うまずたゆまず

コツコツと

「節月」(せつげつ)

明治5(1872)年まで使われていた「旧暦」では、
「月切り」(つきぎり)「節切り」(せつぎり)という
二つの方法で年月日を表していました。
「月切り」で数えるひと月を「暦月」(こよみつき)
「節切り」は「節月」(せつげつ)と言います。
 
 
「月切り」は、
新月から満月を経て再び新月が来る朔望月の1ヵ月ですから、
朔日(ついたち)から晦日(みそか)までです。
晦日といっても陰暦ですから30日とは限りません。29日の時もあります。
大晦日は1年の最後の日ですが、12月29日という場合もあったのです。
大晦日の翌日が正月1日、すなわち元日です。
 
「節切り」は、
二十四節気の「節で区切ること」です。
「二十四節気」には、
太陽黄経が30の倍数であるものを「中(中気)」
そうでないものを「節(正節、節気)」と言います。
 節(せつ) 
 
 中(ちゅう) 
  • 立春:315度
  • 啓蟄:345度
  • 清明:  15度
  • 立夏:  45度
  • 芒種:  75度
  • 小暑:105度
  • 立秋:135度
  • 白露:165度
  • 寒露:195度
  • 立冬:225度
  • 大雪:255度
  • 小寒:285度
 
  • 雨水:330度
  • 春分:    0度
  • 穀雨:  30度
  • 小満:  60度
  • 夏至:  90度
  • 大暑:120度
  • 処暑:150度
  • 秋分:180度
  • 霜降:210度
  • 小雪:240度
  • 冬至:270度
  • 大寒:300度
 
このうちの「節」を使って1年を分割すると、
12の区間に分けることが出来ますから、
この12の区分それぞれをひと月と考え、
これを「節月」(せつげつ)と呼びます。
12節月で一年を表すことが出来、
これも一種の暦と考えることが出来ますので、
これを「節切の暦」などと呼ぶ場合があります。
 
具体的に言えば、
立春(正月節)から啓蟄(二月節)の前日までを「正月」、
啓蟄から清明(三月節)の前日までを二月、・・・とするものです。
令和4(2022)年の新暦の日付で節月の期間を示せば、
以下のようになります。
立春:315度・・・「節」
雨水:330度・・・「中」
1月 [2/4~3/4]
啓蟄:345度・・・「節」
春分:    0度・・・「中」
2月 [3/5~4/4]
清明:  15度・・・「節」
穀雨:  30度・・・「中」
3月 [4/5~5/4]
立夏:  45度・・・「節」
小満:  60度・・・「中」
4月 [5/5~6/5]
芒種:  75度・・・「節」
夏至:  90度・・・「中」
5月 [6/6~7/6]
小暑:105度・・・「節」
大暑:120度・・・「中」
6月 [7/7~8/6]
立秋:135度・・・「節」
処暑:150度・・・「中」
7月 [8/7~9/7]
白露:165度・・・「節」
秋分:180度・・・「中」
8月 [9/8~10/7]
寒露:195度・・・「節」
霜降:210度・・・「中」
9月 [10/8~11/6]
立冬:225度・・・「節」
小雪:240度・・・「中」
10月 [11/7~12/6]
大雪:255度・・・「節」
冬至:270度・・・「中」
11月 [12/7~R5 1/5]
小寒:285度・・・「節」
大寒:300度・・・「中」
12月 [R5 1/6~2/3]
                    <※日付は令和4(2022)年のもの>
 
 
日時・方位などの吉凶、その日の運勢を記す「暦注」の中においては、
「節切り」によるものがよく使われており、
また季語の分類も主として「節切り」で行われています。
旧暦の季節のズレを補正するために、
太陽暦を基準とした「節切り暦」は、古くから併用されてきました。
 
「二十四節気」に基づき、「立春」から新年が始まります。
「立春」の前日の「節分」は、
「節切り」では「年越しの日」に当たります。
豆まきをして鬼を追い出すのは新年を迎えるためなのです。
 
f:id:linderabella:20201209124007p:plain