毎月16日は「閻魔王」の縁日です。
閻魔賽日
特に正月や盆の16日は、
「閻魔賽日」(えんまさいじつ)と言われ、
「地獄の釜の蓋が開いて鬼も亡者も休む日」で
罪人も責め苦を免れ 、骨休みになると
されました。
ここから、「地獄の釜の蓋も開く」という
ことわざが生まれています。
また、1月16日、7月16日は
「藪入り」(やぶいり)と言って、
奉公人が奉公先から休みをもらい、
実家に帰ることが出来る日でした。
そして休みをもらった奉公人達は
「閻魔詣」に出掛けました。
閻魔様を祀る寺では
「十王図」(じゅうおうず)や
「地獄変相図」(じごくへんそうず)を掲げて、
地獄の恐ろしさなどを説きました。
1月16日には「初えんま」、
7月24日には「地蔵盆」が行われます。
初閻魔で知られる各地の寺院
- 深川えんま堂(法乗院)
東京都江東区深川 - 六道珍皇寺
京都府京都市東山区 - 長円寺
京都府京都市伏見区 - 円龍寺
大分県中津市
閻魔とは
閻魔王は、仏教、ヒンドゥー教などでの
地獄、冥界の主で、冥界の王として、
死者の生前の罪を裁く神様です。
インド神話では、元々天界で
人間の善悪を監視する神でしたが、
死後の世界の支配神と考えられるように
なりました。
「死後の世界の王」は
閻魔大王一人と思われがちですが、
実は10人いて、「十王」と呼ばれています。
その十王の中心にいるのが「閻魔大王」です。
冥界で死者の罪業を裁く「十王」は、順に
・初七日:秦広王(しんこう) -不動明王
・二七日:初江王(しょこう) -釈迦如来
・三七日:宋帝王(そうたい) -文殊菩薩
・四七日:伍官王(ごかん) -普賢菩薩
・五七日:閻羅王(えんら) -地蔵菩薩
・六七日:変成王(へんじょう)-弥勒菩薩
・七七日:太山王(たいざん) -薬師如来
・百箇日:平等王(びょどう) -観音菩薩
・一周忌:都市王(とし) -勢至菩薩
・三回忌:五道転輪王(ごどうてんりん)-阿弥陀如来
です。
それぞれのところに行って裁きを受けるという
思想を「十王思想」と言います。
このChinaの「十王思想」が、
日本で独自に「十三仏信仰」へと発展し、
室町時代以降、隆盛をみました。
・七回忌 :阿閦如来(あしゅくにょらい)
・十三回忌 :大日如来
・三十三回忌:虚空蔵菩薩
日本では、「閻魔王」は「地蔵菩薩」の
化身と見なされ、同一視されています。
かつて子供達は、
「嘘をつくと、閻魔様に釘抜きで舌を抜かれる」
と脅されました。