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コツコツと

迎え火

 
地方によって異なりますが、13日の夕方、
ご先祖様をお迎えするために
家の門口や玄関で「迎え火」を焚きます。
 
 

迎え火とは

御先祖様の霊をお迎えするのが
「迎え火」です。
霊が帰ってくる時の目印になります。
家の門口や玄関で行う場合もあれば、
お墓で行う地域もあるなど、
その形態は様々です。
 
一般には、家の門口や玄関で、
「焙烙」(ほうろく)という素焼きの時の上に、
「苧殻」(おがら)を重ねて焚いて、
御先祖様をお迎えします。
 
お墓で行う場合は、お墓参りをした後、
お迎え用の提灯に明かりを灯して、
その明かりと共に先祖の霊を家まで導いて
帰ります。
 

 

「迎え火」をする意味

「迎え火」は、お盆の入りの日に、
御先祖様の魂が迷わずに
自宅へ帰ってくるための目印になると
言われています。
古くからの風習で、
起源は明確には分かっていませんが、
室町時代以降、
仏教が庶民に浸透するに伴い、
「送り火」が広まったとされています。
お盆行事として民衆に定着したのは、
江戸時代と言われています。
 

必要な道具と購入場所

麻がら・苧殻(おがら)
「迎え火」で燃やす「おがら」は、
麻の皮を剥いだ後に残る芯の部分を
乾燥させたものです。
 
「麻」は、古来より、穢れを祓い清める
清浄な植物として考えられてきました。
そのため、「おがら」を燃やすことは
「清く穢れのない空間を作り出す」という
意味も込められています。
また、御先祖様は「おがら」の煙に乗って
帰ってくるとも言われています。
 
「迎え火」の他、精霊馬の脚や箸としても
用いられます。
 
焙烙(ほうろく)
「おがら」を直接載せて、
火を焚くための素焼きのお皿です。
「炮烙」が手に入らない場合は、
耐熱の平皿を使いましょう。
風が強い時や安全面で不安がある場合は、
口の広い椀型の耐熱皿でも大丈夫です。
 
新聞紙など燃えやすいもの
上手く火がつかない場合に、使用します。
肥松(こえまつ)や樹脂の多い松の割り木を使う
地域もあります。
 

「迎え火」の日にち

迎え火…8月13日 (7月盆は7月13日)
 

「迎え火」に適した時間帯

「迎え火」の時間に決まりはありませんが、
夕方、具体的には、17時から19時頃に
実施されることが多いです。
日中だと明るさで火が見えづらく、
夜になると視界が悪く危険なため、
薄暗くなってきた頃から日没前が
おススメです。
 

迎え火の流れ

🔥盆の入りの夕方、玄関先に「焙烙」を置き
  小さく折った「おがら」を載せます。
  周りに燃えやすいものがないかどうかを
  確認してから「おがら」に火をつけます。
 
🔥しばらく「おがら」を焚いた後、
  完全に火を消して下さい。
  火が消すまではその場を離れないように。
 
🔥火をきちんと消し終わったら、
  家に入って仏壇にお供え物をし、
  故人やご先祖様に手を合わせましょう。
 

「迎え火」が出来ない時の代替方法

集合住宅など居住形態によっては
火の取り扱いに厳しく、
「迎え火」が制限されてしまう場合があります。
そのような場合でも、
安心な3つの代替方法をご紹介します。
 
盆提灯を飾る
「盆提灯」にも自宅を示す
「目印」としての役割があります。
家の中で、電気式や電池式の
「盆提灯」を灯すことで、
「迎え火」の代わりとすることが出来ます。
 
代用のローソクを使う
最近では「おがら」の形をしたローソクも
あり、室内やお仏壇の前など、場所を選ばず
手軽に火を灯すことが出来ます。
近年人気が集まっている便利な商品です。
 
形だけ整える
御先祖様をお迎えする気持ちが
大切ですので、形だけでも問題ありません。
おがらとホーロクを準備して、
火は焚かずに飾っておきます。
盆提灯と合わせて飾るとよいでしょう。