風
風薫る・薫風・風の香
初夏、若葉の上を渡って
特に5月頃の爽やかに吹く
青葉の爽やかな香りを運んで来る心地良い風を
「風薫る」(かぜかおる) 、「風の香」(かぜのか) と
言います。
この「風薫る」(かぜかおる) は、
元は漢語の「薫風」(くんぷう) で、
訓読みして和語化したものです。
南薫
若葉の香りを運んでくる南風なので
「南薫」(なんくん) という言い方もあります。
青嵐
「風薫る(薫風)」に似た季語に、
風が「薫る」程度の風速よりも
もう少し強くなった風に
「青嵐」(あおあらし) があります。
「風青し」「夏嵐」もほぼ同じ意味です。
「風薫る(薫風)」が
「かおる風」であるのに対して、
「青嵐」は「みどり(青)の風」で、
より一層視覚に訴える度合いが強くなります。
蒼嵐
「蒼嵐」(そうらん、あおあらし) は、
「蒼」は青々とした草木が茂っている様子、
「嵐」は強い風を意味することから、
「蒼嵐」は「初夏の青葉を吹き渡る風」とか、
「青々と茂った草木が風に揺れる様子」を
表した言葉です。
雨
緑雨
「緑雨」(りょくう) とは、
木々の青葉に降る、初夏の雨を指す言葉です。
古くから和歌や俳句にも詠まれてきた、
雨を表す美しい日本語の一つです。
緑色の若葉を濡らして、より一層
緑が鮮やかに輝く様子を表す言葉です。
「翠雨」(すいう) や「若葉雨」(わかばあめ) とも
呼ばれます。
「翠」は、翡翠の美しい緑色のことです。