うまずたゆまず

コツコツと

秋寒(あきさむ)

 
晩秋になるにつれ、
「露」が「霜」になるかと思われる程に
寒さを覚えるようになります。
冬の寒さとはまた違う、
どこか心細く寂しい肌寒さです。
秋の寒さを表現する言葉には、
色々なものがあります。
 
 

秋寒(あきさむ)

 
秋の半ばを過ぎる頃の寒さのこと。
秋も半ばを過ぎると、朝晩には気温が下がり、
寒さを感じるようになります。
冬の本格的な寒さには程遠いのですが、
「冷やか」よりも季節が進行した感じで、
やや寒さを感じるという状態。
 

肌寒(はださむ)

 
秋の季語で、秋も深まったある日、
寒さを肌に感じることを言います。
何か羽織るものが欲しくなる寒さです。
夏の終わりから秋にかけての頃の表現として
使うのが伝統的な使い方と言えます。
 

薄寒(うそさむ)

 
「うそ」は「嘘」ではなく、漢字の通り、
「うすさむい」が変化したもので、
秋の冷気が何となく寒々と感じられる
ということです。
本格的な寒さは、まだまだこれから。
そんな心構えで過ごす時期ですね。
 

やや寒

 
秋も半ばから末にかけて覚える寒さ。
「やや」は「稍」とか「漸」という字を当て、
「いくらか」とか「少しばかり」の意味です。
 

漫寒(そぞろさむ)

 
中秋から晩秋にかけて、「冷やか」より、
やや強く感ずる、ぞくぞくっとした寒さを
言います。
「そぞろ」とは、「何となく」「訳もなく」といった意味で、体で感じる寒さというより、
季節が移ろっていく様を心に受け止め感ずる
寒さです。
 

露寒(つゆさむ)

晩秋の、露が霜に変わる頃の寒さ。
 

朝寒(あささむ)

梅雨や霜を置く頃に覚える朝の寒さを言います。
 

夜寒(よさむ)

夜、急に気温が下がり覚える寒さを言います。
 

冷まじ(すさまじ)

 
晩秋の、急に身に迫る冷やかさを言います。
「すさまじ」とは、「荒ぶ」(すさぶ)から出た語で、
そもそもは物事が荒れ衰えるという意味です。
冬の寒さとまではいかないまでも、
体に強く響く感じの寒さを言います。
 

身に入む(みにしむ)

 
冷気や寒気が体だけでなく、心にも染み渡る、
そうした意味を持つ季語です。
元々和歌に用いられた言葉で、
秋の哀れを深く感じることを指しましたが、
俳諧になって秋の冷気に重点を置く季語と
なりました。