- 5/9(金)~10日(土)に「メイストーム」予報
- 「メイストーム」とは
- メイストームの原因
- 「メイストーム」の由来と語源
- メイストームデー
- 「メイストーム」が予想される場合
- 「メイストーム」が予想される時の対策
5/9(金)~10日(土)に
「メイストーム」予報
5月9日(金)から10日(土)は、
低気圧が日本海を北東へ進み、
前線が日本付近を通過するのに伴い、
西日本から東日本にかけての太平洋側を中心に警報級の大雨となる恐れがあります。
風も強まり、西日本では暴風の恐れもあり、
荒れた天気となるという予報が出ています。
「メイストーム」とは
4月下旬から5月に発生する低気圧が
日本付近で急激に発達した影響を受けて
急速に天候が悪化する現象を
「May (5月)」の「Storm (嵐)」で
「May Storm (メイストーム)」と言います。
なおこの「メイストーム」という言葉は、
日本独特の表現で、外国では通用しません。
メイストームの原因
4月下旬から5月頃は他の季節よりも、
日本付近では、北からの冷たい空気と
南からの暖かい空気がぶつかり合うことで、
低気圧が発生し、発達する傾向があります。
暖気と寒気の温度差が大きいほど、
低気圧の発達は加速します。
低気圧は、暖気と寒気の温度差を
エネルギーとして発達します。
急速に発達した低気圧は、
台風並みの暴風が吹くこともあるため、
注意が必要です。
「メイストーム」の
由来と語源
今から約70年前の昭和29(1954)年5月9日に、
「メイストーム」と名付けられる由来となる
爆弾低気圧による嵐が発生しました。
この年の5月8日午前9時、
Chinaと朝鮮半島の間の海域・黄海 (こうかい) で
低気圧が発生しました。
この時点の低気圧の中心気圧は、
日本海西部で988hPa、
北海道南東の海域の風速は毎秒5m前後、
波の高さは1m以下でした。
ところがこの低気圧は、
9日から10日にかけて猛烈に発達しながら、
時速70〜80kmという通常の約2倍の速さで
日本海西部から北海道から千島方面へと
進みます。
低気圧に伴う風も強くなって、
12時間後の風速は毎秒20~25m、
波の高さは5~7mと急激に高くなりました。
そして24時間後の10日の朝には、
千島の択捉島付近で952hPaにまで下がり、
9日から翌10日にかけて
広い範囲で大荒れの天気になりました。
この時、北海道東方沖合いにおいて、
サケ・マス漁業に出漁していた
600隻以上の漁船が避難するタイミングを失って
発達した低気圧による大時化に巻き込まれ、
沈没・行方不明95隻を含む409隻が遭難し、
死亡・行方不明者399人という
当時としては、日本海難史上最大級の
大惨事を引き起こしました。
この嵐を気象関係者は
「メイストーム (5月の嵐)」と命名し、
以後5月頃に日本近海で異常に発達する低気圧は
「メイストーム」と呼ばれるようになりました。
また北海道根室地方では、今でも、
この時の嵐を「ゴトウ(5月10日)の大風」と
呼んで、海難史に記録を留めています。
メイストームデー
5月13日は「メイストームデー」です。
気象用語である「メイストーム」とは
関係のある記念日ではありません。
「バレンタインデー」から88日目に当たる
5月13日は、「八十八夜の別れ霜」に因み、
別れ話を切り出すのに最適とされる日という
訳なのです。
起源ははっきりしていませんが、
若者の間で自然発生した和製記念日と
考えられています。
「メイストーム」が
予想される場合
このような大荒れの天気が予想される時には、
気象庁から「強風注意報」や「暴風警報」
「大雨警報」などが発表されます。
気象庁の発表
1.数日前から1日前に気象庁から
「暴風に関する気象情報」が発表されます。
「暴風に関する気象情報」が発表されます。
2.災害のおそれのある強風
(東京都23区では13m/秒以上)となる
6時間から3時間前には
「強風注意報」が発表されます。
(東京都23区では13m/秒以上)となる
6時間から3時間前には
「強風注意報」が発表されます。
3.その後も状況に応じて
「暴風に関する気象情報」が発表されます。
「暴風に関する気象情報」が発表されます。
4.更に、重大な災害のおそれがある暴風
(東京都23区では25m/秒以上)となる
6時間から3時間前に
「暴風警報」が発表されます。
(東京都23区では25m/秒以上)となる
6時間から3時間前に
「暴風警報」が発表されます。
5.注意報・警報発表後も、
「暴風に関する気象情報」で、
刻一刻と変化する暴風の状況が発表されます。
「暴風に関する気象情報」で、
刻一刻と変化する暴風の状況が発表されます。
「警報」と「注意報」の違い
「警報」や「注意報」は、
表面雨量指数、流域雨量指数、風速、
波の高さなどの気象要素が基準に達すると
予想した区域に対して発表されます。
警 報
重大な災害が起こるおそれのある時に
警戒を呼びかけて行う予報
警戒を呼びかけて行う予報
注意報
災害が起こるおそれのある時に
注意を呼びかけて行う予報
注意を呼びかけて行う予報
強風や暴風の「風の強さ」の目安
やや強い風(平均風速:10以上15未満)
・風に向かって歩きにくくなる
・傘がさせない
・樹木全体が揺れ始める
・電線が揺れ始める
・道路の吹流しの角度が水平になり、
高速運転中では横風に流される感覚を受ける
高速運転中では横風に流される感覚を受ける
・樋 (とい) が揺れ始める
強い風(平均風速:15以上20未満)
・風に向かって歩けなくなり転倒する人も出る
・高所での作業は極めて危険
・電線が鳴り始める
・看板やトタン板が外れ始める
・高速運転中では横風に流される感覚が
大きくなる
大きくなる
・屋根瓦・屋根葺材が剝がれるものがある
・雨戸やシャッターが揺れる
非常に強い風(平均風速:20以上25未満)
・何かにつかまっていないと立っていられない
・飛来物によって負傷するおそれがある。
・細い木の幹が折れたり、
根の張っていない木が倒れ始める
根の張っていない木が倒れ始める
・看板が落下・飛散する
・道路標識が傾く
・通常の速度で運転するのが困難になる
・屋根瓦・屋根葺材が飛散するものがある
・固定されていないプレハブ小屋が移動・転倒
・ビニールハウスのフィルム(被覆材)が
広範囲に破れる。
広範囲に破れる。
非常に強い風(平均風速:25以上30未満)
・屋外での行動は極めて危険
・細い木の幹が折れたり、
根の張っていない木が倒れ始める
根の張っていない木が倒れ始める
・看板が落下・飛散する
・道路標識が傾く
・走行中のトラックが横転する
・固定の不十分な金属屋根の葺材がめくれる
・養生の不十分な仮設足場が崩落する
猛烈な風(平均風速:30以上35未満)
・屋外での行動は極めて危険
・細い木の幹が折れたり、
根の張っていない木が倒れ始める
根の張っていない木が倒れ始める
・看板が落下・飛散する
・道路標識が傾く
・走行中のトラックが横転する
・固定の不十分な金属屋根の葺材がめくれる
・養生の不十分な仮設足場が崩落する
猛烈な風(平均風速:35以上40未満)
・屋外での行動は極めて危険
・多くの樹木が倒れる
・電柱や街灯で倒れるものがある
・ブロック壁で倒壊するものがある
・走行中のトラックが横転する
・外装材が広範囲に渡って飛散し、
下地材が露出するものがある
下地材が露出するものがある
猛烈な風(平均風速:40以上)
・屋外での行動は極めて危険
・多くの樹木が倒れる
・電柱や街灯で倒れるものがある
・ブロック壁で倒壊するものがある
・走行中のトラックが横転する
・住家で倒壊するものがある
・鉄骨構造物で変形するものがある
「メイストーム」が
予想される時の対策
発表時
「強風注意報」や「暴風警報」は、
強風や暴風が吹き始める数時間前に
発表されます。
たとえ発表された時点では
まだ風が強くないとしても決して
油断しないで下さい。
発表されたら
暴風に関する気象情報が発表されたら、
風が強くなる前に、
建物や建物の周りを見直して、
飛びやすいものは固定するなど、
対策を行いましょう。
そしてなるべく屋内で待避するようにして
下さい。
また、学校や会社などにいる時は、
強い風によって交通機関がストップして
帰宅が困難になるおそれがありますので、
学校や会社の指示に従って
早めに帰宅するなど、
強風のピークを避けて行動しましょう。
強風が吹いている時
「強風注意報」や「暴風警報」などが
発表された場合には、
外出は出来るだけ控えましょう。
特に天気が荒れている時に
山や海へ行くことは非常に危険です。