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コツコツと

七十二候「霜始降」

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「しもはじめてふる」
と読みます。
 
秋が一段と深まって、山里などで草木や地面に霜が初めて降りる頃。
晩秋のこの頃、朝晩の冷え込みがぐっと増し、
早朝には草木や地面にうっすらと
氷の結晶が付いていることに気付きます。
霜が降りるようになると、
地面近くは氷点下まで下がっています。
 

 
「霜」は空から降ってくるというイメージを
抱きがちですが、そうではありません。
地面が放射冷却によって冷え、
その上に空気中の水蒸気が直接昇華して
氷(結晶)が出来る状態を言います。
この氷が「霜」なのです。
 

 
朝早く、うっすらと
氷の結晶を纏った草木の表面が、
朝日を浴びてキラキラと輝いている風景は
本当にきれいで美しいものです。
草木の枝葉だけではなく、
花びらの先端にまで、
霜がきれいに付着した様は、
まさに「霜始降花」という漢字の表現
そのものです。
 

 
そんな美しい「霜」ですが、
一方では「霜害」と呼ばれるように、
農作物に被害をもたらすので、
農家にとっては有り難くない存在です。
特に、「早霜」(秋早くに降りる霜)が降りると、
葉の表面の組織が壊されて
枯れてしまうなどして、
野菜の収穫に大きく影響してしまうからです。
 
そのため気象庁では、
「早霜」や「晩霜」によって
農作物被害が発生する恐れがある場合に、
霜注意報を発表します。
また、日本気象協会では「霜指数」といって
未明から明け方にかけて
「霜が降りる」可能性を数値で表した指数を
発表しています。
 

tenki.jp

 
クライマックスを迎えつつある
秋を充分に味わいながら、
今年もあと2ヵ月有余。
やり残していることや
年内に取り組みたいことを点検し、
有意義に時を使っていきましょう。

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