初夏は草々が育ち、木々の「新緑」が眩しい
「緑」の季節ですね。
柔らかくてみずみずしかった「若葉」も
夏に向かって緑濃くなった「青葉」には
青々と漲る躍動感を感じます。
そして「青葉」の間を吹き渡って
爽やかな初夏の「風の香」(かぜのか) が
爽やかな気分にさせてくれます。

「風の香」(かぜのか)
初夏(特に5月頃)の青葉の香りを吹き送る
爽やかな風のこと。
「風薫る」(かぜかおる)、「南薫」(なんくん) とも
言います。
「新緑」が美しい季節である初夏、
森の中に入って「森林浴」をすると、
気持ちが爽快になります。
「新緑」には、様々なリラックス効果が
秘められています。

「緑」の色の効果

「緑色」は、見ているだけで
安心と安らぎをもたらしてくれる色です。
元々「緑色」には、副交感神経を優位にして、
心身の疲れを癒し、緊張を和らげる効果が
期待出来ます。
また、目に優しい色なので、
眼精疲労の緩和にも役立ちます

緑が豊かな場所に出掛けたり、
観葉植物を眺めているだけで、
心がホッとしたり、スッキリしたりするのは、
この緑色の作用によるです。
木の香り
「フィトンチッド」

新緑の季節に木々からは
「フィトンチッド」という成分が
発散されています。
「フィトンチッド」は、
細菌や害虫などから身を守るために
木が自分から発散する成分で、
1930年のソ連時代に、レニングラード大学の
B・Pトーキン教授が発見命名しました。
教授は、植物を傷つけると
その周りの病原菌が死滅したことから、
植物が何らかの物質を放出し、
それが作用し たと考えて、
その物質を『植物』を意味する「フィトン」と
『殺菌』を意味する「チッド」を合わせて
『フィトンチッド』 と命名したのです。

そんな「フィトンチッド」は、
「森」をイメージさせる独特の香りをしていて
殺菌・消臭・抗菌・抗酸化・防虫効果などに加えて
人体にも有益な効果をもたらしてもくれます。
近年、「フィトンチッド」の効果を検証すべく
様々な実験や研究が行われており、
医学的に心身を深いリラクゼーションに導く
効果が明らになってきています。
その内容は概ね次の通りです。
🌿脳内のα波の発生を促し、
精神を安定させる
精神を安定させる
🌿自律神経を安定させる
🌿交感神経の興奮を抑え、
不眠を解消し、快適な睡眠をもたらす
不眠を解消し、快適な睡眠をもたらす
🌿脳の活動や血圧を鎮め、
怒りや緊張などを和らげる
怒りや緊張などを和らげる
🌿ストレスホルモンを減少させる
(免疫力強化、高血圧改善)
(免疫力強化、高血圧改善)
🌿血中の抗がんタンパク質を増加させる
🌿肝機能を改善する
🌿呼吸を正常に整える
他にも抗酸化作用は美容にも効果的で、
身体の老化を防ぐことができます。
なお「フィトンチッド」の放出量は、
5月から8月にかけて
気温の上昇に伴って多くなり、
秋から冬にかけてだんだん少なくなります。
緑の香り
「青葉アルコール」と
「青葉アルデヒド」

「新緑」を特徴づけるのが、
「青葉アルコール」と「青葉アルデヒド」です。
草木をちぎった時や、芝を刈った時、
緑茶の缶を開けた時などに香る独特の青臭い、
どこか安心出来るあの匂いを
「青葉アルコール」と「青葉アルデヒド」
という成分で、この2つを主成分とした
8種類の化合物の複合の香りが「緑の香り」です。
昭和8(1933)年に発見され、
ぐったり感やストレスを解消し、
脳を活性化させる働きが確認され、
世界で注目されています。
この「緑の香り」は即効性があるため、
嗅いだ瞬間に、その力を発揮します。
マイナスイオン

「新緑」の季節は、植物が活発に成長し、
葉からの水分蒸散(蒸散作用)によって
「マイナスイオン」を放出します。
この時期に森林など緑豊かな所に出掛けて
「森林浴」を楽しむことで、
多くの「マイナスイオン」を浴びることが
出来ます。

「マイナスイオン」は、副交感神経を刺激し、
リラックス効果をもたらしてくれる他、
細胞の活性化や疲労回復、免疫力の向上など、
様々な健康効果が期待出来ます。
「森林浴」を効果的に楽しむには、
気温が高くなってくるこの季節に
針葉樹の森に出掛けるのが
より良いとされています。