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コツコツと

秋渇き(あきがわき)

 

今年は残暑が長引いて、
いつまでも暑かったのですが、
ここに来てこれまでの季節の遅れを
取り戻すかのように、
急速に秋が深まっているようです。
 
 
そうなると、過ごしやすい秋の気候の中で、
暑さのために減退した食欲も
著しく回復してきているような気がします。
何を食べても美味しいなあー!
 
 
更に秋は実りの季節、
そして山海の珍味も豊かな季節。
梨にぶどうに栗、さつまいも、かぼちゃ、
キノコにサンマ、秋鮭、戻りガツオもいい。
そうするうちに新米も出荷されて・・・。
本当に何を食べても美味しいなあー!
 
 

秋渇き(あきがわき)

 
秋になって食欲が増して、
食べても食べても食欲が満たされない状態を
「秋渇き」(あきがわき) と言います。
 
 
秋は空気が乾燥する季節ですから、
「秋渇きとは秋の空気を表す言葉なのかな?」
とも思ってしますが、
実は「渇く」には「欲望・欲求が高まること」
という意味もあることから、
「秋渇き」とは、飢え渇くように
食べ物が美味しく感じられて、
食欲が旺盛になるという
まさに「食欲の秋」にピタリと当てはまる
言葉なのです。
 

なぜ秋になると食欲が増すの?

ところで、なぜ秋になると
食欲が増すのでしょうか?
その科学的な根拠を御紹介致します。
 
夏バテからの回復
夏バテにより弱った体が
秋になり気温が低下すると共に機能を取り戻し
胃腸の働きも活発化して食欲が戻ることが、
あたかも食欲が増したように感じるという
説です。
 
「セロトニン」の減少
「幸せホルモン」とも呼ばれる
心の安定に関わる神経伝達物質のひとつ
「セロトニン」は、
秋は日照時間が短くなることで
その分泌量が減少してしまいます。
 
「セロトニン」にはまた、満腹中枢を刺激して
食欲を抑える働きもあるのですが、
日照時間が減少すると共に分泌量が減ることで
「セロトニン」が不足してしまうため、
食欲が増してしまうのです。
 
基礎代謝量の高まり
秋になり気温が下がってくると、
体温を維持しようとして
基礎代謝量が高まる結果、
たくさんのエネルギーが必要となり、
それを補うために
体が「もっと食べろ」と指令を出すのです。
 
冬に備えて
栄養を蓄えようとするから
本能的に冬の寒さに備えて、
エネルギーを蓄えようとするためと
考えられます。
 
旬の食材が
盛りだくさんだから
秋は、「実りの秋」とも言われるように、
たくさんの美味しい食材が実をつけて
収穫時期を迎えます。
旬の食材が多いと、
たくさん食べたいと思うのは自然なことです。
 

「食欲の秋」に
食べ過ぎを防ぐためには

ただその食欲を放置すると、
体重増加だけでなく、
高血圧や糖尿病などの生活習慣病に繋がる
可能性もあります。
食べ過ぎを防ぐにはどのような対策があるのかを紹介します。
 
よく噛んで食べ過ぎを防ぐ
脳の満腹中枢が刺激されて
満腹感を得るまでには、
食事を始めてから約20分程掛かると
言われています。
食べ過ぎを防ぐには、
早食いをせずに、よく噛んで(20-30回咀嚼)
時間をかけて食べる習慣を身につけましょう。
 
またよく噛むことは満腹中枢を刺激し、
「ヒスタミン」の分泌を活性化して
腹八分目でも満腹感を十分に得られるのです。
 
更に咀嚼回数が増えると
顔の表情筋が鍛えらるので小顔効果も
期待できますよ。
 
先に野菜・たんぱく質を食べる
血糖の急上昇を抑えて、
満足感を得やすくなります。
 
低カロリーの食品を選ぶ
満腹にならないと満足できない方は
低カロリーの食品を選ぶと良いでしょう。
秋の味覚の中で低カロリーの食物と言えば、
キノコ類や海藻類です。
 
美味しいものを
少し食事に取り入れる
 
人間には「感覚特異的満腹感」という、
美味しいものを食べた時に
満腹感を感じさせるシグナルがあります。
 
「感覚特異的満腹感」を食事で感じるには、
食事に少しでも風味が豊かなものを
取り入れることだと言われています。
 
秋は美味しいものが豊富な季節なのですから、
秋の味覚を楽しんでみて下さい。
 
生活習慣の見直し
生活習慣を見直すことも大切です。
 
食事が不規則だと過食に繋がりやすいので、
食事は規則正しく摂り、
就寝2時間前までに食事を終わらせましょう。
 
また睡眠不足に陥ると、
自律神経やホルモンバランスを乱して、
過食を招きますから、
良質な睡眠をとるように心掛けましょう。
 
ストレス食いや過食を防ぐために、
趣味・リラックス習慣を持ったり、
日常的に軽い運動を取り入れることも
大切です。
 
セロトニンの分泌を促す方法
 
食欲をコントロールする「セロトニン」の
分泌を促す方法をご紹介します。
 
 
・朝日をしっかりと浴びる
 
規則正しい生活リズムを心掛けて、
朝日とバランスの取れた朝食で
一日をスタートさせましょう。
 
・腸内環境を整える食生活を意識する
 
体内の「セロトニン」の約90%は、
腸内の善玉菌が、食事から摂取した
「トリプトファン」を使って生成しています。
腸内環境を整えるために、
発酵食品や食物繊維を積極的に摂取することが
推奨されています。
 
・「トリプトファン」を多く含む食品を摂る
「トリプトファン」とはアミノ酸の一種で、
日中は体内で「セロトニン」に、
夜は睡眠を促す「メラトニン」に変化します。
なお「トリプトファン」は
体内で合成することが出来ないので、
食事から摂取しましょう。
<トリプトファンを多く含む食品の例>
 鶏肉、卵、チーズ、大豆製品など
 
 
・リズム運動を行う
 
一定のリズムで運動することは
「セロトニン」の分泌を促します。
例えば、
・噛む回数を増やす
・ゆっくりと深呼吸を繰り返す
・20分以上一定のリズムで歩く
 
 
・質の高い睡眠をとる
そのためには、次のようなことが大切です。
・規則正しい生活リズムを心掛ける
・就寝前にはリラックスする時間を作る
・寝室は静かで暗く、適度な温度に保つ
・寝具は清潔で快適なものを選ぶ
・日中の適度な運動を心がける
・カフェインやアルコールは控えめにする
 
 
・ストレス解消法を取り入れる
 
ストレスが慢性化すると、「セロトニン」の
分泌が抑制されてしまうからです。
 
 
・湯船に浸かる
湯船に浸かり体が温まることで
リラックス効果が高まり、
「セロトニン」の分泌が増加します。
38度から40度のぬるめのお湯に、
15分~20分程ゆっくりと浸かるのがおススメ。
 

「秋の味覚」で
ダイエットに効果のある食べ物は

 
「秋の味覚」の中には、
ダイエット効果が期待できる
美味しい食材がいろいろあります。
積極的に献立に取り入れて、旬を味わいながら
健康的なダイエットに役立てて下さい。
 
🐟 サンマ
 
秋の味覚の代表格「サンマ(秋刀魚)」には、
脳内の「セロトニン」受容体の機能を高める
働きがあるとされる「オメガ3系脂肪酸」が
豊富に含まれています。
 
🐟 鮭
 
「鮭」も「オメガ3必須脂肪酸」を豊富に含み、
セロトニンの分泌を促進する「ビタミンB群」も
含まれています。
 
🍄キノコ
 
秋になると味と香りが深みを増すキノコは、
食物繊維が豊富で胃腸をキレイする上に、
低カロリーなのでダイエットにも最適です。
中でも「舞茸」はカリウムも豊富なので
むくみ解消も期待出来ます。
 
🍠サツマイモ
 
食物繊維や抗酸化作用のあるビタミンE、
ビタミンB1、カロテン、カリウムなどが
豊富です。
実は「サツマイモ」は、
白米よりもカロリーが低く、腹持ちがいいので
上手に組み入れるとカロリーを抑えることが
出来ます。
 
🌰栗
 
食物繊維が豊富です。
但し、小粒な割にはカロリーが高いので
食べ過ぎには注意しましょう。