8月8日は「白玉の日」です。
白玉を積み上げると「8」に見えることから
全国穀類工業協同組合が制定した記念日です。
そこで、見た目にも涼し気で、
つるんと滑らかな喉越しの夏の冷たい和菓子を
いくつかご紹介します。
- 水羊羹(みずようかん)
- 金玉糖(きんぎょくとう)
- 水まんじゅう
- 水無月
- 葛切(くずきり)
- 葛饅頭(くずまんじゅう)
- 葛餅(くずもち)
- 心太(ところてん)
- 白玉(しらたま)
- 蜜豆(みつまめ)
- 冷やし飴(ひやしあめ)
- かき氷
水羊羹(みずようかん)
小豆餡を煮溶かした寒天に砂糖と餡を加え、
冷やし固めて作る「水羊羹」(みずようかん) は、
江戸時代に生まれました。
水分を多めにして作るため柔らかく、
つるんと心地よい喉越しが特徴です。
暑い夏にはさっぱりといただけて、
竹筒に入ったものもあり、
おもてなしにもピッタリです。
金玉糖(きんぎょくとう)
煮溶かした寒天に砂糖を混ぜて煮詰め、
型に入れて冷した、
透き通っていて涼やかなお菓子で、
当初は「金玉糖」(きんぎょくとう)と呼ばれましたが
くちなしの実で
琥珀色に染めることもあったため
「琥珀糖」(こはくとう) と呼ばれるように
なりました。
中に金魚や小石などの練り切りを入れたもの、
冷した後に花や動物の形などに抜いて
乾燥させたものもあり、こちらは
「干錦玉」 (ほしきんぎょく) 「干琥珀」(ほしきんぎょく) と言います。
宝石のような見た目が美しく、
身近な材料で簡単に作れることから
SNSで話題となっています。
水まんじゅう
半透明の生地に、こし餡が透けて見える
冷たい「水まんじゅう」は、
豊富な地下資源により「水の都」とも言われる
岐阜県大垣市で生まれました。
葛粉とわらび粉で作られた生地であんを包み、
夏でも冷たい井戸水で冷やして作る
「水まんじゅう」は、ぷるんとした弾力と
喉越しの良い食感が特徴です。
定番のこしあん以外にも抹茶餡、
季節の餡などがあります。
水無月
白いういろう生地の上に小豆が敷き詰められ、
三角形にカットされた夏越の祓の時に食べる
京都の郷土菓子です。
葛切(くずきり)
葛粉を水で溶かし、
火にかけて加熱して透明になるまで練り、
冷やし固めたものを細長い麵状に切ったもの。
白蜜または黒蜜をかけて食べます。
舌に冷たく見た目にも涼やかで、
上品な喉越しの良さが特徴です。
葛饅頭(くずまんじゅう)
葛粉を水で溶いて練り、
火にかけて半透明になったものを皮にして
餡を包んだ饅頭です。
葛餅(くずもち)
葛粉を熱湯で練り、
それを型に入れて冷やし固めたお菓子です。
普通はそれを三角に切り分けて、
黒蜜をつけて黄粉をまぶして食べます。
葛粉の生産には限りがあることから、
関東では早くに原料を小麦粉の澱粉に変え、
そのため透明でなく白濁して見えます。
名前も「葛餅」ではなく、
「久寿餅」「くず餅」などとしました。
心太(ところてん)
海藻の天草を洗って晒し、煮てから型に流し、
冷やし固め、ところてん突きで突いて、
好みで酢醤油や蜜をかけて食べます。
万治元(1658)年の冬に、
山城国伏見の旅籠を本陣としていた
薩摩の島津藩の一行が、
夕食に残した天草料理を屋外に置いたところ、
翌朝に凍り、日中は解けて乾燥しました。
数日後に煮直したところ、
「心太」(ところてん) が出来たと言います。
更にこれを黄檗山の隠元が試食し
「仏家の食用として清浄無垢、
これにまさるものなし」と称揚して
「寒天」と名付けたらしいと伝えられています。
心太売りの呼び声は
「ところー」と伸ばし「てん」と短く結ぶので、
「心太売りは一本半に呼び」の川柳もあります。古くは字面通り「こころぶと」と呼ばれました。
白玉(しらたま)
白玉粉を水で練り、小さな団子状にして茹で、
冷やして砂糖、蜜や小豆をかけたり、
かき氷や冷やし汁粉、
あんみつに添えたりして食べます。
味噌汁やすまし汁の具に、
大根おろしと三杯酢で食べる
おろし白玉も素朴で美味しいです。
かつての白玉売りは、
白玉を冷水に入れ砂糖を加えた白玉水を、
黒塗りの桶に入れ、天秤棒で担ぎながら、
「かんざらし、しら玉ぁ」と売り歩きました。
蜜豆(みつまめ)
茹でた赤豌豆 (あかえんどうまめ) に、
賽の目に切った寒天や紅白の求肥、
果物などを加え、砂糖蜜をかけた冷たい菓子を
「蜜豆」(みつまめ)と言います。
明治の末頃、六代目・菊五郎と吉右衛門一座の
芝居小屋・市村座の食堂で売られてから
評判になりました。
これに餡を入れた
「餡蜜」(あんみつ) を考案したのは
昭和11(1936)年に銀座で甘党の店
「月ヶ瀬」を開店した俳人の橋本夢道です。
夢道の「蜜豆をギリシヤの神は知らざりき」
というコピーが電車の中吊り広告にも
登場したそうです。
冷やし飴(ひやしあめ)
水飴を湯に溶かし、
少量の肉桂や生姜の搾り汁を加えて冷やし、
腹薬や暑気払いとして飲みました。
昔は天秤棒に荷を振り分けにした飴湯売りが、独特の売り声をして町を流し歩き、
今でも祭の夜店や神社などでよく見かけます。