「冬の土用」は「立春」の直前の約18日間で、
令和7(2025)年の「冬の土用」は
1月17日(金)から2月2日(日)に当たります。
一年で寒さが最も厳しい時期であることから、
「寒土用」(かんどよう)とも言います。
その最終日が「節分」で、
これを過ぎれば春を迎えます。
土用の期間は、
土を司る「土公神」(どくしん・どくじん)という
土を司る神様が支配する時期とされ、
土を動かしてはいけないとされてきました。
今でも、土を動かす作業
(柱立て、基礎工事、壁塗り、井戸掘りなど)は
「土用」の期間を外す方が多いようです。
また「土用」は季節の変わり目ですから、
農作業で体調を崩さないようにとの
戒めもあると思われます。
但し、1年の内1/5(18×4=72)の期間、
これらの作業が出来ないことは
社会生活上問題が多いため、
土公神が天上に行き、地上にいなくなる
「間日」(まび)が設けられていて、
間日の間は土公神が地上を離れるので、
土を動かしても問題ないとされています。
<冬土用の間日>・・・寅・卯・巳の日
令和7(2025)年 : 1. 1/21(寅)
2. 1/22(卯)
3. 1/24(巳)
4. 2/02(寅)
2. 1/22(卯)
3. 1/24(巳)
4. 2/02(寅)
古代Chinaに端を発する自然哲学思想である
「五行思想」(ごぎょうしそう)では、
万物は火・水・木・金・土の5種類の元素からなり、
- 「春」=「木」
- 「夏」=「火」
- 「秋」=「金」
- 「冬」=「水」
が割り当てられ、
それぞれの季節の変わり目には
「土」が割り当てられ、
これを「土用」と言います。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
---|---|---|---|---|---|
五時 | 春 | 夏 | 土用 | 秋 | 冬 |
五臓 | 肝 | 心 | 脾 | 肺 | 腎 |
冬の土用は、「未」(ひつじ)の日に
「ひ」のつくものや
「赤い」食べ物を食べるといいそうです。
<「ひ」のつく食べ物>
ひらめ、ひじき、干物 など
<「赤い」食べ物>
トマト、パプリカ、りんご、
かに、たこ など
かに、たこ など
「冬の土用」の時期は、古くは1年の中でも、
取り分け ”気” が乱れやすい
「表鬼門」の時期と言われ、
免疫力低下によって、
風邪やインフルエンザなどの感染病に
掛かりやすくなり、
肌荒れや喉風邪などの
乾燥障害が起こりやすい時期でもあります。
「冬の土用」は「寒の内」の時期ですから、
寒さのため血管縮み、
1年の中で最も代謝が悪くなるため、
体が栄養を蓄えておこうとするため、
冬に体重が増えたり、
発汗が減る分、尿量が増える傾向になります。
塩辛いものを控えて、
腎機能を高めるようにしましょう。
また「夏の土用」と同様に、胃腸の疲れから、
食欲不振、消化力の低下、気力の低下などが
出やすい時期でもあります。
消化器官の機能低下は万病の原因。
贅沢なご馳走はほどほどにして、
小食を基本にして胃腸を休めることが、
「冬の土用」の養生の要です。
消化と栄養補給・分配を司る
「脾」の気を高める旬の食べ物としては、
玄米を始めとする「全粒穀物」や
「さつまいも」などがあります。