うまずたゆまず

コツコツと

七十二候「竹笋生」

「たけのこしょうず」
 と読みます。
 旬の味覚である「筍」(たけのこ)
 ひょっこり顔を出す頃です。
 

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春の味覚の代表する「筍」(たけのこ)は、
竹の地下茎から出てくる若い芽のことを
言います。
竹は温暖で湿潤な地域に広く分布し、
日本などの東アジアだけでなく、
東南アジアやオーストラリア、中南米、
アフリカなどの世界に約1300種、
日本には約600種があると言われています。
そして「筍」はそれら全ての竹の芽の総称です。
古くは「たかんな」と呼んで、
漢字では「笋」と書きました。
 
ところで「たけのこ」を表す漢字には
「筍」と「竹の子」の2つがあります。
使い分けとしては、
土に埋まっている収穫前の状態が「竹の子」、
収穫し食用になったものが「筍」としていると
一般的には言われています。
 
「たけかんむり」に「旬」と書く「筍」は、
成長は非常に早く、地上に芽を出してから
「旬=10日間」で「竹」になることから、
成り立った漢字と言われています。
一方「竹の子」は、竹の地下茎から伸びた
若い芽であることから「竹の子供」という
意味に由来して付けられたものです。
 

 

様々な種類がある竹ですが、
最も多く出回っているのは
China原産の「孟宗竹」(もうそうちく)で、
春先の3月中旬から旬を迎えます。
一方日本原産の「真竹」(まだけ)は、
孟宗竹の筍がもうすっかり竹になった梅雨前の
5~6月に旬を迎えます。
ですから「竹笋生」の「竹笋」(たかむな)は、
「真竹」だと考えられています。
 
「孟宗竹」は地下茎が深いため、
筍が地面から顔を出してしまうとエグミが
出始めるので、顔を出す前に掘って採る
「筍掘り」をします。
一方「真竹」は地下茎は浅く、すぐに地面に
出てきます。地面から出ているものでも
「孟宗竹」のような固さは無いため、
茹でて美味しく食べることが出来ます。
少し苦みがある事から「苦竹」と書く事もあります。
 
 
「真竹」の大きな特徴は、皮の色合いと
表面がツルっとしていて産毛が無いことです。
 
「真竹」の皮は黒褐色の斑点があり、
薄くて丈夫で、通気性や保水性、抗菌性がある
ため、古くからおむすびや弁当、中華粽など
食べ物を包むのに使われてきました。
 
また「真竹」は高さが10~20m、直径は
5~15cm程度にまで成長する大型の竹で、
節間が長く、粘りやしなりがあるため、
竹製品、竹細工、竹工芸、クラフトなどの
竹材料として最適で一番使用されています。
エジソンの白熱電球の材料にもなりました。
 
青々とした色合いも美しいため、
「正月飾り」や「青竹酒器」などの
青竹細工として使われたり、
油抜きをして「晒竹(白竹)」として
「竹籠」や「花籠」などの竹細工に使われる
ことも多いです。
 

linderabella.hatenadiary.com

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