜」はもう既に新しい年の始まりでした。
「除夜」は歳神様を迎えるため、
大晦日から家に籠って眠らずに夜通し祈願する
「年籠り」(としごもり)をすることが一般的で、
この夜に早く寝ると
「白髪になる」「シワが寄る」などの俗信がありました。
ただ、どうしても眠くなったら
「寝る」ではなく「稲積む」(いねつむ)と言うと、
魔力から逃れられるそうです。
 
時代の流れとともに「年籠り」の風習は形が変わり、
元日に行われていたお参りが残って、
現在の「初詣」に繋がっています。
 
 

大晦日の4つの風習

「掃納」(はきおさめ)⇨ 掃除をする

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大晦日には、「掃き納め」と言って、
その年最後の掃き掃除をします。
師走の間にあれこれしてきた
正月の準備の締めくくりの意味合いもあり、
掃除をしている間に、
正月を迎える心の準備が整っていきます。
新年を気持ちよく迎えるためというのは勿論ですが、
元旦に掃除をしないためでもあります。
元旦に掃除をすると、神様まで掃き出してしまうため、
元旦に掃除をしないという話があるのです。
 
 
「年取りの飯」(としとりのめし)⇨ 家族揃って過ごす

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昔は数え年だったので、
正月を迎えると、皆一緒に一歳、歳を取るとされていました。
また、日が沈んでから新しい1日が始まると考えられていたので、
大晦日の夜には、新しい年の始まりと歳を取れたことを祝うため、
「年取りの飯」または「年越し料理」と言って、
普段は食べられないような豪華な食事を家族揃って食べました。
このご馳走のことを、「お節」(おせち)と呼んだのが、
やがて正月に頂く「重箱料理」を
「お節」(おせち)と言うようになりました。
 
 
年越し蕎麦」を食べる

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大晦日の夜には、「年越し蕎麦」を食べる風習があり、
江戸時代から人々の間で定着し、今では日本の文化になっています。
「晦日そば」「つごもりそば」「運気そば」とも呼ばれています。
 
 
年の湯」(としのゆ)⇨ 風呂に入る

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大晦日に入る今年最後のお風呂が「年の湯」です。
新年を迎える禊(みそぎ)の意味があります。
 
 
除夜の鐘」を聞く

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「除夜の鐘」とは、
大晦日から元旦にかけて深夜に響く鐘の音のことです。
これは仏教に関係しており、全国のお寺で行われます。
鐘の音は全部で108回で、
この数字は人間の煩悩の数とされています。
最後の1回は、年が明けてからつくのが一般的で、
新しい年が煩悩に煩わされないようにとの願いが
込められているそうです。
 
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