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寒冷渦(かんれいうず)ってよく聞くけど?

対流圏上空の「偏西風」(へんせいふう) は、
常に南北に蛇行しながら地球を巡っていますが、
この波動が大きくなり蛇行が激しくなると、
低緯度側へ張り出した部分 (気圧の谷) が
ちぎれて独立した低気圧性の渦になることが
あります。
これが「寒冷渦」(かんれいうず) です。
 
この渦の中心部には高緯度から来た
冷たい空気が閉じ込められて温度が低いため、
温度の低い寒気からなる低気圧ということで
「寒冷低気圧」(かんれいていきあつ) とも言います。
また偏西風から切り離されて出来ることから、
「切離低気圧」(せつりていきあつ) と呼ばれる
こともあります。
 
 
「寒冷渦」は季節を問わず発生します。
中心ほど気温が低く、
前線を伴わないことが特徴です。 
 
「寒冷渦」は、上空に寒気が入り込むため、
大気が不安定になりやすくなります。
なぜなら、冷たい空気は重いので
地上へと降りようとし、
下層にある暖かい空気は軽いので
上に昇ろうとします。
すると対流が活発になって
大気は安定な状態ではいられなくなるのです。
 

特に下層に湿った空気が存在する場合には
対流活動により「積乱雲」が発達し、
冬季は日本海側に大雪をもたらし、
周期的な天候変化が特徴である春や秋には、
突風、雹 (ひょう)、霰 (あられ) など、
激しい現象をもたらすことがあります。
 

しかも、「偏西風」の流れから
切り離されているため動きが遅く、
悪天候が数日間続くため、
災害の危険性が高まる恐れがあることから
注意が必要です。
 

 
「寒冷渦」 「上空の寒気」 「大気の状態が不安定」
といったキーワードを見聞きした際は、
雷活動度」とか「発雷確率」などといった
情報をチェックして、自分がいる地域が
いつ頃、急な強い雨や落雷・突風・雹などが
起こりやすいのかを把握しておきましょう。

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