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紙魚・衣魚(しみ)

 
「紙魚」は、障子や書籍など紙製品を
好んで食べる害虫です。
「紙魚」と書いて、「シミ」と読みます。
 
 

紙魚・衣魚(しみ)

 
「シミ」は、シミ目シミ科の昆虫の総称で、
体形が魚に似ていて、紙を加害するため
「紙魚」とか「衣魚」と書きます。
 
紙魚の生態
 
「紙魚(衣魚)」(しみ) の起源は、
ゴキブリよりも更に前の3億年以上前と
推定されています。
そしてその形態は、現在のものと
ほとんど変わっていないそうです。
 
 
体は細長く8~9㎜程とかなり小さく、
成虫になっても羽根はなく俊敏に走り回り、
一面銀色の鱗に覆われキラキラ光ることから
「雲母虫」 (きららむし)「箔虫」(はくむし)「きらむし」、
英語でも「silverfish(シルバーフィッシュ)」
と言います。
暗い所を好む、夜間活動性です。
 
高温多湿な環境を好む傾向にあるため、
「湿虫」(しっちゅう)とも呼ばれています。
 
「紙魚」は寿命が長いのも特徴で、
7〜8年は生きるとされています。
更に悪条件の環境下でも
1年程の絶食にも耐えるしぶとい虫です。
また気温7度を下回るような冬場も、
暖房の効いた部屋で活発に活動します。
 
なぜなら、「紙魚」はエサがなくても、
何と1年以上生息することが可能な上、
虫の中では寿命がかなり長く、
7~8年にも及ぶとされています。
またゴキブリ同様に、
とても生命力が強く、繁殖力も高いことから、
古い本や掛け軸がなくても、湿度が高く、
暖房をかけている冬でも暖かい環境ならば、
一般家庭にも「紙魚」は普通に生息しています。
 
紙魚が好む食べ物
 
その名の通り、紙類を好んで食べます。
紙は植物の細胞壁を構成する主要な成分である
「セルロース繊維」を水中で絡み合わせ、
乾燥させることで作られます。
「紙魚」は、「セルロース」が豊富な、
クラフト紙や溶解パルプなどがありますが、
特に「和紙」を好みます。
平安時代中期の物語である『源氏物語』にも「しみといふ虫のすみかになりて、
 ふるめきたるかびくささながら、
 あとはきえず」
(シミに食べられて古くカビ臭いけれども、
 文字は消えずにはっきり残っている)
と記されるなど、既にこの頃には、
「書籍や掛け軸に発生しやすい虫」として
認識されていたようです。
 
 
紙以外にも、衣類や虫の死骸、埃など、
様々なものを食べます。
衣類を無造作に収納していたり、
掃除をしっかり行っていなかったりすると、
「紙魚」を呼び込んでしまうかもしれません。
「紙魚」の種類によっては、
米、麦、パンやパスタなどの穀物製品、
澱粉を多く含む馬鈴薯や里芋などの食物も
好んで食べるので、
賞味期限の切れた食品は早めに捨てましょう。
 
死番虫(しばんむし)
「紙魚」は紙をボロボロにしますが、
穴を開けるほどの被害を与えることは
ありません。
もし古書などに穴があったら、
これはおそらく「死番虫」(しばんむし) などの
別の虫が犯人でしょう。
 

「紙魚」が繁殖しやすい場所

 
「紙魚」は乾燥を好まず、
湿度の高い環境を好むことから、
「紙魚」が生息しやすいのは、
湿度が高く、暗くて、風通しの悪い場所です。
 
「紙魚」は紙類を主食とするため、
古新聞や古本、雑誌、書類などが
放置されている場所を好みます。
また湿度が高く、風通しが悪い場所、例えば、
押入れ、収納スペース、床下、浴室などが
「紙魚」が繁殖しやすい環境となります。
 

「紙魚」対策

紙類をボロボロにする「紙魚」も、
人を噛んだり、人体に影響を及ぼしたりする
ことはありません。
たとえ人体に影響はないとは言っても、
「紙魚」は生命力・繁殖力も高いことから、
見つけたら早めに駆除することをおススメ
します。
 
こまめに掃除して、紙類はすぐ捨てる
 
「紙魚」に限らず、あらゆる虫に対して
掃除は有効な手段の1つです。
エサや隠れる場所を減らして、
虫が棲みつきにくい環境を目指しましょう。
ダンボールや紙袋なども溜め込まないように
することをおススメします。
 
天気のいい日に虫干しする
 
大切にしている書籍や掛け軸、和紙等は、
虫食いの被害に遭わないように
桐の箱などに入れて保管しましょう。
また、定期的に日光に当てて
「虫干し」することも大変効果的です。
 
部屋を乾燥させる
 
「紙魚」は湿気を好むため、
部屋の湿度を下げ
乾燥した状態にしておくのも手です。
極端に湿度を下げる必要はなく、
40〜50%にしておくことで
「紙魚」の動きを鈍らせることが出来る
でしょう。
 
侵入経路を塞ぐ
 
「紙魚」が家に入り込めないように
物理的に侵入経路を塞ぐのも、
効果を期待出来る対策です。
「紙魚」は非常に小さな害虫ですから、
壁のちょっとしたひび割れも
侵入経路になります。
他にも窓や玄関の隙間からも入ってくるので、
テープなどで塞ぎましょう。
 
苦手なラベンダーの香り
 
無数にある隙間を完璧に塞ぐのは難しいので、
他の対策との併用がおススメです。
 
例えば「紙魚」はラベンダーの香りを嫌うので
ラベンダーのアロマを焚いたり、
芳香剤を置いたりするだけでも
対策として有効です。
 
ラベンダー以外のハーブでも効果があるので、
お気に入りの香りがある人は
調べてみて下さい。
 
虫ケア用品(殺虫剤など)で駆除
確実なのは、殺虫剤などの虫ケア用品をかけて
駆除する方法です。
「シフェノトリン」 「イミプロトリン」 と呼ばれる
ピレスロイド系の成分は、速効性があり、
小さくて素早い「紙魚」に対しても
少しの量で駆除出来るので、
購入の際は、殺虫剤に含まれる成分を
チェックしましょう。
 
① 殺虫剤を使用する
市販の殺虫剤には、
次の2つのタイプがあります。
・壁や床に直接吹き付けるタイプ
・缶に入った薬剤を部屋全体に散布するタイプ
 
なお書籍に殺虫剤を吹きかけると、
汚れの「シミ」ができてしまうので、
扱いには注意が必要です。
人体にも影響を及ぼす可能性がありますから、
使用後は十分に換気を行い、
必要に応じてマスクを着用するなどの
対策を取りましょう。
勿論、食品の近くで使わないように
心掛けるのは言うまでもありません。
 
② ホウ酸団子を置く
 
「ホウ酸団子」は、「紙魚」が好む餌と
ホウ酸を混ぜて作ったものです。
「紙魚」は小さい上に神出鬼没なので
見つけた時には近くに殺虫剤がないことも
ありますね。
なので「ホウ酸団子」を置いておけば、
餌と間違えて食べさせることで、
ホウ酸の毒によって駆除出来ます。
 
更に「ホウ酸団子」を食べた「紙魚」が
巣に戻ると、そこに住んでいる他の「紙魚」も
同様に駆除される可能性が高まります。
 
「ホウ酸団子」を設置する際のポイントは、
定期的に新しいものに取り替えることです。
団子が古くなったり、
完全に食べられた場合は効果が下がるので、
定期的に新しいものに交換しましょう。
 
但し、ホウ酸を大量に摂取すると
健康に影響を及ぼす可能性があるため、
取り扱いには注意が必要です。
安全に配慮し、適切な保護具を着用し、
換気を十分に行う必要があります。
また子供やペットが誤って食べない様、
設置場所には注意が必要です。
 
また「ホウ酸団子」は、手作りであっても
「医薬品医療機器等法」上の「医薬部外品」なので、
「ホウ酸団子」をネットやバザーで売るには、
医薬部外品製造業および医薬部外品製造販売業の
許可が必要です。
他人に無償で譲り渡す場合であっても
これらの許可が必要です。
無許可で製造された医薬部外品を売ることは
法律で禁止されています。
 
③ ふかしたじゃがいもを置く
 
「紙魚」はじゃがいもの澱粉を好みます。
そのため、ふかしたじゃがいもを利用すれば
「紙魚」を誘い出すことが出来ます。
この方法は、化学物質を使わずに
「紙魚」を駆除することが出来るので、
子供やペットがいる家庭でも安心して
利用出来ます。
 
まず、じゃがいもを十分に茹でて、
薄い布やキッチンペーパーで包みます。
これを「紙魚」が発生しやすいと思われる所、
例えば、本棚の隅やクローゼットの奥、
障子の近くなどに置きます。
12時間程度経過したらじゃがいもを確認。