一般に「初夏」と言えば、
「新緑」の頃から「梅雨」入り前の頃までを
言います。
暑過ぎず寒過ぎず、
一年のうち、最も安定した気候の時期であり、
快適に過ごせる時期と言われています。
何となくボーッとした
晩春の物憂さ「春愁」から抜け出して、
新しい季節への期待から
前向きな気持ちが生まれてきます。
気温が徐々に上昇し、窓を開け放つと、
新緑が眩しく、様々な花が咲き始め、
自然の美しさや活力を感じて、
外出したいと思うようになります。
ぼんやりと霞がかかった春の空と違って、
初夏の空は青く澄んで気持ちが良いし、
「目には青葉」と言われるように
新緑が目にも鮮やかであり、
新樹を吹き渡って来た爽やかな微風が
匂うように感じられて、身も心も癒されます。
しかし、そんな「初夏」は
「立夏」からのごく短い期間に過ぎません。
5月末には夏日もあったり、
そうかと思うと「卯の花腐し」(うのはなくたし) と
呼ばれる長雨が続いたりにします。
6月に入ると「走り梅雨」があったと思ったら、
すぐに本格的な「梅雨」の季節に突入です。
「梅雨」が終わっても、その後は、
ウンザリするような猛暑がやって来ます…。
それだけに人々は、この爽やかな、
しかもあっと言う間に過ぎ去ってしまう
「初夏」をこよなく愛するのでしょうか。