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コツコツと

七十二候「麋角解」

「さわしかのつのおつる」と読みます。

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オス鹿の角が落ちる頃となりました。
メスの鹿は角が生えませんが、
オスの鹿は一年に一度、角が根元から自然にポロっと取れて、
春にはまた新しい角が生え始めます。
 
「麋」(さわしか・び)とは、
「なれしか」と言う大型の鹿のことで、
一般的には
「ヘラジカ」「トナカイ」の仲間とされています。
 
 
「麋角」(びかく)とは、「なれしか」のオスが持つ角のことで、
春に生え始めて枝分かれし、冬に大きくなった角は抜け落ちます。

 

「ヘラジカ」は、
人の手のひらのように平たくて大きな角を有する
欧州では「エルク」、
北米では「ムース」と呼ばれるシカ科の動物です。
北方の森林地帯に広く棲む動物で、
北欧からロシアまでのユーラシア大陸や北米地域に広く生息しています。
 
 
 
「麋」は、
「四不像」(しふぞう)という種の鹿とする見方も有力です。
 
「四不像」(しふぞう)は、
鹿のような角を持ち、牛のような蹄を持ち、
馬のような顔をして、驢馬のような尾を持ちながら、
その四つの動物とは異なることから「四不像」という名になりました。
 
「四不像」(しふぞう)は、
China北部から中央部にかけての沼沢地に棲んでいましたが、
狩猟によって19世紀末には野生状態では絶滅、
20世紀にはChinaから姿を消してしまいます。
 
その後ヨーロッパ人の尽力により、
欧州で生き残った数少ない個体から繁殖が進み、
今では世界各国の動物園で見ることが出来るそうです。
 
日本でも、
大森山動物園(秋田県秋田市)、多摩動物公園(東京都)、
安佐動物公園(広島県)や熊本市動植物園で飼育されています。
 
 
 
「四不像」(しふぞう)のオスの角は片方で2kg程になり、
冬至の頃にその大きな角を落とすそうです。
なお、「ヘラジカ」も「トナカイ」も「四不像」も、
日本には棲息していない動物です。
 

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