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七十二候「蓮始開」

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「はすはじめてひらく」
と読みます。
蓮の花が開き始める時候を言います。
 
 
蓮の花は夜明けと共に、
泥の中に水を弾いて優雅な花を咲かせ、
昼過ぎには閉じてしまいます。
そして、4日目、花びらは再び閉じることなく散ってしまいます。
 
「ハスは泥より出でて、泥に染まらず」
という言葉がありますが、
優美で清らかなハスの花は、
俗世にあって俗世にまみれず、
清らかに気高いことから、
古代の人は、この花に極楽浄土を見ました。
 

 
埼玉県行田の「古代蓮の里」では、
園芸品種が出現するより前から存在する
原始的な形態を持つ「古代蓮」(こだいはす)を見ることが出来ます。
 
昭和46(1971)年、清掃工場造成中に、
掘り起こされた土の中の種が自然に発芽した
もので、約1400から3000年前のものと
推定され、「行田蓮(ぎょうだはす)と呼ばれています。
 
平成7(1995)年に「古代蓮の里」を開園し、
自生地から「古代蓮」を移植して育てており、
今や10万株にまで増えたのだとか。
市の天然記念物に指定されています。
 
ここで見られる「古代蓮」は、
「原始蓮」「大賀蓮」「行田蓮」の3種です。
いずれも紅色一重の花です。
 
原始蓮げんしばす」は一般の蓮より全体的に小さめ。
 
「大賀蓮」は、千葉県検見川遺跡の泥炭地層下の青泥中に埋もれていた種子が、
蓮の権威であった故大賀一郎博士によって、
昭和26(1951)年春に3粒採取され、
そのうち1粒が発芽したもので、
2000年以上前の種子と推定されています。
 
「行田蓮」は、「大賀蓮」に比べると、
大きくて色が濃いのが特徴です。
色はピンクで、
ピンクが花びらの付け根に向かって
白くグラデーションしています。
淡く美しく幻想的です。
 

 
「古代蓮の里」には、古代蓮だけでなく
「世界の花蓮」コーナーでは
世界中から集められた約40種、約2万株の
ハスを見ることが出来ます。
6月下旬から8月上旬頃には
美しい蓮の花を見ることが出来ます。
 

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