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コツコツと

乾燥注意報

 

冬型の気圧配置が強まると、
太平洋側の地方には
冷たい冬の季節風が吹きつけ、
空気が乾燥します。
火災が生じやすくなっている際に、
火災に対する注意を呼びかけるために
気象庁により「乾燥注意報」が発表されます。
 
 

乾燥注意報

乾燥注意報とは
気象台では、空気の乾燥により
災害が発生するおそれがあると予想した時に
「乾燥注意報」を発表します。
具体的には、大気の乾燥により
火災・延焼等が発生する危険が大きい
気象条件を予想した場合に発表します。
「注意報」は災害が起こる可能性がある場合、「警報」は重大な災害が起こる可能性がある場合、「警報」の発表基準を遥かに超える、
何百年に1度の現象が起こりうる場合「特別警報」が発表されます。
 

agora.ex.nii.ac.jp

 
なぜ冬は乾燥するのか?
なぜ冬場は空気が乾燥するのでしょうか。
それは空気中に溶け込める最大の水蒸気量、
つまり「飽和水蒸気量」に関係します。
飽和水蒸気量とは、
「空気1m3中に含まれている水蒸気の質量」で、気温が下がると低下します。
そのため、気温の低い冬場は
空気が乾燥するのです。
 

 
更に冬になると、
大陸から吹き来む北西からの季節風は
日本海を渡る時大量に水蒸気を吸収し
日本の山に当たり日本海側に雪を降らせます。
雪を降らせた後の乾燥した風が
太平洋側に吹くので、この地域では、
更に乾燥することになります。
 
「乾燥注意報」が
発表される際の基準
この「乾燥注意報」は
「最小湿度」と「実効湿度」の2つが
基準値を下回ると発表されますが、
「乾燥注意報」を発表する基準となる数値は
区域毎に異なり、
例えば以下のような基準が設けられています。
 <北海道>
  ・最小湿度30% 実効湿度60%
 <東京(本島)>
  ・最小湿度25% 実効湿度50%
 <大阪>
  ・最小湿度40% 実効湿度60%
 <沖縄(本島)>
  ・最小湿度50%、実効湿度60%
 
「最小湿度」(さいしょうしつど)
「実効湿度」(じっこうしつど)
「湿度」には、様々な呼び方があり、
普段、天気予報などでいう「湿度」とは、
正確には「相対湿度」(そうたいしつど) のことで、
空気中に含まれる水蒸気量と、
その温度における「飽和水蒸気量」の比で
表されます。
 
この「相対湿度」を一日を通して観測すると、
一番小さな値になる時があり、
これを「最小湿度」(さいしょうしつど) と呼びます。
 
 
一方「実効湿度」(じっこうしつど) とは、
木材の乾燥具合を表すものとされて、
当日の平均 (相対) 湿度と、
前日の平均 (相対) 湿度を用いて計算されます。
もっと細かく、2日前や3日前の平均湿度を
用いることもあります。
 
各地とも「実効湿度」が50~60%以下になると
火災の危険性が高まるので、
各地とも「実効湿度」は50~65%でほぼ一律に
発表されます。
 
しかし、もう一つの基準である「最小湿度」は
地域によってばらつきがあり、
南の沖縄では50%なのに対して、
北の札幌では30%、東京では更に低く、
最小湿度が25%にならないと発表されません。これは空気中に含まれる水蒸気の量に
関係しています。
また東北地方は
「実効湿度」と「最小湿度」だけでなく、
「風速」も考慮に入れて
「乾燥注意報」が発表されます。
 

「火災」に注意

「乾燥注意報」が発表された日には、
普段よりも「火災予防」に留意して下さい。
自分の家から火災を出さないだけでなく、
放火をされないための対策にも注意して、
火災を未然に防ぎましょう。
 
防火対策
 
・寝タバコやタバコの投げ捨てをせず、
 タバコの火はしっかり消す。
 灰皿に水を入れておき、
 吸い殻は必ず水につけるようにしましょう。
 
 
・ストーブの周辺は整理しておきましょう。
 ストーブの付近には燃えやすいものを置かず、
 衣類・布団・カーテンなど燃えやすいものを
 近づけない。
 また洗濯物を干すなどの行為は厳禁です。
 給油する時は必ず火を消しましょう。
 
 
・料理をしている時はその場を離れず、
 離れる時は火を消しましょう。
 
・子供には火遊びをさせない。
 
・配線まわりをきれいに保ちましょう。
 タコ足配線をしないようにしましょう。
 コード上には物を載せない、
 埃を定期的に清掃することも重要です。
 
 
・住宅用火災警報器を設置して、
 火災に一早く気付くようにしましょう。
 
放火対策
 
・家の周辺にダンボールや雑誌束など
 燃えやすい物は置かないように。
 
・自動車やバイクなどに被せるカバーは
 難燃性を使用しましょう。
 
・夜間は、門灯や玄関灯を出来るだけ
 つけるようにしましょう。
 
・物置や車庫は必ず施錠しましょう。
 
火が出てしまった時の対処
 
・小さい火災であれば消火器などで
 初期消火を行なって下さい。
 初期消火で対応出来た場合でも、
 再燃する可能性があるため、
 必ず119番通報をして下さい。
 
・天井まで火が燃え広がってしまった場合は、
 初期消火は出来ないので
 安全な場所まですぐに避難して下さい。
 
・安全な場所まで避難したら119番通報をし、
 消防車及び救急車が到着するまで
 安全な場所で待っていて下さい。
 決して、荷物等を取りに戻ることはしないで
 下さい。
 
 

「静電気」に注意

パソコンや精密機器
乾燥が続くと静電気が発生しやすくなります。
例えばパソコン用のUSBメモリなどに触れて
静電気が生じた場合、
データを失う可能性があるため注意が必要です。
パソコンや精密機器に触る際には、
事前に金属に触って放電し、
静電気で故障させないように注意しましょう。
 
セルフスタンドで給油
 
セルフのガソリンスタンドで給油する際も、
静電気で火災が起こる可能性があるため、
静電気除去シートへ確実に触ってから
給油を行いましょう。
 

「感染症」に注意

 
空気が乾燥する冬は、
ウイルスが繁殖しやすくなるため
風邪やインフルエンザ、ノロウイルスにも
注意が必要です。
 
感染症対策
 
・人の多い所への外出を避ける。
・外出から帰ってきた時には
 手を洗い、うがいをしましょう。
・加湿器などを使って、
 適度な保湿(50~60%)を保持しましょう。
・十分な休養と
 バランスのとれた栄養摂取も大切。
・感染している場合は拡大を防ぐために
 マスクをするなどの対応が必要です。
 

「肌の乾燥」に注意

冬の空気は乾燥している他、
運動量が低下しがちで、
皮脂も汗も分泌量が少なくなるため、
肌を保湿から守る天然の保湿クリームが
少なくなるのも
乾燥肌を引き起こす原因のひとつです。
 
気温と湿度から算出された、
素肌乾燥指数」の情報が役立ちます。

weathernews.jp

 
冬は気温が低くて
血流が悪くなったり新陳代謝が低下して
肌のターンオーバーが遅れがちになり、
古い角質が肌の表面に残ったままになり、
肌の表面に粉が吹いたようになったり、
フケが増えたりします。
 
気象庁が発表する「うるおい指数」を
チェックしましょう。

tenki.jp

 
肌の乾燥対策
・湿度を40~60%に保ち、
 室温は20~25℃位を目安に調節しましょう。
 
・エアコンの風が直接肌に当たらないように
 しましょう。
 冬に使う暖房器具も、
 肌を乾燥させてしまう大きな原因です。
 
・野菜や果物を毎日の食事にとり入れて
 バランスよく摂取するようにしましょう。
 
・寒い日は熱いお風呂に入りたくなりますが、
 熱いお湯に浸かると
 皮脂の油分が奪われてしまい、
 これもお肌の乾燥を招く原因となります。
・入浴後は保湿ケアを。
 特に乾燥しがちな腕や足などには、
 ボディークリームやボディーミルク、
 保湿剤などをしっかりと塗り、
 日常的にケアしておくのもおススメです。
 
・十分な睡眠をとりましょう。
 睡眠不足は新陳代謝が遅れてしまい、
 皮膚細胞の代謝も悪くなるので、
 しっかりと睡眠をとりましょう。