うまずたゆまず

コツコツと

時間によって趣の変わる「桜」

同じ一本の「桜」の木が、
朝、昼、夕、夜と時間によって
同じ木とは思えぬほど、
花の趣に変化が生じます。
 
 

「お花見」のおススメ時間帯は?

ウェザーニュースが平成30(2018)年3月7日に、
「お花見のおすすめ時間帯」の調査を
行いました。(参加者数:6,690人)
 
ダントツの人気は昼間で67%、
夜桜は22%、
静かにゆっくり楽しむ朝派は11%でした。

weathernews.jp

 

朝桜(あさざくら)

 
桜の花びらに降りた朝露が
朝日に照らされて
キラキラして清らかで美しく見える
桜のことです。
 

夕桜(ゆうざくら)

 
夕方に見られる桜。
なお、夕方の山で見られる桜は
「夕山桜」(ゆうやまざくら)と言います。
 

夜桜(よざくら)

 
「夜桜」(よざくら)とは、夜の桜花、
または夜に桜花を見物することを言います。
 
桜の木の周囲に
灯籠や雪洞を灯したり、篝火を焚いたり、
最近では華やかにライトアップすることも
あります。
 
 
ライトアップされた「夜桜」は、
白やピンクの花は
より一層濃淡の表情がくっきりとし、
昼とはまた違った妖艶とも清絶とも言える
独特の美しさを醸し出します。
 
「日本三大夜桜」
 🌸 青森県「弘前公園
 🌸 東京都「上野恩賜公園
 🌸 新潟県「高田公園
 
花篝(はなかがり)
 
夜桜の美しさを引き立てるために、
花の下に置かれる「篝火」(かがりび)のこと
です。
 
当節はライトアップが主流なのですが、
薪を足す度に火の粉が舞い上がり、
桜の花が浮き上がる「篝火」の情感とは
やっぱり趣が異なります。
 
 
京都随一の夜桜の名所としても知られる、
京都の「円山公園」の中央にあるのが
「祇園の夜桜」として有名な祇園枝垂桜です。
正式名称は「一重白彼岸枝垂桜ひとえしろひがんしだれざくら」と言います。現在のものは二代目で、
「桜守」として知られる
16代目佐野藤右衛門氏により守られています。
令和6(2024)年は3月23日から4月7日まで、
夜にライトアップされますが、期間中、
「篝火」(かがりび)も設置され、
「花篝火」に生えた夜桜見物が、
最も夜桜らしい趣を醸し出してくれます。
 
名勝「円山公園」の
シダレザクラのライトアップについて
【篝火設置期間】
  令和6年3月23日[土]~3月31日[日]
【住 所】
  京都府京都市東山区円山町
【交 通】
 ・電車:阪急「河原町」から徒歩15分
 ・バス:JR「京都駅」から
     100・206系統の市バス約20分
     「祇園下」下車
 
花あかり
 
桜の花が満開で、闇の中でも
桜の淡いピンク色でほのかに明るく
感じられることを「花あかり」と言います。
 
花の名所で焚かれる「篝火」(かがりび)
ライトアップもいいのですが、
月下の桜、暗闇の桜の美しさは格別です。
 
桜月夜(さくらづきよ)
 
桜が咲いて、月の明るい夜のこと。
 
与謝野晶子の造語と言われています。
明治34(1901)年に刊行された『みだれ髪』に
次のような短歌があります。
 
「清水へ祇園をよぎる桜月夜
 こよひ逢ふ人みなうつくしき」
 
「清水に行こうと祇園を通り過ぎると、
 花と月の輝きに照らされて、
 今夜すれちがう人々は、
 誰もみな美しく見えました」
 
といった意味だそうです。
 

花時(はなどき)

 
因みに「花時」(はなどき)は、
花の咲く頃、花の盛りの頃という意味です。
 
日本の詩歌、特に俳句においては、
「花」と言えば「桜」を指しますから、
特に「桜の花の盛りの頃」を表します。