お盆期間中は、ご先祖様をお迎えし、丁重におもてなししますが、
お盆の時期は年や地域毎に異なります。
お盆の準備やお墓参りを計画されている方は、
早い段階からお盆の期間をチェックしておくことをおすすめします。
今年、令和3年のお盆期間がいつからいつまでなのか、
お盆のためにどのような準備をし、どのように過ごしたらよいのでしょうか。
地域差はありますが、下記のようなスケジュールで進めていくのが一般的です。
- お盆の日程
- お墓や仏壇の掃除 (7/7)(8/7)
- 必要なモノの準備 (7/12)(8/12)
- 精霊棚の設置 (7/13 の朝まで)
- 迎え火 (7/13 夕方)(8/13 夕方)
- 供養 (7/14, 15) (8/14, 15)
- 送り火 (7/16 夕方)(8/16 夕方)
お盆の日程
新盆 | 月遅れの盆 | 沖縄地方 | |
お墓や仏壇の掃除 | 7/07 | 8/07 | |
必要なモノの準備 | 7/12 | 8/12 | |
精霊棚を作る | 7/13 | 8/13 朝まで | |
ご先祖様を迎える(迎え火) | 7/13 | 8/13 夕方 | 8/20 |
供養 | 7/14,15 | 8/14,15 | |
ご先祖様を送り出す(送り火) | 7/16 朝 | 8/16 朝 | 8/22 |
新盆 (7月13日~16日)
東京の都市部(多摩地区を除く)や、
石川県金沢市の旧市街地、静岡市、函館市などでは、
新暦の7月(新盆)にお盆を迎えるところがあります。
令和3(2021)年は、7月13日(火)から16日(金)の4日間で、
13日の盆の入りに迎え火を、16日の盆明けに送り火をそれぞれ焚きます。
月遅れの盆 (8月13日~16日)
それ以外の地域では、新暦の8月にお盆を迎えます。
期間は毎年変わらず、8月13日~16日の4日間で、
新暦の7月に迎えるお盆に対してちょうど1ヵ月の遅れがあることから、
「月遅れの盆」とも呼ばれています。
新暦の7月に行われるお盆同様、
13日に迎え火をし、16日に送り火をするのが慣わしです。
「月遅れの盆」にお盆を行う人が全体の9割と大多数に上っているため、
「お盆」というと一般的に8月13日~16日を指す場合が多いです。
沖縄地方のお盆期間(8月20日~22日)
沖縄地方では、新暦が採用された現在でも、
旧暦に基づいてお盆の行事を行います。
旧暦は月の満ち欠けによって暦を決めているため、
旧暦の7月13日~15日を新暦に直すと、
その年によって日程に大きなズレが生じることがあります。
実際、令和2(2020)年のお盆期間は8月31日~9月2日でしたが、
令和3(2021)年のお盆期間は8月20日~22日と、
10日間以上もの差があります。
8月20日は「ウンケー」という祖先を迎える日で、
2日後の22日には、祖先を送り出す「ウークイ」の日とされています。
お墓や仏壇の掃除 (7/7)(8/7)
七日盆
盆行事の初日に当たる8月7日を「盆の入り」として、
「七日盆」(なぬかぼん)と言います。
この日、お墓や仏壇の掃除、井戸替え、女の髪洗いなどを行ないます。
「七日盆」
お墓掃除や仏具磨きを始め、
井戸や池をさらい、水替えをする
「盆始め」を7月7日に行うこと。
盆路(ぼんみち)
祖霊を迎えるために、
お墓や家の前、あるいはお墓から家までの道の草刈りや掃除をすることです。
必要なモノの準備 (7/12)(8/12)
12日にはお花・お供え物・ろうそくや線香といった、
お盆に必要な物を盆市(ぼんいち)などで揃えます。
新盆では白提灯(ちょうちん)を玄関に飾るので、忘れずに用意しておきましょう。
新盆では白提灯(ちょうちん)を玄関に飾るので、忘れずに用意しておきましょう。
盆花迎え(ぼんはなむかえ)
「盆花」(ぼんばな)とは、お盆に「精霊棚」に飾る花で、
その季節にその土地で咲く花がこれに当たります。
ヤマユリや鬼灯(ほおずき)、樒や撫子、
所によっては女郎花や桔梗、萩などの秋の花もこの盆花に加わります。
精霊は盆花に乗ってやってくるのだそうで、
お盆の最初の日である今日の朝に、
こうした花を山に出かけて摘んでくるのだそうです。
草市
精霊棚の設置 (7/13 の朝まで)
「精霊棚」(しょうりょうだな)とは、
お盆の時期にあの世から戻って来るご先祖様の霊が滞在するとされている
専用の棚のことで、「盆棚」(ぼんだな)とも言います。
普通は仏壇の前に小机(経机) を置き、
まずは上に「マコモのござ」、もしくは敷物を敷きます。
このマコモのござの上に様々な飾りなどを飾っていきます。
このマコモのござの上に様々な飾りなどを飾っていきます。
次に四隅に笹竹を立て、それぞれの竹の上部を縄で結び、
縄に「ほおずき」や「稲穂」を吊るします。
縄は結界を作って、悪い霊が来ないようにするためのものです。
縄は結界を作って、悪い霊が来ないようにするためのものです。
その後、一番奥側または一番上の段(段状の棚の場合)に
ご先祖様の「位牌」を安置します。
手前側に「精霊馬」や水の子、そうめん、昆布、生花、ミソハギの花、
夏が旬の果物や野菜、お膳を置いていきます。
最後に精霊棚の左右に「盆提灯」を飾って完成です。
(地域・宗派によっても違いがあります。)
(地域・宗派によっても違いがあります。)
お盆飾り
迎え火 (7/13 夕方)(8/13 夕方)
8月13日の夕方になったら、ご先祖様をお迎えするため、
お墓参りに行くのが一般的です。
家の門や玄関の前などでは、
家の門や玄関の前などでは、
素焼きの皿や耐熱性の皿の上で
「麻幹」(おがら)という麻の茎を乾燥させたものを燃やします。
「麻幹」は、「苧殻」(おがら)とか「箸木」(はしのき)とも言います。
「迎火」はご先祖様が迷わないようにするための道しるべです。
同じく目印として、玄関先に盆提灯を吊るすこともあります。
同じく目印として、玄関先に盆提灯を吊るすこともあります。
供養 (7/14, 15) (8/14, 15)
ご先祖様をお迎えしてからは、
灯明を絶やさず
朝昼晩3回、精霊棚にご飯と水をお供えします。
- 13日には餡子付きの「お迎え団子」
- 14日にはおはぎ
- 15日には素麺
- 16日には餡子なしの「送り団子」
を供えることが多いようです。
それから、家族揃ってお墓参りに行きましょう。
『迎えは早く、送りは遅く』と一般には言われています。
和尚さんを自宅に招いて、
読経をしてもらってご先祖様を供養します。
この頃に行われる「盆踊り」は、
地獄の責め苦を免れた者たちの喜びの踊りだそうです。
古くから「農繁期の労をねぎらう」、「地域の親睦を深める」、
「男女の出会いの場」として盆踊りが機能してきました。
送り火 (7/16 夕方)(8/16 夕方)
ご先祖様を再びあの世へと送り出しますために
「迎え火」をしたのと同じ場所で「送り火」を焚いて、
ご先祖様の帰り道を明るく照らします。
京都の夏の風物詩である「五山送り火」も、
ご先祖様が迷わないようにと始められた風習で、
海や川で行われる「灯篭流し」や「精霊流し」も、
お盆の風習の一つです。
藪入り
かつて、住み込みの奉公人や嫁いできた嫁が
実家へ帰る事が出来る休日のことで、
お正月の1月16日とお盆の7月16日が藪入りの日に当たりました。
江戸時代に広がった風習で、
昔は奉公人に定休日などなく、
嫁も実家に帰ることはままならなかったため、
藪入りだけが、
大手を振って家に帰ったり、遊びに出かけたり出来る日でした。