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コツコツと

花火大会

 
夏の夜空を美しく彩る「花火」は、
日本の夏の風物詩ですね。
全国各地で趣向を凝らした「花火大会」が
開催されています。
 
 

花火大会の起源とは

 
「花火大会」のルーツは、
東京三大花火大会の一つにも数えられている、
毎年7月最終土曜日に開催される
隅田川花火大会」にあります。
 

www.sumidagawa-hanabi.com

 
その起源は江戸時代まで遡り、
享保18(1733)年に隅田川で開催された
「水神祭」がその由来と伝えられています。
 
 
亨保17(1732)年、
西日本一帯では長雨と冷夏により、
収穫前の稲にウンカという害虫が発生し、
稲作に甚大な被害が出ました。
『徳川実紀』(とくがわじっき)によると、
飢饉による餓死者は全国で97万人にも及び、
米価の高騰で困窮した江戸の民衆による
打ちこわしなどの暴動も発生しました。
 
  
 
このような飢饉などの災厄は、
悪霊の仕業と考えていたことから、
7代将軍・吉宗は亨保18(1733)年5月28日の
「両国(隅田川)の川開き」の日に
「水神祭」を開催し、大飢饉で犠牲となった人々の慰霊と悪霊退散を祈願しました。
そしてその際に花火を打ち揚げたことが、
現在の花火大会の由来になったと言われて
います。
「玉屋」「鍵屋」などの花火師達が多数出現し、
競うように花火を打ち上げ出しました。
それが華やかなものを好む
江戸の庶民にも受け入れられ、
花火の打ち上げが川開きの定番の行事として
根付いていきました。
 
 
また、日本の蒸し暑い気候が、
夜風にあたりながら
花火を眺めるという夕涼みの文化として、
花火大会が根付かせることになったので
しょう。
 
令和5年の「隅田川花火大会」の日程
 
3年間の「特別編」を経て、
令和5年は4年ぶりに
第46回 隅田川花火大会」が復活します!
7月29日土曜日、東京の夜空に
約2万発もの大輪の華が打ち上げられます。
 
 
桜橋下流から言問橋上流の第一会場では
19時からオープニングを飾る花火を
見ることが出来ます。
また、両国花火ゆかりの業者と、
国内の代表的な花火大会において
優秀な成績を収めた業者10社による
「花火コンクール」も実施されます。
 
駒形橋下流から厩橋上流の第二会場では、
19時30分から創作花火やスターマインといった鮮やかな連続花火を楽しむことが出来ます。
「第一会場」よりも打ち上げ数が多いです。
 

「玉屋」「鍵屋」は
江戸時代の花火師の屋号

花火大会では、「玉屋」「鍵屋」という
掛け声をよく耳にしますが、
これは江戸時代に活躍した
有名な花火師の屋号です。
 
 
「鍵屋」の初代は、
鍵屋根弥兵衛という人で、
今でいう奈良県から江戸に出てきて、
花火師の仕事を始めました。
4代目になる頃には、
幕府御用達にまで発展した「鍵屋」から、
のれん分けして誕生したのが、
玉屋一朗兵衛の「玉屋」です。
当時の夏の一大イベント
「両国の川開き」では、
上流に玉屋、下流を鍵屋が担当し、
それを眺めていた観衆は
より美しいと感じた方の屋号を
大声で言うという習わしがありました。
 
 
これが、現代にまで残る
「かぎや」「たまや」の掛け声の起源です。
当時は「鍵屋」よりも「玉屋」の方が人気で、
掛け声がかけられるのも
「玉屋」の方が多かったと言います。
しかし、「玉屋」は天保14(1843)年に
大火事を起こしてしまい、
「玉屋」は家名断絶、江戸追放となって
しまいました。
 

花火の日

 
第二次世界大戦終了後、
日本を占領したGHQ(連合国総司令部)は
日本の再軍備を恐れ、
火薬の所持や花火大会の禁止を命令しました。  
 
ところがGHQは、米国の独立記念日には、
日本の職人に命じて、日本国内に設置した
米軍基地で花火を打ち揚げさせました。
 
 
花火の製造業者は、日本の伝統文化であった
花火の製造及び花火の打ち揚げの復活を
再三再四GHQに陳情。
日本の花火に魅了されてしまったGHQは、
昭和23(1948)年8月から限定的ではありますが花火の製造と販売を解禁。
これにより、昭和23(1948)年8月1日、
「両国川開き大花火」が復活。
 
 
この日を記念して、昭和42(1967)年、
8月1日が「花火の日」に制定されました。
また「両国川開き」が
旧暦の5月28日であったことから、
5月28日も「花火の日」です。  
 

日本三大花火競技大会とは

 
毎年、花火業界全体の技術向上を目指して、
「花火競技大会」が行われています。
 
全国花火競技大会 大曲の花火


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秋田県大仙市で、明治43(1910)年から続く、
今年、令和5(2023)年8月26日に実施されます。
 
大曲の花火」は、
日本三大花火競技大会の中でも
最も歴史が古く、
全国から選ばれた花火師しか参加出来ない、
権威ある競技大会となっています。
コンクール形式で実施され、
昼間に打ち上げられる「昼花火」の他、
「10号玉(割物)」「10号玉(自由玉)」
「創造花火」の4部構成で実施されます。
 
土浦全国花火競技大会


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大正14(1925)年、
神龍寺(じんりゅうじ)の住職であった
故・秋元梅峯師が、航空隊殉職者の慰霊と
関東大震災後の不況で疲弊した
土浦の経済を活性化するという趣旨で、
私財を投じて、霞ヶ浦湖畔で開催したのが
始まりです。
 
今年、令和5(2023)年の
11月4日に開催が予定されています。
「スターマイン」「10号玉」「創造花火」の
3部門で構成されています。
 
伊勢神宮奉納全国花火大会


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昭和28(1953)年に第59回神宮式年遷宮を
記念して始まったのが、
伊勢神宮に花火を奉納する
唯一無二の大会です。
 
全国でも早い時期に開催され、
今年、令和5(2023)年の
7月15日に開催されました。
 
「打ち上げ花火」「スターマイン」の
2部門で開催されます。