4月1日は「エイプリルフール(April Fool)」。
普段は嘘をついてはいけませんが、
この日だけは大手を振って嘘をついてもよい日とされています。
一体、なぜこんな風習が始まったのでしょうか?
最低限のマナーもあるはず。
エイプリルフールとは
「エイプリルフール(April Fool’s Day)」とは、
毎年4月1日には「嘘をついてもいい」という
風習のこと。
海外では「エイプリルフール」の「嘘」は、
- ジョーク(joke=冗談)
- トリック(trick=いたずら)
- プランク(prank=悪ふざけ)
という単語で表現されます。
「ライ(lie=嘘)」という言葉は
マイナスイメージが強過ぎ、
あまり使われないようです。
あくまでジョークを仕掛けてみんなで楽しむ日、
それが「エイプリルフール」です。
エイプリルフールの由来
「エイプリルフール(April Fool)」は
ヨーロッパで始まったされていますが、
実はエイプリルフールがいつ、
どうして始まったのか、
確かなことは分かっていません。
諸説ありますので、いくつかご紹介致します。
インド説
インドでは修行僧が、
「春分の日」から3月31日までの1週間、
過酷な悟りの修練を行います。
その修行が終わる日が4月1日。
折角の厳しい修行で捨てた煩悩も、
4月1日になって俗世界に戻れば
再び煩悩に苛まれる。
悟りの境地に達しても、
「修行が無駄になって
元の木阿弥になってしまう」として、
この修行期間が明けた日を
「揶揄節」(やゆせつ)と呼んで、
他人にムダなことをさせてからかう習慣が、
やがて西洋に広まったと言われています。
古代ペルシャ説
古代ペルシャが発祥。
「嘘の13日目」と言って、
春分から数えて13日目である
4月1日前後に悪戯をする
「シズダベダール」という祭が
「エイプリルフール」になったという説。
キリスト説
・イエスキリストが磔となり3日後に蘇ったのが
ちょうどその時期が4月初旬だったということ
ちょうどその時期が4月初旬だったということ
から。
・キリストの命日にあたるため、
ユダの裏切りを忘れないために設けられた。
ユダの裏切りを忘れないために設けられた。
・旧約聖書の「ノアの方舟」に由来するという
説。
ノアは陸地を探すためにハトを飛ばしたが、
ハトは陸地を見つけられず
ノアは陸地を探すためにハトを飛ばしたが、
ハトは陸地を見つけられず
無駄足だったというもの。
フランス説
フランスでは、
新年は「3月25日」を始まりとして
「4月1日」までお祝いをしていましたが、
1564年、仏国王シャルル9世は
「ルシヨンの勅令」を発令して改暦し、
新年の始まりを「1月1日」としました。
これに反発した人達が、4月1日を
「嘘の新年」として騒動を起こしますが、
国王の怒りに触れ、多くの処罰者が出ました。
その日の悲劇を忘れないためにも、
「エイプリルフール」が始まったとされます。
イギリス説
17世紀にイギリスで行われていた
君主制回復を祝う
「オークアップルデー(Oak Apple Day)」が
起源だというものです。
この日の午前中だけ、国王に忠誠を誓い、
その証しとしてオークの小枝を
身に付けねばならなかったのですが、
忘れると揶揄われたことから。
日本にエイプリルフール
大正時代に新聞などで
欧米の習慣として紹介され、
広く知られるようになりました。
なお初めの頃は
「4月馬鹿」と呼ばれていました。
また、上記のインド発祥の風習が
Chinaに伝わって
「万愚節」(ばんぐせつ)になり、
それが江戸時代の日本に伝わって
「不義理の日」と呼ばれていたという説も
あります。
この「不義理の日」には、
日頃、ご無沙汰をして義理を欠いている人に、
手紙などをしたため
不義理を詫びていたようです。
エイプリルフールにもマナーはある
「エイプリルフールだから何でもOK」
という訳ではありません。
「エイプリルフール」は
あくまでユーモアの日。
全員が楽しい気持ちになるための
「軽い嘘」にしておきましょう。
みんなで笑ってハッピーエンドにすれば、
楽しいイベントになります。
周囲からの関心を引きたいからといって、
相手を不幸にしたり、
傷つけたり、心配や不安を煽ったら、
周りとの関係が壊れてしまうかもしれません。
またあまりにも行き過ぎて、
過去には訴訟騒ぎになった事例もあるので
注意しましょう。
1.人を精神的にも肉体的に傷つけない
2.財産上の損害を与えない
違法なことをしないのは当然ですね。
3.ネタバラシはその日のうちに
次の日にわだかまりが残らないように、
ネタバラシはその日のうちにするのが
ネタバラシはその日のうちにするのが
鉄則です。
次の日までエイプリルフールを
次の日までエイプリルフールを
引きずらないように注意しましょう。
「嘘は午前中だけ。午後にネタばらし」という風習も
イギリスでは、嘘をついていいのは
「午前中」だけ。
午後にはネタをばらし、その場で盛り上がって
一件落着となるのだとか。
このルールは、
上記の「オークアップルデー」の
「オークの小枝を身に付けるのは正午まで」だったことに由来すると言われています。
日本でもだんだんと
「午前中しかウソをついちゃいけない」という
ルールが広まってきているようです。
世界各国のエイプリルフール事情
フランス
フランスではエイプリルフールを
「ポワソンダヴリル(poisson d’avril)」と
言います。
ポワソン=魚、ダブリル=4月で、
「4月の魚」という意味です。
カトリック信徒にとって4月1日は
肉食を控える「受難節」(じゅなんせつ)の期間中で
魚がよく贈り物にされていたことからの
名前だそうです。
今は、魚型のパイやムース、
お菓子などを作って食べたりします。
そのため4月1日には、
フランスのケーキ屋さんの店頭には、
パイやケーキなど
魚をかたどったスイーツが並び、
カラフルに春を彩ります。
また子供達は魚の絵を描いた紙を
誰かの背中にこっそり貼り、
見つかったら「ポワソンダリル」と言う
悪戯も許されるそうです。
イギリス
「嘘は午前中だけ」というルールがある
イギリス。
放送局や新聞社まで
大真面目に嘘をつく伝統があるようです。
それが混乱を招かないためにも、
午後にはタネ明かしをしてホッとさせるの
だとか。
エイプリルフールがNGの地域
インドネシア、マレーシアなどの
イスラム教徒の多い地域は
エイプリルフールは基本的にNGです。
イスラム教の教えでは
「嘘をついてはいけない」ため、
厳しく禁止されているのです。