「にじはじめてあらわる」
と読みます。
冬には見かけなかった虹が現われ始める頃となりました。
春の深まりとともに空気が潤い、
雨上がりに綺麗な虹が見られるようになります。
「春の虹」は夏に比べて陽の光が弱いため、
淡く、儚く、すぐに消えてしまいます。
「夏の虹」よりも静かな印象で美しい。
そして「春の虹」のうち、
その年に初めて見た虹を「初虹」と言います。
虹は、空気中の水滴がプリズムとなって、太陽光を反射し、
太陽光の波長の違いによって色分けされて見えるものです。
そのため、波長の長い赤は虹の外側に、
波長の短い紫は一番内側に見えます。
外側から「赤・橙・黄・緑・青・藍・紫」の順番で
7色の虹が掛かるとされています。
でも、これは日本でのお話で、
実はこの定義は国により様々なのです。
アメリカやイギリスでは、
一般的に虹は6色とされていて、藍色を区別しません。
ドイツなどでは、更に橙色も区別しないので5色となり、
アフリカ諸国に至っては、
虹は暖色と寒色のみで2色という部族もあるそうです。
そもそも、色の名前が多く、色の認識も多い日本と、
そうではないアフリカ諸国の
色彩感覚を共通認識とする訳にはいかないのです。
虹は連続して変化した色の帯ですから、
はっきりとした色の境目がある訳ではありません。
また色の名前がない場合は、色を識別することは出来ません。
ですから、何色と捉えるのかは、
その国の文化によって違いが出てきます。
日本では馴染み深い藍色を、
日本人は虹の色として捉えることが出来るため、
欧米では6色と言われている虹を、
7色と感じることが出来るのでしょう。
因みに、色彩学上の定義は7色。
イギリスの物理学者のニュートンが、
当時のイギリスで
「赤・黄・緑・青・紫」の5色と考えられていたところに、
「オレンジの橙」「インディゴの藍」を加えて7色としました。
人の目で7色をクッキリと認識出来るとは限りませんが、
日本人は日本人の美意識で7色と感じているのです。