「むしかくれてとをとざす」と読みます。
春から夏に活動していた虫達が、
冬眠するために掘った穴に入り、その穴を塞ぐという意味です。
「虫」には、爬虫類や両生類の小動物も含まれています。
「蛇」(ヘビ)や「蜥蜴」(トカゲ)に「蛙」(カエル)など、
漢字で書くと全て虫偏となっていることから分かります。
また、繁殖期が終わった昆虫達がいなくなることから、
それをエサにしている爬虫類や両生類の小動物達も冬眠して越冬します。
「蟄」は、隠れる・冬ごもりをするという意味で、
「坏」は、塞ぐ・閉ざす・埋めるという意味で、
「戸」は、片開きの扉を表します。
生き物達は、寒い季節の到来を自ずと察知して、
土の中などで冬眠や冬ごもりをして、
これから約半年間、
秋と冬が通り過ぎるのをじっと静かに待ち続けます。
そして来春の「啓蟄」の初候「蟄虫啓戸」の頃に、
再び穴を開いて顔を出します。