梅雨闇(つゆやみ)・
五月闇(さつきやみ)
「梅雨」の時期は、
空が雨雲に覆われて日差しが遮られるため、
昼間でも暗い日が続きますね。
特に夜には、月が隠れてしまい、
一層暗いに闇に包まれることがあります。
その暗闇の様子を「梅雨闇」(つゆやみ) とか
「五月闇」(さつきやみ) と言います。
夜、月明りだけが頼りだった昔は、
一寸先も見えないような、
文字通り漆黒の闇に包まれてしまい、
大層不安に感じてしまったことでしょう。
そしてその分、「梅雨」の晴れ間の空や、
「梅雨」の雨上がりの束の間、
雲の切れ間から月や星が顔を出した時には、
思いがけず出会えたという喜びから、
心が明るくなり、感慨深い気持ちになりますね。
梅雨の夕焼け
(つゆのゆうやけ)
「梅雨の夕焼け」は、
梅雨の時期に見られる夕焼けを指す季語です。
梅雨の晴れ間の後に現れる夕焼け、
雨上がりに雲間から見える夕焼けは、
「梅雨」が明けた後の
「夏の夕焼け」とはまた違った、
独特の雰囲気を持っています。
「梅雨」特有の湿った空気によって、
空が茜色に染まり、
より鮮やかに見えるからでしょうか?
前後に降った雨により、全てがキラキラと
濡れて輝いているからでしょうか?
梅雨の月
(つゆのつき)
梅雨の夜に見える月を指す季語です。
雲間にぼんやりと見える月や、
雨が止んで見える月など、
様々な表情を楽しむことが出来ます。
梅雨の星
(つゆのほし)
梅雨の星
「梅雨」の夜空に見える星を指す季語です。
「梅雨」の晴間の夜空に
煌々として輝くこともあれば、
雲の隙間からに少し見えることもあります。
「梅雨の星」は、特に夏が始まる前の
春の星座が見納められる時期に
見ることの出来る星々を指すことがあります。
南西の空「春の大三角」
南西の空には、「春の大三角」が広がります。
オレンジ色の「牛飼座」の1等星の
「アークトゥルス」、
青白い光の「乙女座」の1等星「スピカ」、
「獅子座」の2等星の「デネボラ」を
結んで出来る大きな三角形です。
日本では3月中旬から6月上旬にかけて
見頃となり、春の訪れを告げる目印として
春の星座探しのガイド役となっています。
西の空「金星」と「火星」
西の空には、宵の明星の「金星」と、
その左上には「火星」の姿があります。
「金星」と「火星」から目線を南の方に移すと
「獅子座」の1等星「レグルス」が輝いて
います。
南東の空「蠍座」
南東の地平線近くに広がる
「天の川」の明るい部分には、
夏を代表する星座「蠍座」の上半身が
見えています。
南の空「アンタレス」
南の空には、「蠍座」の心臓の位置にある
1等星の「アンタレス」が赤く輝きます。
「アンタレス」の名前の由来は、
「火星に匹敵するもの」または
「火星に対抗するもの」という意味の
「アンチ・アーレス」です。
これは、「火星」と「アンタレス」が
共に赤く輝いていることから、
その赤さを比べて競い合っているように
見えることから付けられたようです。
麦星(むぎぼし)
「麦星」(むぎぼし) は、「春の大三角」の一つ、
オレンジ色の「牛飼座」の1等星の
「アークトゥルス (ラテン語 Arcturus)」を
指す星の和名です。
晩春から初夏の麦が実る頃(麦秋)の夕暮れ、
東の高い空にオレンジ色に輝くことから、
その色が麦の穂を連想させることと、
収穫を告げる星ということで
名付けられました。
「麦刈り星」「麦熟れ星」とも呼ばれます。
麦の刈り入れ期には、
一日中続く麦の刈り入れの手が
夕暮れの暗さの中で止まる頃、
東の空を振り向くと、
この麦の色をした星が見えたことでしょう。
そして麦の刈り入れの時期が過ぎて、
梅雨の時期には
「麦星」の昇る時間も少々早まり宵の口に
南東の空の梅雨の雨雲の晴れ間から
カラリと明るいオレンジ色をした
「アークトゥルス」が輝いているはずです。