
本格的な冬を迎えるに当たり、
寒さや風・雪・霜などを防ぐために、
様々な工夫をすることを「冬構え」(ふゆがまえ) と
言います。
他にも「冬支度」(ふゆじたく) とか
「冬用意」(ふゆようい) などとも言います。
「冬構え」とは
「冬構え」(ふゆがまえ) とは、
主に家屋や庭園といった物理的な環境に対する
大規模かつ外的な防寒・防雪対策を指す場合が
多い表現です。
例えば、「北窓塞」(きたまどふさ) いだり、
隙間に「目貼」(めばり) をしたり、
庭木や作物には
「風除け」「霜除け」「雪除け」をしたり、
庭木の雪折れを防ぐために
「雪吊り」(ゆきつり)に「菰巻き」(こもまき) をし、
また家の周りを板で囲んで風雪から家を守る
「雪囲い」(ゆきがこい) を施すなど、
建物全体が冬の厳しい環境に耐えうるように
「構える」というニュアンスが含まれ、
まるで家全体が鎧ったようになります。
豪雪地帯では頑丈な「雪囲」を作り、
アーケード式の「雁木」(がんぎ) を作り
歩道を確保します。
「冬構え」に関する季語
北窓塞ぐ(きたまどふさぐ)
冬の冷たい北風が入らないように、
北側の窓を板や筵 (むしろ) で塞いだり、
目貼りをしたりすることです。
近頃は、防寒建築工法の発達により
北窓を塞がなくても防寒出来る住宅は
増えてきました。
それでも豪雪地域では、
隙間風と併せて雪害を防ぐために
北窓の戸を下ろし・板を打ちつけ・
筵で覆ったりする地域があります。
北窓を塞ぐと、いよいよ暗く陰鬱な
冬到来といった感じになります。
目貼り(めばり)
板戸や障子戸から
隙間風や雪の吹き込むのを防ぐために、
家中の窓や戸口などの隙間に
細く切った紙などで貼って塞ぐことです。
現在の家屋はアルミサッシなどの普及で、
あまり目貼りは余り必要なくなりました。
風除け(かぜよけ)
冬の寒風を防ぐために、
家の北や西側に垣根や塀を巡らせること。
また野菜や果樹を守るためのものもあります。
丸太を組んだものに、蘆(あし)・葭(よし)・竹・
稲藁などを括りつけて作ります。
北国の日本海側によく見られます。
間垣(まがき)
北陸地域を中心に、冬の「風除け」のために
竹で組まれた垣根のこと。
柱と柱の「間」に竹を立てて並べることから
「間垣」(まがき) というようになったという説が
有力です。
竹を隙間なく並べる「間の狭い垣」という
「間の狭い」から来ているという説もあります。
石川県の輪島市大沢町・上大沢町にある
「間垣の里」が有名で、
国が重要文化的景観に指定されています。
能登半島の海沿いの家では、かつて、
山から切り出した苦竹 (真竹) を用いて
竹垣を組んだそうです。
木積間(きづま)
また東北地方の一部では
薪を積んで風除けにしたものを
「木積間」(きづま) と言います。
霜除け(しもよけ)
庭木や草花、果樹、野菜類を
霜害から防ぐために施す覆いをすること。
霜が野菜に当たると、作物がダメージを受け、
生育不良や枯死することもありますので、
冬の間の霜対策は欠かせません。
最も手軽で効果的な霜対策は、
寒冷紗や不織布などで作物を覆う
「べたがけ」です。
敷き藁や落ち葉などを使った「マルチング」も
地温を保てるので、有効な対策です。
より本格的な対策としては、
「ビニールトンネル」を設置し、
内部の温度を保ち、霜から野菜を守る方法も
あります。
雪除け(ゆきよけ)
冬の風雪を防ぐために、
家の周囲や出入り口などに作る囲い。
藪巻き(やぶまき)
雪の重みで樹木や竹などが
折れるのを防ぐために、
縄や莚などで幹や枝をぐるぐる巻きにして
雪害を避けるもの。
枝を適宜曲げて縛りつけたり、
竹の添え木などで強化する方法もあります。
冬草の類は菰で覆って包みます。
近年は縄の結び方など装飾的なものが作られ、
観賞用にもなっています。
菰巻き(こもまき)
冬の間、藁で編んで作った菰 (こも) を
松の幹に巻きつけた「菰巻き」は
冬の風物詩になっています。
冬の寒さに負けないように巻かれた
「腹巻き」のように見えますが、
実は防寒用ではなく、
「マツカレハ」という害虫を駆除するための
ものです。
松に菰を巻き、その中に越冬する幼虫を集めて
春先に菰ごと焼きます。
雪吊り(ゆきつり)
樹木の枝が雪の重みで折れないように
縄や針金を使って吊り、補強することです。
日本海側は、世界的に見ても屈指の豪雪地帯で
量が多いだけではなく雪質も湿って重いため
樹木が折れる被害が出やすい地域です。
そのため古くから「雪吊り」の技術が発達し
普及してきました。
特に金沢の「兼六園」の「雪吊り」は有名で、
北陸の冬の始まりを告げる風物詩として
定着しています。
雪囲い(ゆきがこい)
雪国で風雪の害を防ぐために、
家の周囲や庭木などを藁・竹・板などで
囲うこと。またその囲い。
雪深い地方では、
強い季節風や、雪の害を防ぐために、
丸太を組んで筵、藁などで、
家や庭木を守るために外囲いをします。
墓囲ふ(はかかこう)
寒さや積雪で墓石が
凍りついて割れるのを防ぐため、
藁や筵などで墓を囲うこと。
雁木(がんぎ)
雪の多い地方で見掛ける
通路の上に張り出した雪除けの軒のこと。
新潟県上越市の高田が発祥の地と言われます。
雪や雨の日でも傘を差さずに歩くことが出来、
時にはそこで雁木市が開かれたりもします。