節分といえば「鬼」!
ということで、「鬼」に注目をしてみました。
「鬼」について

「鬼」とは、元々「隠」(おぬ)とか「陰」(おん)が
語源と言われています。
「隠」(おぬ)とか「陰」(おん)にはそれぞれ
「目に見えない存在」や「この世のものでない存在」、
「邪気」という意味があり、
「鬼」は疫病や災厄といった悪いことの象徴だったとされています。
仏教では「鬼は煩悩と呼ばれる人の欲望や悪い心に住み、
それが災いとなる」と考えられています。
節分で追い払われる鬼

「節分」では、鬼は「鬼は外」と追い払われます。
これは元々、旧暦の大晦日に宮中で行われていた
「追儺」(ついな・おにやらい)という年中行事が基になっていると
言われています。
平安時代の「追儺」では、
内裏の中を盾と矛を打ち鳴らしながら回り、
鬼を宮中から外へ追い出しました。
また陰陽師も鬼に供物を捧げて祭文を読み上げたり、
鬼を都の外へと追いやるために、宮中の貴族達が矢を放ったり、
振り太鼓を振って、方相氏達を応援しました。
江戸時代になると、宮中ではすっかり行われなくなるほど、
「追儺」は衰退してしまいましたが、
江戸城大奥から庶民まで、都市や地方の区別なく、
「節分」には「豆まき」をしました。
鬼はなぜ寅柄のパンツをはいているの?
鬼は姿形は人間のようですが、
頭に角が生え、体が大きく、怪力で、
そして寅柄のパンツを履いているイメージで
描かれることが多いですね。
古来、Chinaや日本では
方角を表すのに「十二支」を用いていました。
そして、「北東」を「鬼の出入りする方角」であるとし、
「鬼門」と呼んで、避けるべき方角としてきました。

「子 」を真北として、時計回りに
「丑」、「寅」・・・と「十二支」を順番に配置すると、
北東はちょうど丑と寅の間、すなわち「艮」 に当たります。
そのため、現代にも伝わる鬼のイメージは、
「丑(牛)」の角が生え、
「寅(虎)」柄の履き物を履いているイメージとなったのです。
鬼の色の違いと意味とは?
鬼には、色の違う5種類の鬼がいます。
鬼の色の意味は、仏教に由来します。
「五色の鬼」は仏教における「煩悩」、
すなわち「心穏やかに過ごすには、
心に蓋をしている5つの煩悩を外しなさい」という
「五蓋」(ごがい)の教えから来ているそうです。
- 貪欲(とんよく)
- 瞋恚(しんに)
- 掉挙(じょうこ)・ 悪作(おさ)
- 惛沈(こんちん)・ 睡眠(すいみん)
- 疑 (ぎ)
5つの煩悩のそれぞれが、
赤鬼、青鬼、黄鬼、緑鬼、黒鬼に当てはめられ、
豆まきの時には、
自分が打ち勝ちたい煩悩の色の鬼に
豆を投げると良いと言われています。
赤鬼
赤鬼は五蓋の「貪欲」(とんよく)で、
欲望や渇望など強い欲望を表し、全ての悪の象徴です。
全ての悪の象徴とされる赤鬼に豆をぶつけると、
自分の中の悪い心が取り除かれると言われています。
青鬼
青鬼は五蓋の「瞋恚」(しんに)で、
悪意や憎しみ、怒りなどの象徴です。
悪意や憎しみ、怒りなどは貧相で欲深い心を表しているので、
青鬼に豆をぶつけることでそれらを取り除き、
福徳に恵まれると言われています。
黄鬼(白鬼)
黄鬼は五蓋の「掉挙(じょうこ)・悪作(おさ)」で、
心の動揺や後悔の象徴です。
黄鬼に豆をぶつけることで、
過去の後悔から解放され、
自己中心的な甘い考えを取り除き、
公平な判断ができるようになると言われています。
また、「黄鬼」ではなく「白鬼」とされることもあります。
緑鬼
緑鬼は五蓋の「惛沈」(こんちん)・「睡眠」で、
倦怠、眠気、不健康の象徴です。
沈んだ心、やる気・気力がない、ダラダラしてしまう・・・
そういう自身の不摂生を反省しながら緑鬼に豆をぶつけることで、
健康的で規則正しい生活を心掛けることが出来ます。
黒鬼
黒鬼は五蓋の「疑」(ぎ)で、疑心暗鬼の象徴です。
黒鬼に豆をぶつけることで、
卑しい気持ちを追い払い、心の平穏を願います。
- 赤鬼
貪欲、欲望、渇望 - 青鬼
瞋恚(しんい)、悪意、憎しみ、怒り - 黄鬼(白鬼)
掉挙悪作、心の浮動、後悔、
甘え、我執(がしゅう) - 緑鬼
惛沈睡眠、倦怠、眠気、不健康 - 黒鬼
疑、愚痴、疑いの心