「草市」とは、かつて7月12日の夜から翌日にかけて開かれる、
盂蘭盆(うらぼん) の仏前に供える草花や、
焙烙(ほうろく)や苧殻(おがら)、鬼灯(ほおずき)といった
お盆の飾り物などを売る市のことで、
「盆市」とか、「花市」とも呼ばれていました。
現在は、7月上旬の週末に、「もんじゃ焼き」でお馴染みの
東京都月島にある「西仲通り商店街」で行われています。
約500mに渡る月島西仲通り商店街には、
150余りの様々な屋台が埋め尽くされます。
昔ながらのお盆の道具を売る店が出たり、
縁日の露店や各地の物産なども月島に集結して賑わう他、
特設ステージでは芸能が披露されることもあります。
(※令和3(2021)年の開催は中止となりました。)
「草市」は、文政(1818~1830年)の頃、
「7月12日の夜」に立つようになって、
その後、毎年、旧暦の7月13日の朝にのみ市が開催されていました。
「草市」では、
お盆に飾る「桔梗、女郎花、萩」などの花を売っていたことから、
別名「花市」と呼ばれていました。
本来、「盆花」は野山で捕って飾る物ですが、
江戸の様な都会ではそれが出来ないので、街中で販売していたのです。
こうして、7月12日の夜、13日の朝になると、
盆飾りや花を出して「揃いました。揃いました」と掛け声を掛けながら
売ったと言われています。
「草市」では、盆花の他、
「真菰」(まこも)や「精霊馬(藁細工の牛馬)」、鬼灯(ほおずき)、
「灯篭」、「盆踊り用の太鼓」、「提灯」なども販売されていました。