「さわしかのつのおつる」と読みます。
オス鹿の角が落ちる頃となりました。
メスの鹿は角が生えませんが、
オスの鹿は一年に一度、角が根元から自然にポロっと取れて、
春にはまた新しい角が生え始めます。
「麋」(さわしか・び)とは、
「なれしか」と言う大型の鹿のことで、
一般的には
「ヘラジカ」や「トナカイ」の仲間とされています。
「麋角」(びかく)とは、「なれしか」のオスが持つ角のことで、
春に生え始めて枝分かれし、冬に大きくなった角は抜け落ちます。
「ヘラジカ」は、
人の手のひらのように平たくて大きな角を有する
欧州では「エルク」、
北米では「ムース」と呼ばれるシカ科の動物です。
北方の森林地帯に広く棲む動物で、
北欧からロシアまでのユーラシア大陸や北米地域に広く生息しています。
「麋」は、
「四不像」(しふぞう)という種の鹿とする見方も有力です。
「四不像」(しふぞう)は、
鹿のような角を持ち、牛のような蹄を持ち、
馬のような顔をして、驢馬のような尾を持ちながら、
その四つの動物とは異なることから「四不像」という名になりました。
「四不像」(しふぞう)は、
China北部から中央部にかけての沼沢地に棲んでいましたが、
狩猟によって19世紀末には野生状態では絶滅、
20世紀にはChinaから姿を消してしまいます。
その後ヨーロッパ人の尽力により、
欧州で生き残った数少ない個体から繁殖が進み、
今では世界各国の動物園で見ることが出来るそうです。
日本でも、
22日の夕方、#シフゾウ のアスカの右角が水場に落ちていました。23日の朝一には片角が残っていましたが、こちらも餌を少し食べた後、岩に角を当ててポロンと落ちました。自慢の両角がなくなってションボリしているアスカですが、すぐにまた次の角が伸びてくるのでお楽しみに。 pic.twitter.com/NiVo0FgCM3
— 広島市安佐動物公園【公式】 (@asa_zoo) December 25, 2021
さっそく、アスカの角を展示しました。右角は12/22、左角は12/23に落角したばかりなので、落ちたてほやほやです! ぜひ、実際に触ってみて質感を確かめてくださいね。#シフゾウ pic.twitter.com/r4l89LSWx0
— 広島市安佐動物公園【公式】 (@asa_zoo) December 25, 2021
「四不像」(しふぞう)のオスの角は片方で2kg程になり、
冬至の頃にその大きな角を落とすそうです。
なお、「ヘラジカ」も「トナカイ」も「四不像」も、
日本には棲息していない動物です。