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コツコツと

送り梅雨(おくりづゆ)

梅雨が明ける頃に降る大雨のことを
「送り梅雨」(おくりづゆ)と言います。
 
 

「送り梅雨」(おくりづゆ)

梅雨明けの頃に降るまとまった雨のことを
「送り梅雨」(おくりづゆ)と言います。
 
「長く続いた梅雨を送ってしまいたい」
という願いと、
「これでやっと梅雨も終わりか」
という安心感の
両方の思いが込められた季語です。
 

梅雨末期の大雨

この「送り梅雨」(おくりづゆ)の雨は
雷を伴うことが多く、
集中豪雨になることもあります。
降り方が激しいことから、
「暴れ梅雨」とも言われるそうです。
 
 
日本の南側にある暖かい空気の
「太平洋高気圧 (小笠原気団)」と
北側にある冷たい空気の
「オホーツク海高気圧 (オホーツク海気団)」の
境目に出来た「梅雨前線」も7月に入る頃には、
「太平洋高気圧 」の勢力が次第に強まり、
北へ勢力を強めるようになります。
 
この「太平洋高気圧」の
左側(西側)の縁辺部に沿って、
南から暖かく湿った空気が
日本付近に大量に流れ込みやすくなります。
 
この暖かく湿った空気の影響で
「梅雨前線」が刺激され活動が活発になって、
「梅雨前線」付近では
発達した積乱雲が発生して大雨を降らせる
のです。
 
更に「梅雨前線」があまり動かないで、
同じ所に停滞すると、次々と積乱雲して
被害をもたらすような「集中豪雨」と呼ばれる
大雨が降りますので、十分な注意が必要です。
 

「線状降水帯」とは何か

 
発達した積乱雲が列をなして次々に発生し、
数時間に渡ってほぼ同じ場所を
通過または停滞することで作り出される、
長さ50~300㎞程度、幅20~50㎞程度の
線状に伸びる強い降水域を
「線状降水帯」(せんじょうこうすいたい)と言います。
「線状降水帯」が発生すると、
大雨災害が発生する危険度が
急激に高まることがあるため、
気象庁では、令和3(2021)年6月から
心構えを一段高めていただくことを目的として
「線状降水帯」による大雨の
半日程度前からの呼びかけを行っています。
 
「線状降水帯」というキーワードを使って解説する
「顕著な大雨に関する気象情報」は、
10分先、20分先、30分先のいずれかにおいて、
次の基準を全て満たす場合に、
気象庁により、発表が行われます。
 
1. 前3時間積算降水量(5㎞メッシュ)が
  100㎜以上の分布域の面積が500㎢以上
2. 1.の形状が線状(長軸・短軸比2.5以上)
3. 1.の領域内の前3時間積算降水量最大値が
  150㎜以上
4. 1.の領域内の土砂キキクル
 (大雨警報(土砂災害)の危険度分布)において
  土砂災害警戒情報の基準を超過
 (かつ大雨特別警報の土壌雨量指数基準値への
  到達割合8割以上)又は
  洪水キキクル(洪水警報の危険度分布)に
  おいて警報基準を大きく超過した基準を超過
 
「線状降水帯」による大雨の正確な予測は難しく、
この呼びかけを行っても必ずしも
「線状降水帯」が発生する訳ではありません。
あくまでも心構えを高めることが目的ですので、
これだけで避難行動をとるのではなく、
他の大雨に関する情報と合わせて活用して
下さい。
 
また日頃から、ハザードマップや
避難所・避難経路の確認などを行うことも
大切です。
 

梅雨雷(つゆかみなり)

 
梅雨の終わり頃に、
雷を伴った土砂降りの雨が降った後、
梅雨が明けることから、
昔から「雷が鳴ると梅雨が明ける」と
言われてきました。
この雷を「梅雨雷」(つゆかみなり) と言います。
「梅雨入り」してから約一か月間、
日本に雨を降らせてきた「梅雨前線」も
「梅雨の終わり」になると、
夏の高気圧「太平洋高気圧」の勢力が増し、
非常に暑くて湿気の多い空気が
雲を大きく育てて、
そこからたくさんの雷が発生します。
 
 
それと同時に、夏の高気圧である
「太平洋高気圧」が更に力を増し、
「梅雨前線」を北へと移動させると、
梅雨が明けて、夏が本格的にスタートします!
 

「返り梅雨」(かえりづゆ)

「梅雨」が明けたからと言って、
雨季が突然、乾季にはならず、
一気に梅雨が明けるという年は余りありません。
数日晴れてた後、
またブリ返したように雨が降ることを、
「返り梅雨」(かえりづゆ)、「送梅雨」(そうばいう)
「戻り梅雨」(もどりづゆ) と呼びます。
こうして季節は徐々に移っていきます。