旧暦では、「冬至」は太陽の力が復活する日です。
そのため、冬至は別名、
「一陽来復」(いちようらいふく)の日と言われています。
「一陽来復」とは、
「良くないことが続いた後、物事がようやく良い方向に向かう」
という意味です。
太陽を神と見なし、
あらゆる生命の維持を日の力に求める古来の人々には、
「冬至」はその力が最も弱まる日と考えられました。
そのため、「鎮魂」(たましずめ)とか
「魂振り」(たまふり)の呪術を行って、
日の力を再活性化させることを行いました。
1年で一番太陽の力が弱まる日ということは、
つまりは翌日から確実に日が強く長くなっていく日だということです。
このことから、冬至を「太陽が生まれ変わる日」と捉えて、
「冬至」を境に上昇運に転じるとも言うものです。
1年の中でも大切なこの日には、
運は上昇させるために、いろいろな食習慣やしきたりがあります。
「冬至」の日の夜が「新月」と重なることを
「朔旦冬至」(さくたんとうじ)と言います。
旧暦では、「11月1日」が「冬至」になり、
1年の節目と月の始まりが重なるため、喜ばしい兆しとして、
奈良時代から江戸時代までは、宮中では祝宴が行われていました。
旧暦11月23日に行われていた「新嘗祭」は、
まさに「冬至」の時期に当たります。
その23日とは、旧暦によれば「下弦の月」の頃。
稲の刈り上げを終えてから1か月程「物忌み」を続け、
冬至の時期の半月の日に「新嘗祭」として、
実りへの感謝と祈りを捧げたのです。
現在でも、全国にある多くの神社では「冬至祭」が行われます。
「冬至」は太陽が復活する日であるため、
農業にとって非常に重要な日でした。
「冬至」を迎えることは、豊作を祈ることに繋がっていると言えます。
そのため「冬至」には、農業に関わりの深い言い伝えが色々あります。
<言い伝え>
- 冬至の日が晴れだと、 翌年は豊作になる
- 冬至の日が雷が鳴ると、 翌年は雨が多い
- 冬至の日に南風が吹くと、翌年は地震や日照りあるいは大雨など
災害が起こる - 冬至の日が雪が降ると、 翌年は豊作になる