うまずたゆまず

コツコツと

夏の土用

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「土用」とは

 
暦の「立春・立夏・立秋・立冬」の直前18日間のことで、
季節の変わり目は体調を崩しやすい時期なので、
体調不良は大病を招きかねないことから、
昔から、土用の期間中はいつも以上に注意し、
落ち着いて過ごすことがススメられています。
 

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令和3(2021)年の土用

  土用入り 土用 土用間日 丑の日 日数
冬土用 1/17 2/2 寅・卯・巳の日
1/18,19,21,30,31,2/2
1/17,29 17
春土用 4/ 17 5/4 巳・午・酉の日
4/19,27,28
4/23 18
夏土用 7/19 8/6 卯・辰・申の日
7/19,23,30,31,8/4
7/28 19
秋土用 10/20 11/6 未・酉・亥の日
10/26,28,30
10/20,11/1 18
土用の始まりの日を「土用入り」、
終わりの日を「土用明け」と言います。
 
 

土用にしないほうがいいこと

 

土いじり

「土公神」(どこうじん)とは土を司る神様で、
季節によって遊行するとされているのですが、
「土用」の期間中は土の中にいらっしゃるそうです。
 
土用に土いじりをすると、
土公神が嫌がって怒ったり祟りを起こすため、
土用に土いじりをするのは良くないと言われています。
 
 
間日(まび)
土用の期間は約18日間あります。
この期間、ずっと土いじりなどが出来ないのでは
仕事や生活に支障が出てしまいます。
この「間日」には、土公神が土の中から出て天上界へ行っているので、
土いじりなどをしても大丈夫だと考えられています。
 
 

新しいこと

土用は季節の変わり目で体調を崩しやすいため、
新しいことを始めようとせず、
普段以上に注意し静かに過ごすようになったのではないかと
考えられています。
 
 

土用殺(どようさつ)

土用の期間中は、
吉凶関係なくどの方角も良くないと言われているのですが、
「土用殺」の方角は、特に注意したほうが良いと言われています。
4つの土用それぞれについて決まっていて、毎年同じ方位となります。
  • 冬土用:北東
  • 春土用:南東
  • 夏土用:南西
  • 秋土用:北西
 
 

土用の丑の日

 
「土用の丑の日」とは、
「土用」の期間中にやってくる「丑」の日のことです。
それぞれの土用の期間中に丑の日が2回ある場合は、
二番目の日を「土用の二の丑」とか「二の丑」と言います。
 

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特に「夏の土用」の時期は梅雨明けと重なり、
また暑さも厳しく、夏バテをしやすい時期なので、
昔から「精の付くもの」を食べる習慣があります。
(「土用しじみ」「土用餅」「土用卵」など)
 
 

「土用の丑の日」と「うなぎ」の関係は?

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今のように「土用」に鰻を食べる習慣が一般化したきっかけは
江戸時代中頃の本草学者で、
地質学者、蘭学者、医者、殖産事業家、戯作者、浄瑠璃作者、
俳人、蘭画家、発明家として知られる平賀源内が、
夏場に鰻が売れないので何とかしたいと近所の鰻屋に相談されて、
「本日、土用丑の日」と書いた張り紙を張り出したところ、
大繁盛したためと言う話は、よく知られたところだと思います。
 

 
本来、鰻の旬は秋から冬。
産卵前の脂を蓄えた、味が濃くこってりしている旬の鰻に対して、
夏の鰻は人気がありませんでした。
 
ただ、奈良時代には既に
「鰻は精の付くもの」ということは認識されていたようです。
万葉集に、次のような歌があります。
 
 石麻呂に われもの申す
 夏痩せに 良しといふものぞ 鰻
(むなぎ)とり食(め)
 
これは、大伴家持が吉田連老(よしだのむらじのおゆ)
贈ったものです。
このことからも、「夏バテには鰻」ということが
認識されていたことが分かります。
 
 

絶滅危惧種に指定されるうなぎ

 
ところで、近年高騰が続いてる鰻。 
1970年代頃から鰻の漁獲量は減少していて、
個体数も同様に減少し続け、
市場でのウナギの取引量はここ15年で半分以下に減少。
取引価格は3倍以上値上がりしています。
 
そのため平成25(2013)年には、
環境省が「ニホンウナギ」を絶滅危惧種に指定。
更にその翌年には、国際自然保護連合(IUCN)も
「ニホンウナギ」と「アメリカウナギ」を絶滅危惧種に指定。
「絶滅危惧種IB類」と言われる
「近い将来における野生の絶滅の危険性が高い種」に選定されています。
 
ただ、去年と今年は、 鰻は豊漁のようですから、
安心していただきましょっ!
 

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土用の食べ物

 

「う」の付く食べ物

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「土用の丑の日」に食べるものは「鰻」だけではありません。
鰻に限らず「う」のつく食べ物を食べる習慣もあります。
精がつくものと言えば、「牛肉」や「馬肉」など。
胃に優しいものと言えば、「うどん」や「瓜」、「梅干し」でしょうか。
 
 

土用餅(どようもち)

 
「土用餅」は土用入り、あるいは土用の期間中に食べるもので、
あんころ餅やひと口大の餅に餡(あん)を乗せたものなどがあります。
主に京都、滋賀、福井などで食べられていて、
菓子店で扱うものは夏土用の限定商品とされているものが多く見られます。
 
 

土用蜆(どようしじみ)

 
蜆(しじみ)の旬は年に2回あり、
夏のものが「土用蜆」(どようしじみ)、冬のものが「寒蜆」(かんしじみ)です。
この「土用蜆」を夏土用の期間に食べるというものです。
 
 

土用干し(どようぼし)

 
夏の土用には、土用干し(または虫干し)と言って、
書物や衣服などを取り出し、風を通します。
梅雨の間の湿気によってカビや虫がつくのを防ぐための習慣です。
平安時代、正倉院の所蔵品も「土用干し」をしていたそうです。
 
 

田の土用干し

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またこの時期、
一週間程、田の水を抜いて、稲がしっかり根を張るようにする
「田の土用干し」もあります。
 
 

梅の土用干し

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梅雨が明け、6月頃に収穫した梅の実を塩漬けにして
3日ほど日干しにしますが、これが「土用干し」と呼ばれています。
「土用干し」したものを本漬けしたものが「梅干し」となります。
 
 

雪駄の土用干し

雪駄を干すと反ってしまうことから、
「反っくり返って、威張った態度で歩く人」のことをいう言葉です。
夏の土用とは関連はないんですが。
 
 

土用三郎

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夏の土用入りの日を「土用太郎」、
二日目を「土用次郎」、三日目は「土用三郎」 と呼びます。
この「土用三郎」の日の天気で、秋の収穫を占う慣習があります。
晴れたら豊作と言われます。
 
 

丑湯

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丑湯には、元々禊の意味があったようです。
土用の丑の湯にゆったり風呂に浸かると病気をしないと言います。
夏真っ盛りでも、
冷房の効いた室内で過ごすと、身体は芯から冷えてしまいます。
クーラーで冷えた体を温めましょう。
 
 

土用灸(どようきゅう)

夏の土用にお灸をすえると、特に効果があると言われています。
ちょうど夏の疲れが出てくる時で、体を労わる頃合いです。
 
 

「暑中見舞い」と「残暑見舞い」

 
「暑中」と言うのは、
夏の暑い時期のこと、あるいは夏の土用期間を言います。
以前は、暑中お見舞いと言えば、
直接挨拶に伺えない遠方の人に送る夏の便りでした。
それが、お世話になっている人や親しい友人知人に送る
暑さを労う挨拶状として広まったのは大正の頃です。
昔は夏の土用に送っていたので、「土用見舞い」とも言われました。
 
今では
「小暑」より以前は「梅雨見舞い」、
「小暑」から「立秋」前日までに出すのが「暑中見舞い」、
「立秋」以降は「残暑見舞い」とされています。
 
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