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夏落葉(なつおちば)

 

夏落葉・常盤木落葉

5月も半ばとなり、
若葉がより深い青葉になる季節になりました。
この頃、杉、檜、椎、樫と言った常緑樹は、
新しい葉、若葉が広がり始めると、
徐々に古い葉を落としていきます。
これを「夏落葉」(なつおちば)とか、
「常盤木落葉」(ときわぎおちば)とも言います。
 
 
秋に葉を落とす「落葉樹」とは違って、
「常緑樹」は冬期になっても全て落葉せず、
年間を通じて葉を付けています。
だからと言って「常緑樹」の葉が、
半永久的に枯死しない訳ではありません。
「常緑樹」も1年中、
みずみずしい葉っぱを保持するために、
新葉が出る時期に集中して、
あるいは長期間に渡って少しずつ落葉して、
世代交代をします。
落葉樹のように一枚も葉がなくなることは
ないので、気づきにくいのです。
 
 
<< 参考 >>

www.linderabell.com

 

若葉

初夏の木々には、
明るく柔らかくみずみずしい若葉が広がり、
目の覚めるような溌溂とした感じがあります。
木の種類によって、
様々な形、様々な色合いがあります。
 
柿若葉(かきわかば)
 
柿の若葉は、明るい艶のある萌黄色で
一際目を引きます。
日本人と深い関わりのある柿の木は、
果実だけでなくその葉も役に立ちます。
 
 
出てすぐの若葉は柔らかく香りが良いので
天ぷらにして食されることもあります。
「柿の葉寿司」は、塩で締めたサバを酢飯を
防腐の効果のある柿の葉で包んだ押し寿司の
ことです。
 
 
ほのかな甘みがあり、フルーティな香りの
柿の葉茶には、タンニンが含まれており、
抗菌作用や殺菌作用があるため、
風邪予防にも役立ちます。
 
椎若葉(しいわかば)
 
神社や寺院の森などでよく見かける椎の木は、
ブナ科の常緑樹です。
薄緑色の若葉が全体を覆うようになると、
黒ずんだ古い葉が落ちます。
椎の木に生えるきのこは「椎茸」、
果実はいわゆる「どんぐり」で食べることが
出来ます。
 
 
樫若葉(かしわかば)
 
樫はブナ科コナラ属の常緑高木で、
木が硬い意の「かたし」から来た名前です。
鉄道の枕木などに利用されました。
初夏に茂らせる淡い緑色の若葉には
絹のような軟毛を生じ、
次第に革質のツヤを帯びるようになります。
 
樟若葉(くすわかば)
 
樟の新葉は萌黄色で光沢があります。
公園、神社などに多く植えられている樟は、
木材や葉から樟脳の成分が取れ、
天然樟脳として珍重されています。
 
 
樟脳の香りには、防虫効果があるため、
木製箪笥などの家具類に利用されています。
 
 

青葉(あおば)

 
「若葉」の頃を過ぎ、
勢いよく青々と茂り始めた葉のことを
「青葉」と言います。
「若葉」よりも緑の深まりを感じさせ、
漲る生気と、目に染みるような艶やかさに
力があります。
青葉の頃、雨上がりの木の下を通ると、
葉に溜まっていた雫が
ハラハラと落ちて来ることを
「青葉時雨(青時雨)」と言います。