うまずたゆまず

コツコツと

「お盆には海に入っていけない」って本当?

 

「海で遊ぶのはお盆まで」とよく言いますが、
どうして、お盆に海に入ってはいけない
でしょうか?
 
 

お盆に海に入ってはいけない⁉

 
「月遅れのお盆」の時期は、
会社や学校の長期休暇と重なるため、
海や川へ遊びに行くご家庭も増えます。
 
 
ところが、昔から全国的に
「お盆に海へ入ってはいけない」と
言われてきましたし、
実際に「月遅れのお盆」の時期に、
水難事故などで多くの命が奪われています。
実は、私も小3のお盆の頃に海に入って
高波にさらわれて溺れました。
ホントに危なかった・・・。
 
 

ダメな理由

クラゲ
お盆を過ぎた頃から、海では
クラゲが大量に発生するようになります。
刺されれば患部は腫れ上がり、
稀ではありますが、抵抗力の弱い子供が
毒性の強いクラゲに刺されて亡くなったという
死亡事故も確認されていますので、
くれぐれも細心の注意を払いましょう。
 
台風
 
8月は台風の季節です。
台風は上陸した当日だけでなく、
その前後の時期も恐ろしいほどに波が高くなり水難事故も増えます。
 
盆波(ぼんなみ)
 
旧暦の盂蘭盆の頃に、主に太平洋沿岸に
押し寄せて来るうねりのある高波を
「盆波」(ぼんなみ) と言います。
この大波に飲まれてしまった方が
溺れて亡くなるというケースが
実際に起こっています。
海辺の漁村の人などにとっては、
お盆の行事と結びつき、
海難で亡くなった人を思い出させる大波です。
 
離岸流 (りがんりゅう)
 
海岸に打ち寄せた波が
沖に戻ろうとする強い流れのことを
「離岸流」(りがんりゅう) と言います。
その流速は毎秒2mに達する場合もあります。
この毎秒2mとはどのくらいの速さかというと、
五輪水泳自由形の金メダリストが泳ぐ速さと
ほぼ同じだそうです。
 
 
「離岸流」に流れると、知らず知らずのうちに
沖まで流されてしまう恐れがあるので、
注意が必要です!
実際、海水浴場における溺水事故の約50%が
離岸流によるものです。
(2013-2022年日本ライフセービング協会調べ)
「離岸流」は、決して珍しいものではなく、
毎年どこにでも発生するものですが、
お盆期間に多く発生することが分かっています。
 
 
なお沖に流された場合は、
海岸と平行に泳いで離岸流から脱出するか、
ムリに泳がず楽な姿勢で浮いて救助を待つか
するのが有効だそうですが、
とても出来そうにありませんね。
 
川遊びなら大丈夫⁉
 
川遊びと言えば、釣りがつきものですが、
仏教の概念では、
お盆時期の殺生は禁じられているため、
お盆の川遊びも避けることが一般的です。
 
 
お盆は海以外の水辺でも事故が増えるため、
川遊びも余り推奨されていません。
例えば台風が発生した場合、
川の流れが速まったり、
水温が急速に冷たくなったり、
水深が深くなったりと
溺れるリスクが非常に高まります。
川遊びが禁止されている訳ではありませんが、
注意が必要とは言えるでしょう。
 

お盆に海に行くと、
霊にあの世に連れて行かれる⁉

 
現在、「月遅れのお盆」は
8月13日から16日頃を指しますが、
旧暦では7月に当たります。
 
 
正月や盆の16日は、
閻魔賽日(えんまさいじつ)と言われ、
「地獄の釜の蓋が開いて鬼も亡者も休む日」で
この日は「地獄の釜の蓋も開き」、
御先祖様の御霊が戻ってこられるのをお迎えし、
御先祖様の鎮魂のために行動する日なのですが、その日に家を空けて海水浴をすることは、
御先祖様や故人様に失礼だと考えます。
 
 
また地獄からの霊が、
海にいる人の足を引っ張り
あの世に連れて行ってしまうという
ちょっと怖い言い伝えの残る地域もあります。
 
 

www.linderabell.com

www.linderabell.com

 

最後に

最後に海水浴をする時は、
次の注意事項を遵守して下さい。
 ・当日の天気予報を確認し、
  無理な日程で泳がない。
  (無理して流される人が多い)
 ・遊泳禁止区域で泳がない。
  (監視員がいる海水浴場を選ぶ)
 ・波が高い時には、海に近づかない。
 ・堤防や突堤等の構造物付近では泳がない。
 ・子供から目を離さない。
 ・複数人数で行動し、砂浜等で休憩中の方は
  海に入っている仲間を注意して見るように
  する。
 ・飲酒後や体調の悪い時には、
  海には入らない。
 
何かあったら、躊躇せずに救助機関に通報!
海のもしもは「118番」
・ 海難人身事故に遭遇した、または目撃した。
・ 油の排出等を発見した。
・ 不審船を発見した。
・ 密航・密輸事犯等の情報を得た。
など。