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初辰(はつたつ)

 
「初辰」(はつたつ)とは、
正月最初の辰の日のことで、
江戸時代には、火災を避けるまじないとして、
水神として信仰されていた「竜神」に因み、
正月最初の辰の日の辰の刻、
辰年の男に台所の屋根に水または海水を
打たせました。
これを「初辰の水」(はつたつのみず)
「潮の水」(うしおのみず)と言いました。
 
 
伊勢神宮外宮の摂社である
御食神社(みけじんじゃ)においては、
新年の初めての「辰の日」に
「辰の井」という井戸から水を汲み取り、
初詣者に配布されます。
この水を家の周囲に掛け、
残り水を台所に供えると
一年間の火難・水難から免れられると
言われています。
この「辰の井」という井戸の水は、
倭姫命に奉った御水と伝えられています。
 
 
 
また「京の奥座敷」と称される避暑地として
名高い「貴船」(きぶね)の地に鎮座する
貴船神社(きふねじんじゃ)では、
新年の恒例神事として、一番初めの辰の日に
「初辰大祭」(はつたつたいさい)が行われます。
 
 
「龍神(辰)」に縁のある「貴船神社」では、
「辰」の日に縁日があり、
特に「初辰」は「発達」に通じることから、
物事全ての発達と発展と無病息災を祈願して
行われてきたのです。
 
 
貴船神社」は、京都を流れる
鴨川の水源地に鎮座し、
水の供給を司る「高龗神たかおかみのかみ」を祭神とし、
古来より「水の神様」として知られています。
初代・神武天皇の母・玉依姫命たまよりひめのみことが黄船に乗って
淀川、鴨川を遡り、
貴船川の上流の地(奥宮)に社殿を建て
水神を祀ったのが始まりと言われています。
なお、「貴船神社」の「貴船」は、
水の神様であることから
地域名の「きぶね」とは違って
濁らずに「きふね」と発音します。

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