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コツコツと

七十二候「禾乃登」

「こくものすなわちみのる」と読み、
稲などの穀物が実り始める頃を表します。
 
立春から二百十日を過ぎ、台風の到来も多い時期です。
無事に収穫が出来ますようにと各地で「風鎮祭」などが行われます。
 

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「こくもの」とは穀物のこと。
「禾」は「いね」や「のぎ」とも読み、
稲・麦・稗・粟などの穀物を総称した言葉です。
「禾」という字は「粟」(あわ)が実った様子をかたどったもので、
古くは「穀物」と言えば「米」ではなく、
「粟」のことを指していたのだそうです。
 

 
「粟」はイネ科、アワ属に分類される一年生草本作物です。
原型は雑草の「エノコログサ(ねこじゃらし)」と推定されています。
アジア原産とされ、野生原種がユーラシア大陸に広く分布しています。
 

 
日本においては、縄文時代から既に栽培されていて、
古くから、米・麦・豆・黍(きび)または稗(ひえ)などとともに、
「五穀」の一つに数えられています。
因みに「粟」という名前は、
五穀の中でも味が「淡い」ということから付けられたと言われています。
 
近代までは稗(ひえ)と並ぶ庶民の大切な主食でしたが、
1900年頃から栽培が急激に減少し、粟栽培はすっかり衰退しています。
ところが最近になって再び、ヘルシーな雑穀として注目を集めています。
 

 
粟は直径1.5㎜程度と小粒の雑穀です。
「もち種」と「うるち種」があり、
殻の色で、「赤アワ」「黄色アワ」「紫アワ」などと分けられ、
品種も多様。 
 
粟は優れた栄養価を持ち、
白米に比べビタミンB1が多く、
食物繊維や鉄分、カルシウム、マグネシウムも多く含んでいます。
 
表面の色素はポリフェノールであり、
パントテン酸の含有量が雑穀の中では特に多いです。
その他、ビタミンE、B₁、B₆、ナイアシン、カリウム、
鉄、亜鉛も多く含みます。
 

 
粟の多くは「もち種」です。
「もち種」は粘性が強く餅や粥として用いられています。
甘みがあり独特のもっちりとした食感が美味しく、
クセがなくて優しい味わいです。
 
2〜3倍の水加減で炊くと、
とろりと、とろけるチーズのように炊き上がります。
塩味を強めに整えると、更にチーズ風の美味しさが出現するので、
ピザにしたり、グラタンにしたり、
クリームやソース感覚でいろいろな料理を楽しむことが出来ます。
 
一方「うるち種」は、
炊き上がりがプチプチ、パラリとした食感なので、
これを上手く生かすと鶏そぼろ感覚で使用することが出来ます。

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