うまずたゆまず

コツコツと

梅雨から夏にかけて気をつけたい「夏風邪(ウイルス性感染症)」

 
「梅雨入り」が近づくこの季節は、
高温多湿を好むウイルスや細菌、カビなどの
病原体の繁殖が活発になると同時に、
急激な気圧・気温・湿度の変動により、
自律神経のバランスが乱れやすくなり
免疫力が低下しやすくなるために
様々な感染症が流行します。
 
放置すると長引くこともあるため、
注意が必要です。
 
 

夏風邪・ウイルス性感染症

「夏風邪」とは
 
「夏風邪」とは、
高温多湿の環境を好むウイルスによって、
夏季に発症する感染症の総称です。
実は、医学的には「夏風邪」という
独立した病名がある訳ではなく、
夏に流行する複数のウイルス感染症を
まとめて「夏風邪」と呼んでいます。
 
そして「夏風邪」は、6月頃から増え始め、
9月にかけて流行のピークを迎えます。
 
「夏風邪」は、子供を中心に流行しますが、
子供の風邪が原因で、看病していた大人が
「夏風邪」を引いてしまう場合が多く、
大人が感染すると子供より症状が重く
長引きやすいため注意が必要です。
 
「夏風邪」の原因
 
「夏風邪」は、
くしゃみや鼻水などの飛沫や、
タオルの共用などによる接触を通して、
高温多湿の環境で活発になるウイルスに感染
することで起こるものです。
 

 
また夏場は、
・エアコンの影響による体の冷え
・屋外と室内の激しい温度差による
 自律神経の乱れによる体調不良、
・冷たい飲食物の摂り過ぎによる
 胃腸の働きの低下、
・寝苦しさからくる睡眠不足、
・暑さによる食欲低下
といったことが重なって、
免疫力が低下してしまうことも、
「夏風邪」に感染しやすくなる要因と
なっています。
回復にも時間が掛かりやすくなることから、
「夏風邪がタチが悪い」と言われてきました。
 
主な症状
 
「冬風邪」が
鼻水や咳といった症状なのに対し、
「夏風邪」は、発熱や喉の痛みなどに加えて、
手足や口内の発疹、
目の充血、大量の目やにといった目の症状、
吐き気・腹痛・下痢など胃腸症状を
引き起こしやすいのが特徴です。
 
 
夏風邪で多く見られる症状
・発熱(38度以上の高熱が出ることもある)
・頭痛
・喉の痛み、喉の腫れ
・口の中や手足の発疹・水疱
・結膜炎による目の充血
・下痢、腹痛、吐き気などの消化器症状
・全身の倦怠感、食欲不振
 
対処法
原因となるウイルスに対する特効薬はなく、
症状を和らげる対症療法が中心となります。
 
一般的に発症から2〜3日で
発熱や喉の痛みがピークを迎え、
1週間程度で自然に軽快するパターンが
多く見られます。
 
 
ですから「夏風邪かな」と思ったら
外出を控え、
まずは自宅で療養しましょう。
水分・栄養を十分に補給し、安静にして
体力の回復を図りましょう。
 
夏風邪の治し方の基本
1.十分な休養と睡眠
 体力の回復と防御機能の維持に欠かせません。
2.こまめな水分・電解質補給
 発熱や下痢による脱水を防ぎましょう。
3.消化のよい食事
 おかゆ、煮込みうどん、
 具を柔らかくした味噌汁など。
4.喉への刺激を避ける
 刺激物や熱過ぎる飲食物を控えましょう。
5.室温と湿度の調整
 冷やし過ぎず、外気との差を5度以内に。
 
 
注意しなくていけないのは、
喉の痛みが強くて
食事や水分が摂りにくいとか、
下痢が続いて脱水が心配といった場合です。
 

医療機関を受診すべき目安

症状が2週間以上続いたり、
一旦、治りかけた咳や微熱が
ぶり返したりする場合は、
単なる「夏風邪」ではない別の要因が
関わっている可能性もあります。
なお、持病を抱えている場合や、
高齢者、肥満、妊娠中の場合には、
軽い風邪症状でも
すぐにかかりつけ医に相談して下さい。
 
以下の症状がある場合は、
重症化(脱水や肺炎など)の恐れがあるため
医療機関(小児科や内科)を受診して下さい。
 
・38℃以上の高熱が3〜5日以上続いている
特に生後3か月未満の赤ちゃんが
38℃以上の熱を出した時は
重症化しやすいので、
すぐ小児科を受診して下さい。
 
・水分が取れない
 
・食欲不振がひどく、水分も受け付けず、
 尿の出が減り、口の中が乾き、
 立ち眩みがするといった場合は、
 脱水の恐れがあります。
 
嘔吐が何度も続く
 
ぐったりして顔色が悪い
 
激しい咳・呼吸困難
激しい咳が続き寝られない、
ゼーゼーと喘鳴がする、
肩で息をするような
呼吸の苦しさが見られる場合は、気管支炎や肺炎を起こしている
可能性があります。
夜間でも呼吸が辛そうな時は
救急受診を検討して下さい。
 
 
 
更に、
・高熱に伴い痙攣を起こした
・呼びかけても反応が鈍く、
 意識が朦朧としている、
といった場合は緊急です。
ためらわずに救急車を呼びましょう。
 
特に「小児の熱性けいれん」は
「夏風邪」でも起こることがあるため
慌てずに対応して、
発作が治まったら受診して下さい。
 

三大夏風邪

「夏風邪」には流行しやすい
3種の風邪があります。
「手足口病」「ヘルパンギーナ」
「プール熱(咽頭結膜熱)」です。
 
手足口病
 
主に夏の間に子供に流行する
感染力の強いウイルス性の病気です。
 
病気の名前の通り、
手のひらや足の裏や甲、口の中に数㎜大の
水ぶくれの発疹が出てくることが特徴で、
手のひらや足の裏の水ぶくれが破れると
手や足がただれてしまうこともありますが、
水ぶくれは3〜7日で消えて、
後にはかさぶたも残りません。
 
口の中の水ぶくれは潰れやすく、
また口内炎になることがあるので、
痛くてご飯が食べにくくなります。
水も飲めなくなれば、脱水になってしまうので、
食事や飲水状況には注意してください。
 
38度前後の発熱を伴うことがありますが、
1〜3日で下がることが多いです。
 
ヘルパンギーナ
乳幼児、中でも1歳代が全体の90%以上を占める
「夏風邪」の代表的なウイルス性感染症です。稀に大人もかかることがあります
 
 
名前の由来は、
水疱(herpes風)のような水ぶくれが
喉の奥に出来ること(angina=のどの痛み)。
 
感染して2~4日後に、突然の高熱し、
続いて咽頭痛や口腔内に水疱や発赤が現れます。
2〜4日で解熱し、7日程度で治癒します。
高熱による倦怠感や口腔内の痛みなどから、
食事や水分を十分に摂れずに、
脱水になることもあります。
 
安静と対症療法により、
約1週間で自然に回復しますが、
稀に重篤な合併症を引き起こすものが
あります。
 
頭痛、嘔吐、首の硬直、
意識の変化(呼びかけに反応しない、
視線が合わない、弱々しく泣く、
しゃべらない、活気がない、
ぐったりしている)といった症状がある場合は
「髄膜炎」などが疑われるので
すぐに受診しましょう。。
 
プール熱
(正式名称:咽頭結膜熱)
「アデノウイルス」による
ウイルス性の感染症です。
かつてはプール利用時の接触や
タオルの貸し借りなどで
流行することがあったため、
「プール熱」と呼ばれていました。
 
 
 
39度以上の高熱、喉の痛み(咽頭炎)、
目の充血や目やに(結膜炎)が主な症状で、
解熱剤や点眼薬などの対症療法が
中心となります。
脱水症状を防ぐために
こまめな水分補給が重要です。
 

「夏風邪」の予防法

こまめな手洗い
 
ウイルスは接触や飛沫で感染するため、
外出後やトイレの後、食事の前に、
石鹸で丁寧に手洗いすることが重要です。
 
特に小さな子供がいる家庭では、
世話をする大人もしっかり手洗いを
行いましょう。
夏風邪のウイルスは
便の中にも排出されるため、
トイレやおむつ交換の後の手洗いを
徹底することが重要です。
 
うがいの習慣
喉の粘膜についたウイルスを
洗い流しましょう。 
 
プール利用時の注意
プールに入った後は、シャワーで体を流し、
目を洗浄するようにしましょう。
 
適切な冷房の使い方
 
外気との差を5度以内に抑えて、
冷やし過ぎを避けるようにしましょう。
 
栄養・水分補給
 
夏こそ良質なたんぱく質(免疫細胞の材料)を含むバランスの良い食事を心掛けましょう。
汗をかきやすい夏場は
特にこまめに水や麦茶を飲み、
脱水を防ぐとともに喉の粘膜の保護に
努めましょう。
 
質の良い睡眠を確保する
 
寝苦しい夜が続くと睡眠不足になり、
疲労が抜けず免疫力も低下します。
就寝前には室温を調整し、照明を落として
リラックス出来る環境を整えましょう。
テレビやスマホの光は眠りを妨げますので、
寝る前はなるべく避け、
十分な睡眠時間を確保して下さい。
 
なお湯船に浸かって体を温めると、
副交感神経が働いて寝つきが良くなります。
 
体がしっかり休まれば
ウイルスも負けにくくなり、
夏を元気に過ごせるでしょう。
 
タオルや食器の共用を避ける
 
家庭内感染を防ぐ基本です。
家庭内での感染を広げないために
家族の誰かが夏風邪に罹った時は、
他の家族へ移さない工夫が欠かせません。
タオルや食器、歯ブラシの共用は
避けましょう。