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10月11日は「トイレットロールの日」

 
 

トイレットロールの日

 
10月11日は「トイレットロールの日」です。
日本製紙クレシア」が制定しました。
日付は、「トイレット(10)」で10月、
「Roll (ロール)」 の 「ll (エルエル)」 を数字の11
と見立てて、10月11日としました。
 
 
記念日を通して、
普段あまり気に留めることの少ない
「トイレットロール」に
スポットライトを当てる日を作ることで、
その歴史などを振り返る機会になればとの
願いを込めています。
 

トイレットペーパー?
トイレットロール?

 
今では「トイレットロール (toilet roll)」も
「トイレットペーパー (toilet paper)」と
呼ぶことが一般的で、
どちらもトイレでお尻を拭くために使用される
一般的に薄くて柔らかな紙製品のことです。
 
 
「トイレットペーパー (toilet paper)」は英語で、
「トイレットロール (toilet roll)」は和製英語
です。
 
 
ロール状ではない「トイレットペーパー」は、
シート状で販売されることが一般的です。
必要な分だけを簡単に取り出すことが出来、
使い勝手が良いのが特徴です。
 
一方「トイレットロール」は、
トイレットペーパーが巻きついている形状の
ものを指します。
ロールの中心には芯があって、
その周囲にペーパーが巻き付けられていて、
必要な分だけを引き出すことが出来ます。
 
 
また「トイレットティシュー」と
呼ばれる商品もあります。
 

トイレットロールは
いつ発明されたの?

 
初めてトイレットペーパーとして
一般的に市販されたのは、
1857年に米国のJoseph Gayetty社が
痔の医療用製品として発売した
「Gayetty's Medicated Paper」です。
ですが、この商品は
ティッシュのような形状で、
紙を巻いたロール状ではありませんでした。 
 
1871年、実業家のセス・ウェラーが
ミシン目の入ったロール状の
トイレットペーパーの製造特許を取得。
1890年に米国のScott paper社が
ロール状のトイレットロールの
シングルタイプを初めて発売しました。
 
最初のダブルのトイレットロールは、
1942年に英国のSt. Andrew’s Paper Mill社が
発売した「ANDREX」という商品のようです。
当時の広告によると、女性やお子様、
敏感肌の方のために開発されたようです。
 

日本のトイレットロールの歴史

落とし紙(塵紙)
 
用を足した後に紙で拭くという文化は、
6世紀頃のChinaで既にあったとする説があり、
日本でも鎌倉時代頃には、
紙で拭く文化はあったとされています。
 
日本語において、用便の際の清拭用の紙は
落下式便所などで使って下に捨てる紙なので
「落とし紙」と総称します。
また多用途の低品質紙を「塵紙」言うので、
「塵紙」(ちりがみ、ちりし) とも言います。
 
浅草紙(あさくさがみ)
庶民が「落とし紙」を使うようになったのは
江戸時代に入ってからで、
古紙やぼろきれを材料にして漉き返された
下級の紙の「浅草紙」(あさくさがみ) などが
用いられていたようです。
 
現在の塵紙(落とし紙)
 
その後「塵紙」は、
古新聞紙や布を再利用して作られたため、
質が荒く肌触りもゴワゴワしていたそうです。
 
現在では水洗トイレでも使用出来るように、
柔らかくて薄く、水に流せるように
改良されています。
 
 
「塵紙」はコンパクトではないため
場所をとるものの、
どこにでも置いておくことが出来ます。
正方形に近い形で、
また1枚ずつバラバラになっているので、
手軽に使える点が魅力です。
また柔らかくて薄く、
汚れをキレイに拭き取れるため、
トイレ以外にも様々な用途(介護・嘔吐物処理・
ペットの排泄物処理など)で使えることから、
今でも根強い人気です。
 
日本初のトイレットロール
 
東京都北区にある「紙の博物館」によると、
神戸市内にあった貿易商の「島村商会」が
日本で初めてトイレットロールを作った会社と
されています。
「島村商会」が大正13年(1924)に
「土佐紙株式会社芸防工場」
(現・日本製紙グループ本社)に製造を依頼し、
ロール型トイレットペーパーに仕上げ、
外国汽船などに納入していたそうです。
 
当時のトイレットロールには
島村商会の名前と住所に日の丸の扇子が
マークとして描かれていたそうで、
このことにより、神戸が
「日本のトイレットペーパーの発祥地」と
言われているらしいです。

papermuseum.jp

 
生活必需品に
 
当初、トイレットロールは、
外洋汽船や高級ホテル用で
一般向けではありませんでした。
その後、上下水道が整備された影響で、
昭和30(1955)年頃からトイレが
「汲み取り式」から「水洗式」へと変わり、
かつて日本の家庭紙の中心であった「塵紙」が
「トイレットロール」にその座を譲り、
生活必需品として無くてはならない存在と
なりました。
 
 
昭和38(1963)年10月に、
「山陽スコット(当時)」から
国内最初の一般市販用の
ロール状トイレットロール
「スコット トイレットロール 75m」が
発売されました。
 

日本のトイレットペーパーの特徴

JIS規格
トイレットペーパーにもJIS規格があるため、
日本製のものは「紙幅」「長さ」「芯の径」
「品質 (密度・強度・水への溶けやすさ)」などは
ほぼ同一です。
・紙  幅 :114㎜(±2㎜)
・芯の内径 :  38㎜(±1㎜)
・ロール直径:120㎜以下
・ロール長さ:27.5~100m(6種類)
 
水に溶けやすい
 
日本では、トイレットペーパーを
トイレに流す習慣があることから、
水に溶けやすい素材でつくられています。
水に浸して100秒以内に溶ける品質が約束され、
普通に使用していれば詰まることは
ありません。
 
 
ただ国内製でありながら
水に溶けにくいトイレットペーパーもあります。
その代表例が「シャワートイレ用」の
トイレットペーパーです。
一般的に出回る製品より厚手に作られており、
その分水に溶ける時間も長くなります。
このトイレットペーパーを使用する場合は、
流す量を抑え目にして使う方が良いかも
しれません。
 
「シングル」と「ダブル」
 
「シングル」は「ダブル」と比べて、
1ロール当たり約2倍の長さとなっています。
また、1枚の紙で
「ダブル」と同程度の丈夫さが求められるため
1枚当たりで見ると「ダブル」よりも
丈夫で破れにくい設計となっています。
 
「ダブル」は2枚重ねでシートを形成しており、
「シングル」より厚く柔らかいのが特長です。
 
 
なお日本国内での販売金額で比較すると、
「シングル」が約3割、「ダブル」が6割以上と、
圧倒的に「ダブル」の方が売れています。
三枚重ねの「トリプル巻」も稀にあります。
世界的に見ると「シングル」タイプは少なく、
「ダブル」以上、
特に3~4枚重ねのものが一般的です。
 
日本では薄く柔らかいタイプが
好まれる傾向にあることから、
「シングル」や「ダブル」が多いのですが、
欧米などでは、厚みのある商品が
好まれる傾向があるようです。
 
「パルプ」と「再生紙」
トイレットペーパーの紙質は、
主に「パルプ」と「再生紙」の2つに
大別されます。
「パルプ」は植林管理された木材、
「再生紙」は新聞や牛乳パックなどの古紙が
原料です。
 
 
「再生紙」は価格は少々リーズナブルですが、
一度紙になったものを溶かして作り直すので、
紙の密度が薄くなり、紙が硬くなって
肌触りが落ちます。
 
 
一方「パルプ」を原料とした商品は、
リサイクル紙より値段が高いのですが、
吸水性が高ければ使用量も少なくて済むし、
肌触りが良いため、国内での人気が高いです。
 
「エンボス加工」と「クレープ加工」
 
トイレットペーパーの加工として代表的なのが、
紙の表面に細かな凹凸をつけ、
肌触りと吸収性を向上させた「エンボス加工」です。
また、紙に波状のしわをつけ、
伸縮性や柔らかさを持たせ、強度を高めた
「クレープ加工」などもあります。
 

日本のトイレットペーパー
メーカー一覧

丸富製紙
エリエール
王子ネピア nepia
クリネックス Kleenex
スコッティ scottie
カミ商事 エルモア
カルタス シュフーレ
春日製紙
コアレックス信栄
アスト(AST)
四国特紙
 
ハヤシ商事
イトマン
河野製紙 kawano
ユニバーサル・ペーパー
富士里和製紙
丸英製紙
イデシギョー
 
ジョインテックス
松菱製紙
新橋製紙
イワツキ
 
トーヨ
 
太洋紙業